湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆チャイコフスキー:交響曲第6 番「悲愴」

2016年08月29日 | チャイコフスキー
○マルティノン指揮NHK交響楽団(NHK SO,KING)1963/5/3LIVE

言っておくが名演である。一部録音に難があるため○にしたまでだ。とにかくN響に拍手!マルティノンのロシア張りのダイナミックな解釈によくぞここまで合わせてきた。音響のドイツ的重厚さが揺れまくる解釈に安定感を与え非常に聞きやすくなっている。特に1楽章は指揮者とオケが一体となって素晴らしい感情表現を行っており感涙もの。同じく止揚する音楽の憧れに満ちた響きがこのオケとは思えないほど感動的に繰り広げられている4楽章も聞きものだ。速めのテンポで激情の奔流を表現し、しかしそのままあほみたいにいくわけではなくきちんとドラマをつけていく。ブラヴォがないのが不思議。名演。とにかくN響の弦すばらしい。ウィーン・フィルくそくらえ。

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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第3番~Ⅱ

2014年03月25日 | チャイコフスキー
フロンザリー四重奏団(victor)SP

暗いながらも躍動感あるスケルツォだが、闊達なところを見せる。録音が悪いのでおすすめはできないが、ある意味現代的な即物性を持った演奏。
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チャイコフスキー:交響曲第3番~Ⅴ

2014年02月27日 | チャイコフスキー
○スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団(放送)1970年代/4/6ブダペストlive

アンコールの最後の曲として演奏されたもの。欧州の演奏ではノーブルな雰囲気を漂わせた祝典行進曲のような面白さが出るが、これはもうロシアロシアした派手なもので、しかしこちらのほうが正しいのではないかと思わせる。ブラヴォの嵐で終わるのもスヴェトラらしい。そこまで超名演とは思わないが・・・○。
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チャイコフスキー:交響曲第5番

2013年12月24日 | チャイコフスキー
○クーセヴィツキー指揮NYP(whra)1942/3/1live・CD

クーセヴィツキーがニューヨーク・フィルを完全に掌握し、ぎしっと引き締めて表現させたなかなかの演奏。細部は分離が悪く聞き取れないが、メンゲルベルクのようにポルタメントをかけ過ぎてメロメロになることはなく、特に前半楽章でテンポの極端な変化が目立つものの、うまくコントロールして完全に板に着いているので違和感はない。雄渾で誠実であり、クーセヴィツキーの得意な曲目であることを改めて認識させる。オケの上手さ、統率の良さに驚いた。この人は時たま豪速球を投げるだけの演奏をするので。。○。
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チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

2013年07月19日 | チャイコフスキー
◯ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団(ica)1968/6/16live・DVD

ロストロポーヴィチとの共演記録のおまけだが、この組み合わせでこの派手な曲というのが面白い。やや甘さが感じられるところもあるが、マルケヴィッチ的な端整さというか、しっかり轟かせるところは轟かせる、甘い旋律はスピードを保ち耽溺させず節度を持った表現で、妙に息継ぎをハッキリさせて旋律の歯切れを独特に演出するのは面白い。このやり方で悲愴などやったら即物的で素っ気無く面白かったろう。しかしこの室内編成でここまで大音響を出せるのが凄い。チャイコフスキーがいかに難しいことをやらせているかも映像だとよくわかり、楽団、とくに弦に拍手を送りたくなる。スッキリしたロメジュリが好きな向きにはおすすめ。◯。
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チャイコフスキー:管弦楽組曲第1番~Ⅳ.小さな行進曲

2013年07月04日 | チャイコフスキー
ガブリロヴィッチ指揮デトロイト交響楽団(victor/PRSC)1928/4/18

バレエ小品を想起するミニアチュアで、これで演奏を評価するのは大変難しいが、ソリストはそれなりに上手く、アンサンブルも時代なりの精度はある、くらいか。全く印象に残らなかった。
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チャイコフスキー:弦楽セレナーデ~Ⅱ.ワルツ

2013年07月04日 | チャイコフスキー
ガブリロヴィッチ指揮デトロイト交響楽団(victor/PRSC)1928/4/17

pristineの配信で聴いたが盤面状態が悪い点考慮したとしても、どうにもオケがユルくて聞きづらい。適度な起伏は付いているのだが凡庸。
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チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

2012年12月28日 | チャイコフスキー
クーセヴィツキー指揮ハリウッドボウル交響楽団(vibrato:CD-R)1950/8/30live

ぱっとしない。オケは雑味が感じられクーセヴィツキーにもあの前進力がなくバラバラの印象を受ける。録音が悪いのは仕方ないが、この曲に求められる強力な求心力に欠ける。
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番~Ⅱ(後半)

2012年12月11日 | チャイコフスキー
○ロンドン四重奏団(columbia)1915・SP

これも部分単独録音されたもののようだ。再現部より以降が収録されている。やはり丁寧に音楽を追っていき、感情を殊更に煽らない。ある意味現代的だろう(考えてみれば大正三年の録音なのである)。サモンズの音はヴィブラートにえもいわれぬ味があり抒情的である。
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第3番

