○バーンスタイン指揮NYP(CBS)CD
まさにバンスタ自身の有名な講義の題名にもなったアイヴズの名作である。しかしバンスタは叙情的すぎる。律せられた無秩序ほど無残なものはない。これはペットソロが投げかける「質問」に対し木管群が無用な議論を繰り広げ、最後には投げ出してしまうというかなり具象的な意匠を持った作品である。「無用な議論」をシェーンベルク的に律してしまったがゆえに、「ちゃんとした無調作品」に聴こえてしまう。しかもバンスタなりの「無調」である、そこには確かに「旋律」も「ハーモニー」も聴こえてしまう。これでは宇宙的背景を永遠に描き続ける弦楽合奏のコラールとの対照がはっきりせず、そのコントラストこそがアイヴズの粗忽であるのに、渾然としてしまうのである。それでもある程度の魅力がある演奏ではあり、○にはしておくが、この曲を意匠通りに描いている演奏とは言えない。
※2007/11/8の記事です
まさにバンスタ自身の有名な講義の題名にもなったアイヴズの名作である。しかしバンスタは叙情的すぎる。律せられた無秩序ほど無残なものはない。これはペットソロが投げかける「質問」に対し木管群が無用な議論を繰り広げ、最後には投げ出してしまうというかなり具象的な意匠を持った作品である。「無用な議論」をシェーンベルク的に律してしまったがゆえに、「ちゃんとした無調作品」に聴こえてしまう。しかもバンスタなりの「無調」である、そこには確かに「旋律」も「ハーモニー」も聴こえてしまう。これでは宇宙的背景を永遠に描き続ける弦楽合奏のコラールとの対照がはっきりせず、そのコントラストこそがアイヴズの粗忽であるのに、渾然としてしまうのである。それでもある程度の魅力がある演奏ではあり、○にはしておくが、この曲を意匠通りに描いている演奏とは言えない。
※2007/11/8の記事です