湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

2019年01月20日 | ドビュッシー
パレー指揮デトロイト交響楽団(SLS)1975/8/14live meadow brook music fes.

メカニカルなラヴェルは大得意のパレーだが、こちらの美しい色彩も大したものだ。フルートソロは音的には個性はないが弦などの包み込む音響と調和してその中での佇まいがじつに幻想的で、これはオケ曲でありフルート曲ではないのだとはっきり意識付ける(コンチェルト以外のオケ曲で管楽ソロの出来を取りざたする評はそもそも私は苦手)。木管は基本的に棒のような吹き方をするが、パレーらしい音のようにも感じる。やっとヴァイオリンが主題を合奏するところはつんのめるようなテンポで雪崩込み「我慢できなかったのかな」ともおもうが、こういうテンポアップする方向で揺れるのはパレーらしさかもしれない。管楽アンサンブルになるとほんとうに組み方が巧い。パレーの職人的な面が出ている。そこからラストへ向けては法悦的な表現で、こういうのはもうその時代を知っている指揮者にしかできないのかもしれない。
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ドビュッシー:小組曲(ビュッセル編)

2019年01月19日 | ドビュッシー
ライナー指揮シカゴ交響楽団(vai)1953/11/18放送・DVD

案外隈取濃い演奏でボリューミーな太い音がこの曲には重い感じもする。ライナーの指揮は別にずっと棒立ちで僅かしか棒を動かさないわけではなく曲に即して大振りも小振りもするし体も動かす。いや音と指示は一致しておらず、速いテンポで颯爽とすすむ三楽章はニュアンス指示をかなりしっかり出して情感のこもった身振りをみせており、逆に一楽章は法悦的な表現でテンポもかなり遅くねっとりするがさほど振らない。それにしても男男したオケで(メンバーに女性はいるが音的に)繊細な情緒はないが力感や音の大波はさすがのライナーである。耳新しいハープのグリッサンドが聴こえるところがあり、あれと思ったが剛腕をふるう男性ハーピストの力技かもしれない。
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ドビュッシー:カンタータ「選ばれし乙女」

2018年11月29日 | ドビュッシー
アンゲルブレシュト指揮ORTF他(ina)1954/12/30live1955/1/6放送

この日の中プロにあたり(モツ40、フォレレク)環境雑音の気になるモノラル録音。違和感のない低音を欠いた明るい響きで終始軟らかく、初期的な大曲。低音を欠くといってもホルンなどのちのドビュッシーに見られない常套的な挿入もある。アンゲルブレシュトのドビュッシーはわりと客観的でそのぶん響きが美しく、これは録音状態からいってこの曲を楽しむに不十分なものではある。
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ドビュッシー:管弦楽のための夜想曲〜Ⅱ.祭

2018年11月18日 | ドビュッシー
ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(columbia)1927/10/11

速い速い!SPらしいスピードだがこれでしっかりとちらず駆け抜けられるのはストコのフィラデルフィア管弦楽団ならでは。ソリストもびしっとつける。フランスオケならこうはいかないだろう。祭はドビュッシーでも一番盛り上がりやすい曲なだけに、これは盛り上がるから、さぞ売れたことだろう。
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ドビュッシー:牧神の午後のための前奏曲

2018年11月18日 | ドビュッシー
キンケイド(cl)ストコフスキ指揮フィラデルフィア管弦楽団(columbia)1927/3/10

さすがに違和感がある(笑)。ほんとに厭らしい音楽に聞こえてしまう。揃ったポルタメントに埋め尽くされた伸縮する音線。1924/4/28のものに次ぐ古い録音(フルート独奏同じ)。しかし録音技術については世界最先端のストコフスキーチーム、ノイズは多いが楽しめてしまうのだ!
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ドビュッシー:管弦楽のための映像

2018年11月14日 | ドビュッシー
モントゥ指揮BBC交響楽団(ICA)1956/5/11live・CD

録音は悪いモノラル。それでも瑞々しく躍動感に満ちた「ジーグ」は素晴らしい。バレエ指揮者としてのモントゥの特質があらわれている。響きの透明感と色彩感はBBC交響楽団の力も大きいだろう。3楽章「春のロンド」が先に演奏されるが違和感はこのほうがない。ただ、肝心の「イベリア」はほかにいくらでも名演のある曲であってモントゥには相対的にメリットと呼べるものは感じなかった。1楽章の前進性が一歩後退して、悪い録音によってこじんまりとした茫洋とした音像しか得られないこともあり、結構凡庸と思った。ミュンシュとの違いはここに歴然とする。モントゥのイベリアのライヴは他に1枚あるくらいか。
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ドビュッシー:シランクス