2012年11月03日 | チャイコフスキー
○バーギン四重奏団(BOSTON RECORDS)LP

世界初録音盤と銘打たれている。バーギンの音は深みがなく単調で表現にも特筆すべきところがない。悪いわけではないが魅力を感じない演奏なのだ。ヴィヴラート一つとってみても学生の教科書通りの表現で、チャイコフスキーのカルテットの中でも最も地味で憂愁をたたえた同曲を表現するには解釈が足りない。○にはしておくが、個人的には納得いかない。
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チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

2011年12月07日 | チャイコフスキー
○ウッド指揮クイーンズホール管弦楽団(COLUMBIA)1923/4/17-18・SP

正直うまくはない。縦がガタガタだったりベタ弾き過ぎてメロディーがメロメロだったり、録音都合で数の少ない弦楽(バイオリンが1stしかきこえない四楽章冒頭には苦笑)はがんばっているが難がないとはいえない。三楽章こそプロなら誰がやったって聴けるものになるわけで、直線的に気を煽るわけだが、ここでも気になるのは録音都合のカットの存在。一楽章など構造を無視したいくつもの大カットには悲しくなる。まさに悲愴だ。演奏は中庸で悪くないだけに。。演奏を考慮して○にはしておく。
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第2番

2011年12月06日 | チャイコフスキー
○ブダペスト四重奏団(HMV)1929/2/8、9、11・SP

ロイスマンがセカンドに入った二期メンバーによる演奏ということになる。チャイコフスキーが1番の簡潔な民族主義から西欧的な構造を兼ね備えた先進的なスタイルに進化したさまが如実にうかがえる曲で、演奏にもそれを的確にえぐり出すことが求められる。偉大な芸術家~に近く、4番以降のグラズノフに大きく影響を与えた、いわば交響曲的な発想を抱えた曲なだけに、1番ほどにはストレートに伝わらないが、飽きない面白さがある。今のレベルからすれば箸にも棒にもかからない演奏でベタ弾きは多用するわ音色も鄙びてはいるわだが、曲の理解はしっかりしており、音程の甘さやアンサンブルの不格好さは置いても聴きごたえがある。二楽章の難しさはチャイコフスキーの室内楽のしばしば示す閉塞的なカイジュウさそのもので、ここでもうまくはいっていないが、他の楽章、長大な一楽章においては前衛的ともいえる頻繁な転調をしっかり追い、あの素晴らしい三楽章においてはチャイコフスキーの魅力をまあまあ引き出し、四楽章においてはあの素晴らしい第二主題を伴奏と切り離さんばかりに自在に表現させ(好悪あろうが)今は聴けないたぐいのロマン性を提示している。や、誉め過ぎたが、最古の全曲記録として価値はあろう。○。
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チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第2番~Ⅱ.

2011年11月24日 | チャイコフスキー
○カッテロール四重奏団(HMV)1921/11/14・SP

変拍子によるスケルツォである。民族舞踏の特殊なリズムを使用する曲はチャイコフスキーの室内楽には非常に多い。とはいえここではほとんどファーストが歌いときおりフーガのような構造で内声に花を持たせる、第二主題で中低音域の楽器がファーストのかわりをする、という至極普通のやり方をとっているので、構造面での安定感がリズムの不安定さをカバーし聞きやすい。そういう面で楽団も変な揺らしを入れることなく(ボロディンの2番を歌いすぎると聴いてられないグズグズの崩れ方をするのと同様に)音と音の間のポルタメントや微妙なずらしで音楽として仕立てていく手腕はなかなかのものである。技術的問題は無い。○。名曲集一枚で抜粋曲同士カップリングされたあとベートーヴェンの全曲盤穴埋めに再発されたもの。
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チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

2011年10月21日 | チャイコフスキー
○A.ヤンソンス指揮ドレスデン・シュターツカペレ管弦楽団(WEITBLICK)1971/5/28live・CD

父ヤンソンスの演奏はムラがある。直截で、いい方に働けば気を煽られトスカニーニのようなスポーツ的快感をロシア式の発声法のうえで得られるが、悪い方に働くとテンポが愚直なまでに揺れないのに演奏はロシア式にグズグズになりがち、ということがある。この演奏は前者というかけっこう素直に楽しめる。揺れないチャイコだなあ、という残念感もあるが、ダイナミクスの変化ははっきりしており、オケの暗く硬い特質をチャイコぐらいのやわらかくほの明るいところまで持ってきている。ライヴでもあり精度にはそれほど期待できないが、アルヴィット・ヤンソンスが精度を上げると聴いてられないくらい冷血演奏になりかねない気もするのでこのくらいがいいのだろう。どの楽章も楽しめるが3楽章は熱く突っ走る。ステレオ表記があるがモノラルぽい、とは店舗の謳い文句だが、客席雑音が入ることからも一本マイクを客席の中央部に立てている可能性もあり、それだとステレオ感が捉えられないこともあろうので、保留としておく。○。
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チャイコフスキー:劇的序曲「ロメオとジュリエット」

2011年07月25日 | チャイコフスキー
○A.ヤンソンス指揮ハンガリー交響楽団(C&R:CD-R)1970/10/20live

思いのほかよくできている。引き締まったアンサンブルで、劇的効果を適度にあげつつ流れを作っている。このオケが結構隙なく最後まで演奏しきっているところが意外だが、まだこのプログラムの前プロだということもあるかもしれない。父ヤンソンスの記録ではかなりいいほうだろう。○。

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