ツィピーヌ指揮パリ音楽院管弦楽団(EMI)CD
いかにもオネゲルのつけそうな題名で、バッハに倣った書法、対位法を駆使しがっちり固めた、まったく六人組ふうではない作品だがこれはもともと六人組の記念盤LP収録の音源(仏EMIの二枚組CDはLPの全音源を網羅している)。第二次大戦後作品なのに戦前とあまり変わらない作風、もっとも映画音楽的に効果的に展開する旋律が2,3番あたりの交響曲のように魅力を放っていたり、さすがプロフェッショナルを自認していた作曲家、というところ。それほど魅力のない楽想が通奏されるところ、中盤の盛り上がりからなぜか渋いフーガでつなぎ(連続して奏される)長々しい平和な音楽からなぜか奈落にいたる構成(連続して奏される)は飽きる向きもあるかもしれない。というか「渋い」がオネゲルの本質であって、こういうものは聴衆を意識した作品と思う。あとはアルトサックスが古典風に落ちそうな音楽をモダンに引き戻しているのは耳をひく。ツィピーヌは職人的にこなし穴が無い。オケの力量によるところも大きいだろうが、かならずしも難曲ではないのでそこはどうでもいいか。
いかにもオネゲルのつけそうな題名で、バッハに倣った書法、対位法を駆使しがっちり固めた、まったく六人組ふうではない作品だがこれはもともと六人組の記念盤LP収録の音源(仏EMIの二枚組CDはLPの全音源を網羅している)。第二次大戦後作品なのに戦前とあまり変わらない作風、もっとも映画音楽的に効果的に展開する旋律が2,3番あたりの交響曲のように魅力を放っていたり、さすがプロフェッショナルを自認していた作曲家、というところ。それほど魅力のない楽想が通奏されるところ、中盤の盛り上がりからなぜか渋いフーガでつなぎ(連続して奏される)長々しい平和な音楽からなぜか奈落にいたる構成(連続して奏される)は飽きる向きもあるかもしれない。というか「渋い」がオネゲルの本質であって、こういうものは聴衆を意識した作品と思う。あとはアルトサックスが古典風に落ちそうな音楽をモダンに引き戻しているのは耳をひく。ツィピーヌは職人的にこなし穴が無い。オケの力量によるところも大きいだろうが、かならずしも難曲ではないのでそこはどうでもいいか。