パレー指揮デトロイト交響楽団(SLS)1975/8/14live meadow brook music fes.
メカニカルなラヴェルは大得意のパレーだが、こちらの美しい色彩も大したものだ。フルートソロは音的には個性はないが弦などの包み込む音響と調和してその中での佇まいがじつに幻想的で、これはオケ曲でありフルート曲ではないのだとはっきり意識付ける(コンチェルト以外のオケ曲で管楽ソロの出来を取りざたする評はそもそも私は苦手)。木管は基本的に棒のような吹き方をするが、パレーらしい音のようにも感じる。やっとヴァイオリンが主題を合奏するところはつんのめるようなテンポで雪崩込み「我慢できなかったのかな」ともおもうが、こういうテンポアップする方向で揺れるのはパレーらしさかもしれない。管楽アンサンブルになるとほんとうに組み方が巧い。パレーの職人的な面が出ている。そこからラストへ向けては法悦的な表現で、こういうのはもうその時代を知っている指揮者にしかできないのかもしれない。
メカニカルなラヴェルは大得意のパレーだが、こちらの美しい色彩も大したものだ。フルートソロは音的には個性はないが弦などの包み込む音響と調和してその中での佇まいがじつに幻想的で、これはオケ曲でありフルート曲ではないのだとはっきり意識付ける(コンチェルト以外のオケ曲で管楽ソロの出来を取りざたする評はそもそも私は苦手)。木管は基本的に棒のような吹き方をするが、パレーらしい音のようにも感じる。やっとヴァイオリンが主題を合奏するところはつんのめるようなテンポで雪崩込み「我慢できなかったのかな」ともおもうが、こういうテンポアップする方向で揺れるのはパレーらしさかもしれない。管楽アンサンブルになるとほんとうに組み方が巧い。パレーの職人的な面が出ている。そこからラストへ向けては法悦的な表現で、こういうのはもうその時代を知っている指揮者にしかできないのかもしれない。