2018年11月09日 | ドビュッシー
パユ(fl)(warner)CD

丁寧すぎるきらいがある。抽象化が進みすぎて純粋な音の動きを譜面上に追うようなかんじになってしまっている。起伏も譜面通り、独奏を聴くだいご味は少ない。
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ドビュッシー:チェロ・ソナタ

2018年11月09日 | ドビュッシー
ジャンドロン(Vc)フェヴリエ(P)(warner他)CD

さすがというもので、ドビュッシー全集に入っているが室内楽の並びで突出して聴ける演奏になっているし、曲も晩年のドビュッシーの残した三つのソナタの中で、三重奏曲が後退的、ヴァイオリンソナタが習作的とすれば最も個性の円熟したさまを提示しており、孤独な響きと冷えた熱情の表現のセンスを問われる。フェヴリエは個性を主張しないが音色は邪魔しないのでジャンドロンの伴奏にふさわしい。なかなか。
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ドビュッシー:ミンストレルL.125B(ドビュッシー室内楽編曲)

2018年11月09日 | ドビュッシー
グリエルモ(Vn)ヴィオランテ(p)(warner)CD

これはなかなか巧みな演奏で、あえてヴァイオリンの高音のメリットを使わずに仕立てた精緻な曲に対して速やかに応えている。
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ドビュッシー:クラリネットとピアノのための小品L.127

2018年11月09日 | ドビュッシー
バルデイルー(cl)シャマユ(p)(warner)CD

特に書くべき内容はなく、狂詩曲とあまり変わりはない。
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ドビュッシー:クラリネットとピアノのための第1狂詩曲L.124a

2018年11月09日 | ドビュッシー
バルデイルー(cl)シャマユ(p)(warner)CD

個人的にはあまり好きではない曲で、ドビュッシーの冒険心が後退的に感じられもしてしまう。弦楽器もそうだがピアノやハープなどの縦の粒がはっきりする楽器と違い横の流れを聴かせるメロディ楽器のため、音色や表情付けに左右されるところが大きい。これは甘い旋律線に音楽が引きずられているようにも思うのだ。伴奏がピアノだけというのも心もとない。演奏は達者ではあるが引き込まれるものはない。
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ドビュッシー:ビリティスの歌

2018年11月09日 | ドビュッシー
セイリグ(語り)フレンド指揮ナッシュ・アンサンブル(warner)CD

フルートとハープが入っているドビュッシーの曲、というだけで典雅さは約束される。ナレーションは人によって邪魔と感じるかもしれないがそれがないと挿入される音楽の意味がわからなくなる。そういう人はアンセルメのような編曲版を聴くべきで、原曲では同じようなフレーズの連続にくどくも感じることだろう。演奏が達者で室内楽的にもよくできているせいか、ドビュッシー全集収録の室内楽トラックの中でもわりと突出して聴きこませる力がある。響きの薄さを内容浅薄ととらえるかそういう削ぎ落された美観(アルカイックではない)が保たれていると感じるかで変わってくるが、生臭さ皆無のドビュッシーを聞きたければこれと「舞曲」と「三重奏曲」で完璧だろう。
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ドビュッシー:間奏曲

2018年11月07日 | ドビュッシー
ミュラー=ショット(Vc)クーレック(P)(warner)CD

作品番号なし、夜想曲よりも減退しディーリアス的な半音階が特徴的な初期作品。スペイン風の音線は明確にドビュッシー作品であることを示しており、ただまだ醸成されていない。演奏はいたずらにフォルムを崩しては個性を主張するようなことはせず、作品に寄り添っている。
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ドビュッシー:夜想曲L.39

2018年11月07日 | ドビュッシー
ブレンドストルップ(Vc)サロ(P)(warner)CD

初期的だが洒落た小品でドビュッシーの気配をしっかり感じられる作品。チェロのメロディが意外とドビュッシー節にはまる。サロンで流そう。演奏も四角四面にならずしっかりしている。技巧的ではないが特徴的。
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ドビュッシー:弦楽四重奏曲

2018年11月07日 | ドビュッシー
エベーヌ四重奏団(warner)CD

ドビュッシー楽曲全集の一枚より。落ち着いたテンポで客観的に構じていくスタイルで、終始そのスタンスを保つため4楽章の込み入った部分のようなところはしっかり届かせているが、1楽章のように激情的な音楽では食い足りない。音色も固い気がする。
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