湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ウォルトン:弦楽四重奏曲イ短調

2019年01月04日 | イギリス
○ガブリエリ四重奏団(chandos)CD

ハリウッド四重奏団が作曲家の理想とすればいささかゆったりし過ぎて残響も多く締まらないように聴こえるかもしれない。しかしもともと尖鋭な作曲家であったウォルトンの硬質な響が随所に挿入されたこの曲は、丁寧にしっかりそれをわかるように聴かせる必要がある(これはラヴェルと同じ)。残響の多さはそれを強調するものとなっている。ウォルトンは「響きの作曲家」でもあり、平易な流れを彩るそれらこそがウォルトンを人気作家たらしめた個性なのだ。この楽団は技術的な不足はないもののパワー不足を感じるが、中庸なスタイルである以上に、この曲を丁寧に再現するほうに注力したのだろう。良いステレオであり、同曲の入門にむしろふさわしい。
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