湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ボロディン:交響曲第2番

2010年08月29日 | ボロディン
○アッカーマン指揮ケルン放送交響楽団(RICHTHOFEN:CD-R)1954放送

確かに迫力ある復刻で、いちいち重厚な響が折り目正しく飛ばされてくる。ブラームスをやるような演奏ぶりだが悪い意味ではない。羽目を外さないかわりに癖や匂いのないまっとうに西欧的なボロディンを聴ける。ケルンSOのハデハデしい演奏ぶりには賛否あるかも。○。
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ボロディン:歌劇「イーゴリ公」~だったん人の踊り

2009年12月23日 | ボロディン
◎ハラバラ指揮チェコ・フィル他(SUPRAPHONE)1953

これはコントロールされた勢いが素晴らしい。合唱付き(ロシア語?)でライヴ感に溢れ、メリク・パシャーエフの演奏のような迫力だ。チェコ・フィル黄金期の香りを残した痩せることなき迫力が、多少の雑味などものともせずただひたすら、オリエンタルなダンサーの回転とコサック兵の雄叫び、これだけを滑らかにフィナーレまで描きあげている。◎。復刻不明。
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ボロディン:交響詩「中央アジアの平原にて」

2009年06月19日 | ボロディン
○ミトロプーロス指揮NYP(GUILD)1953/4/19live・CD

どうもどこかで聴いた覚えがあるのだがデータ的には初見である。愉快な演奏で録音状態柄(guildだから放送だろう)リアル感が強くミトプーの芸風からしても音詩的な情景描写感は薄いのだが、純管弦楽としては非常に楽しめる。強靭な推進力を持ったオケの威力を最大限に引き出すミトプーの才能というか、NYPへの適性を感じる。NYPは事実上この人なくしてバンスタ時代には至れなかったと思う。録音状態から◎にはできないが、通俗名曲に留まらない魅力を発揮させた佳演。


Rubinstein & Mitropoulos - Recordings 1953: Saint-Saens, Borodin, Franck, Scriabin / Arthur Rubinstein, Dimitri Mitropoulos, NYP


Comments (7)
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ボロディン:歌劇「イーゴリ公」よりだったん人の踊り(合唱付抜粋)

2009年05月11日 | ボロディン
○アンゲルブレシュト指揮ORTF・合唱団(STEF)live・CD

やや不安定なモノラルで終幕もブツ切となり、恐らく上演全曲の最後だけを切り取ったものと思われる。冒頭で少し電気的雑音が入り客席雑音も入ることから、放送中継エアチェックの可能性もあるかもしれない。しかしそれらを気にさせない異様な迫力の捉えられている拡がりのある音で、アンゲルブレシュトがさばくにはいささか単純過ぎる曲ではあるが、そこを解剖学的演奏などに転化することなく、劇場指揮者としての腕を発揮して、特に対位的表現をくっきりと、曲が構造的に包蔵する多彩な要素を全て出し尽くさせたうえで楽団の「フランス的アンサンブル」の魅力を打ち出す(ライヴとして技術的にもまったく素晴らしい)、アンセルメとはまったく違うロシアに媚びない煽情性とでも言うべきか、不思議な、でも曲としては正統な力強さに貫かれている。合唱付きなのがまたいい。

音源提供していただいたかたありがとうございました。これをwantlistに載せたとたんヤフオクに出品されるかたが相次いでいたようですが、もう手を出さないと思います・・・リブレット付き5枚全集まとめてでなければ。
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ボロディン:交響曲第2番

2008年10月10日 | ボロディン
クレツキ指揮クリーヴランド管弦楽団(DA:CD-R)1971live

冒頭からリズムが重く緩慢なテンポに厭気がさすが、しっかりした音表現をとっており、終楽章にいたってスピードも得てマルティノンに近い感興を醸せるようになる。ただ、録音が聴きづらく楽しめない。クリーヴランドは冷めてはいるけど巧いし、けして悪い演奏では無いとおもうが、録音としては無印。
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ボロディン:交響曲第2番

