○ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(russian disc)1964/3/3(12?)live・CD
1909年生まれだがこの曲は61年の作品であり、だいぶ自由になってからの作品ということを念頭に聴くべきだろう。生っ粋のレニングラード出身の作曲家でユダヤ系というが、この作品はそういうイメージとは隔絶したかなり西欧風もしくはアメリカ風の作品である。無調的な下地の上に調性的な主題をかぶせてくるやり方などアメリカ20世紀の作曲家はけっこう良く使う手だし、終楽章の唐突なペットの独唱から始まるフーガなどヒンデミットそのものである(幸い「あの」独特のスケールは模倣されないが)。基本的に無調であり、ソヴィエトの作曲家としては極めて異例の作曲家だったといえよう。1楽章などちょっとアイヴズ風にひびく箇所もあったりして、そういう観点からすれば新鮮味があり結構楽しめる。この精妙な音世界を最高級の演奏で仕上げてくれたムラヴィンスキーに敬意を表し○にしときます。終楽章はけっこう高揚感あり。3日録音とあるが初演は12日なので疑問有り。
1909年生まれだがこの曲は61年の作品であり、だいぶ自由になってからの作品ということを念頭に聴くべきだろう。生っ粋のレニングラード出身の作曲家でユダヤ系というが、この作品はそういうイメージとは隔絶したかなり西欧風もしくはアメリカ風の作品である。無調的な下地の上に調性的な主題をかぶせてくるやり方などアメリカ20世紀の作曲家はけっこう良く使う手だし、終楽章の唐突なペットの独唱から始まるフーガなどヒンデミットそのものである(幸い「あの」独特のスケールは模倣されないが)。基本的に無調であり、ソヴィエトの作曲家としては極めて異例の作曲家だったといえよう。1楽章などちょっとアイヴズ風にひびく箇所もあったりして、そういう観点からすれば新鮮味があり結構楽しめる。この精妙な音世界を最高級の演奏で仕上げてくれたムラヴィンスキーに敬意を表し○にしときます。終楽章はけっこう高揚感あり。3日録音とあるが初演は12日なので疑問有り。