○フレイタス・ブランコ指揮ポルトガル国立交響楽団(STRAUSS)CD
私はデュカが得意ではないのだが、デュカ的な劇性にドビュッシー的な色彩を加え、ルーセル的な(とくに印象主義から脱した頃の)重厚壮大さを反映させたようなこの作品もまた、どうも得意ではない。確かに隙が無く無難に聴けるが、何かに似ている、ここはあれだ、あそこはこうだ、という以上のものが聞き取れない。名演が少ないというのもさもありなんな、例えばルーセルの蜘蛛の饗宴のように代表作なのに名演を決めかねる位置づけのものに思える。この録音は一連のブランコ放送録音の中に含まれてCD化されていたものだが、管楽器がいかにもファリャ的というか、スペイン・ポルトガル圏のオリエンタルな雰囲気をかもし、ちょっと不思議な軽さを感じさせる。フローランはもっと重くスクリアビンと逆側から中欧音楽を眺めたような音楽・・・だが曲にはあっている。合唱はつかず全曲でもないが、このコンビはけして上手とは言えない録音も多く、その中ではよく描ききっており、特にバレエ音楽ふうの愉悦的表現、躍動感と色彩性は特筆すべき聴き所だろう。変化を愉しむ曲でもあり、そのうえでは終始同じ明るさに包まれすぎているようにも思えるが、まあまあ、と思います。○。
※2009-10-07 10:22:09の記事です
私はデュカが得意ではないのだが、デュカ的な劇性にドビュッシー的な色彩を加え、ルーセル的な(とくに印象主義から脱した頃の)重厚壮大さを反映させたようなこの作品もまた、どうも得意ではない。確かに隙が無く無難に聴けるが、何かに似ている、ここはあれだ、あそこはこうだ、という以上のものが聞き取れない。名演が少ないというのもさもありなんな、例えばルーセルの蜘蛛の饗宴のように代表作なのに名演を決めかねる位置づけのものに思える。この録音は一連のブランコ放送録音の中に含まれてCD化されていたものだが、管楽器がいかにもファリャ的というか、スペイン・ポルトガル圏のオリエンタルな雰囲気をかもし、ちょっと不思議な軽さを感じさせる。フローランはもっと重くスクリアビンと逆側から中欧音楽を眺めたような音楽・・・だが曲にはあっている。合唱はつかず全曲でもないが、このコンビはけして上手とは言えない録音も多く、その中ではよく描ききっており、特にバレエ音楽ふうの愉悦的表現、躍動感と色彩性は特筆すべき聴き所だろう。変化を愉しむ曲でもあり、そのうえでは終始同じ明るさに包まれすぎているようにも思えるが、まあまあ、と思います。○。
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