2008年06月09日 | ボロディン

マーツァル指揮NYP(DA:CD-R)1976/1/1live


どうにも中途半端な出来。弛緩した1楽章冒頭のリズムからマゼール張りの低血圧で、遅くて透明感がありすぎる。しかし突然集中力が発露するところもあり、ムラがありすぎる。この1楽章は設計的にだめ。2楽章スケルツォは突然異様なスピードで煽る。NYPの面目躍如たるところを聞かせるこの演奏で一番の聴き所。3楽章もまあまあだがこの楽章は木管ソロ次第の楽章である。4楽章はなかなかに聞かせる部分もあるのだが1楽章同様弛緩した部分とのギャップが激しく感じる。最後にはうまく盛り上げるから拍手喝さいになっているが、個人的にはアウト、過去この曲がはやった”テンション時代”のスタイルに慣れた耳からすると違和感がありすぎる。無印。


ボロディンの2番をテンションで楽しめる二枚~
チャイコフスキー : 交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」 / ボロディン : 交響曲第2番 ロ短調
マルティノン(ジャン)
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~カップリングのVPOとの「悲愴」は賛否両論。
R.コルサコフ:シェエラザード
コンドラシン(キリル)
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~コンドラシンRCOコンビの正規録音の中でも代表的な「シェヘラザード」と「ボロ2」のカップリング。
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ボロディン:弦楽四重奏曲第2番~Ⅲ.夜想曲

2008年03月27日 | ボロディン
○ロンドン弦楽四重奏団(COLUMBIA)SP

録音のせいかもしれないがファーストの音が細くて昔らしいアデな表情が無いのと全般に色の無いニュートラルな音でわりと現代的な組物になっているのが意外だ。フレージングには感傷的な溜めはあるのだが、結果出来上がった音楽は抽象度が高く、安定感もある。曲なりのオリエンタルな色がないし、瑕疵は無ではないが技術的にはちゃんとしている。
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ボロディン:中央アジアの平原にて

2008年03月27日 | ボロディン
○ヴォルフ指揮ラムルー管弦楽団(POLYDOR)SP

短さと旋律性から通俗名曲として20世紀前半より親しまれてきた曲だがとりわけオリエンタリズムに趣味深いフランスでは受け容れられ録音も多い。ヴォルフはやや新しい指揮者であるせいか録音の新しさにも恵まれピエルネのような柔な音ではなくはっきりコントラストのついた音によって骨太のボロディンを描いている。しかし中間部の隊列の主題はかなり情緒的な表現がたっぷりなされており、フレージングも柔らかく詠嘆の情がにじむ。ヴォルフらしくないがこれは時代と国の欲求だろう。金属的で美しいフラジオも印象的。録音時間に制約あるSPゆえ末尾など欠けたりしている。
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ボロディン:中央アジアの平原にて

2008年03月27日 | ボロディン
○ピエルネ指揮コロンヌ管弦楽団(GRAMOPHONE)SP

わりとしっとりした演奏で、この理知的な発想の作品を、ロマンティックではないのだが機械的に組み上げるのではなく流れの上に横に引き流していく感がある。この曲は簡素ゆえ演奏によって様々な表現ができ、旋律音楽にも印象派音楽にも前衛音楽にすら仕立てることができそうだが、ゆえに誤解や嫌悪を産む素地がある。この演奏ではボウヨウとした弱い音楽に聞こえる可能性があり、個人的には軽やかで綺麗なもののそれほど好きではない。
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ボロディン:弦楽四重奏曲第2番

2008年03月25日 | ボロディン
○ハリウッド四重奏団(TESTAMENT他)CD

これは室内楽全般に言えるデジタル復刻の問題なのだが音が丸みを帯びた硬質のものに削られていて、エッジが無くめりはりが無いわりに、冷たくはっきりした表現に聞こえる。テスタメントの復刻もけっこうその気があり、この旋律音楽においても横の流れが無味乾燥に追われるのみで、けっこう危ないところのあるハリウッド四重奏団のアンサンブルやスラトキンの音がハスキーな音のみ耳をつんざくように残っていて、そのハスキーな部分にいたる有機的な起伏や、ハスキーな音の下にしっかり発音されている低い部分が聞こえないから、ただ聞きにくいスカスカした雑な演奏に聞こえる。まあ、楽団に曲があっていないようにも思うので、録音復刻のせいだけではないとは思うが。室内楽における即物主義は難しい。テンションが高いわけでもないので(音はテンションを感じさせるけどテンポは大してかっこよくない)どうなんでしょう。
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ボロディン:中央アジアの平原にて

