湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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シマノフスキ:バレエ・パントマイム「ハルナシ」 

2017年04月05日 | Weblog
トマーソ・フランスカーティ(T)ロジンスキ指揮ローマRAI交響楽団&合唱団(SLS)1955/12/31live

最近はハルナシェと表記されることが多い。単にバレエ音楽としてもよいのだが、独唱も合唱も入り、一味違う合唱管弦楽曲となっているので、本来の副題をつけておく。ウィーンのリヒャルト・シュトラウスの影響下にある第一期、パリからの風を受けスクリアビンの影響下にある第二期、ポーランド民族主義に基づき同時代のストラヴィンスキーやバルトークと歩調を揃えた第三期に完全に別れるが、これは最もわかりやすく、しかし書法の独特に完成された第三期の作品で、タトゥラ山地の音楽や舞踏への取材結果をそのまま取り入れてしまっていること、オリジナリティが薄れ全ての曲が同じ調子でオーケストレーションされていることから余り評価されないが、私は逆に「垢抜けて明るいバルトーク」のような音楽が好きで、この時期の作品しか聴かない。ロジンスキはシマノフスキもスクリアビンも親しみを持っていたようで録音があるが、もちろんリヒャルト・シュトラウスにも一家言持っていたからうってつけの指揮者だ。聴かせどころを、とくにリズムのメリハリとメロディの起伏を充実した合唱と楽団の激しい響きの中でしっかり届ける。覇気漲る演奏でないと民族主義の力が出ない。ここでは合唱とブラスがやかましいくらい印象に残る。独唱が終わると盛大な拍手。SLSらしい針音の目立つモノラル音源。
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