クアトロでブルーチーズを注文すると、オレンジ色のチーズが運ばれてきた。
「あのー、ブルーチーズを注文したのですが・・・」
「はい、ちゃんと青カビが入っています」
クアトロの父の応対は、つっけんどんである。
しかし、よく考えてみるとブルーチーズはたしかに青カビで熟成したもので、全体が青い色をしている訳ではない。
通常のブルーチーズは白い生地に青カビが映えて青っぽく見える。
それにしても、クアトロのブルーチーズ“シュロプシャーブルー”は不思議な色をしている。
イギリスの伝統的なチーズなのだが、カボチャのケーキにカビが生えたようなもの。
カボチャ色のこのブルーチーズを渋々ながら食べてみると、しっとりとした口当たりに、辛味、甘み、渋みがほどよく感じられ、とてもコクのある味わいだ。
これならば、ブルーチーズのとがった味わいが苦手な人にも美味しい。
「あのー、このチーズに合う白ワインを注文したのですが・・・」
「はい、色はオレンジても白ワインなんですけど」
このチーズにおすすめのオーストラリア・ウイマーラのピノグリは、スキンコンタクトのために少しオレンジ色をした白ワインだ。
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