2008年02月29日 | ボロディン
○ゴーベール指揮パリ音楽院管弦楽団(COLUMBIA)1929・SP

オリエンタリズムの受けるパリではさかんに演奏録音された曲だが、わりと即物的で素朴なこの演奏などきくと高音フラジオのハーモニーに低弦のスラヴィックなピチカートがのるあたりなど先鋭的な響きがして、それらが洗練された単純さの中に配されている。フランスの当時の前衛好きに受けたのもわかるし、演奏もまたロマンティック過ぎも整え過ぎもせず滑らかに、気持ちの良いもの。どちらかというと春昼さがりのバルコニーの情景。○。
Comments (3)
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ボロディン:弦楽四重奏曲第2番

2007年06月29日 | ボロディン
○プラハ四重奏団(DENON)1977/11/8,9荒川区民会館

何か足りない・・・「憂い」だろうか???民族的な部分も近代西欧的室内楽な部分も適度に盛り込まれ、ライヴ感あふれる鋭い饗宴を楽しめるのだが、どこかのりきれない。。
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ボロディン:弦楽四重奏曲第2番

2007年06月29日 | ボロディン
○パレナン四重奏団(VEGA)LP

わりとよく見る中古LPなのに昨今のなんたらブームでやたらプレミアンになっている盤だが、VEGA自体かつては見つけたら即買いくらいの勢いだったのが、今やフランス盤全般が高額安定、VEGAは再発が多いばかりか再発時にステレオ化されたり(VEGAは同時期のETERNAなんか同様に、きほんステレオ収録しても普及盤としてはモノラルで出していた)しているせいかあんまりピックアップされなくなり、デュクレテ原盤よりディスクフランセのプライヴェートが高いとか、もちろんレーベルで決まる話ではないのだけれど何か腑に落ちない。わりと手ごろなものが出ていたので即買い、聴いてみた。前評判は意外な演奏、というものだった。

確かに。初期パレナンの音はカルヴェらの伝統にのっとっているように聞こえる。後年の倍音の少ない純度の高い音への指向の萌芽はあるものの、モノラルであるせいか拡散的にならず、曲の構成のままに素直に譜面を表現している。過度に客観でも古臭く民族的でもない。新世代の演奏家、としてもまだ発展途上でいた、だからこその緊張感がいい方向に働いている。さらっと聴きやすい。それにかなり巧い。パレナンにそんなに巧いイメージは無いのだが、ファーストは伝統的なフランス派の表現としてはかなり精緻に激した演奏を可能としている。

この時代にしては清新、しかし今の耳からすると郷愁の範疇に未だいる。ボロディンはこのくらいの演奏がちょうどいいのかもしれない。何度でも聴ける演奏だ。
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ボロディン:交響曲第1番

2007年03月23日 | ボロディン
○ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団(ANGEL)

極めて集中度の高い緻密な演奏で、拡散方向に向かいがちなこのての曲をじつにベートーヴェン的なまでにまとめあげた手腕は並ではない。リズミカルで色彩的なこの指揮者の特質もあるが、ただラテンな指揮者がリズムだけを煽っていくような演奏とも違いかなり作りこまれた演奏という感じもして、オケも熱演でこたえ、まったく技術的にもやる気度にも素晴らしいものがある。トスカニーニの芸風のような即物的な詰まらなさとは違う、主情的な解釈は殆どないが、主情的な高速テンポがそれを補って余りある存在感を見せ気をあおられっぱなしである。相対的には◎のつけられる演奏だと思うが、曲が長さのわりに案外単純ゆえ、奇をてらわない演奏ぶりでは、何度もきくと底が見えてしまう感じもする。だからといっていじりまくった演奏がいいとは少しも思わないのだが、そのへんはかなり微妙ということで。ロシアロシアした演奏では全くないので、万人に薦められるが、モノラルなのが難点。
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ボロディン:交響曲第2番

2007年03月15日 | ボロディン
○エーリッヒ・クライバー指揮NBC交響楽団(DA:CD-R)1947/10/20LIVE

さすがにひなびた音だが流石NBC響、テンション高いしドライ。エーリッヒさんの指揮は小トスカニーニそのもので基本的にしっとりした叙情は無くさっさと進むが、後半楽章になるとそれがトスカニーニの熱さとは違った「小気味よさ」を帯びてくる。恐らくそうとうに微妙なリズム感の差なんだとは思う。この曲のロシア臭さが苦手な向きにはおすすめの芸風ではある。ちょっと別の人の作品・・・たとえばドヴォルザークの後期交響曲の垢抜けた響き・・・を彷彿とするほどに整理され綺麗に整えられた現代的な演奏。録音マイナスで無印としたいところだが、いちおう○。
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