湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ウォルトン:オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」

2019年04月22日 | イギリス
〇トマス・アレン(B)プレヴィン指揮フィルハーモニア管弦楽団、グリーンウッド指揮フィルハーモニア合唱団(arthaus)1982ロイヤルフェスティヴァルホールLIVE・BD
 
作曲家臨席のコンサートのメイン演目で、合唱だけを見ても度肝を抜かれる巨大編成である。オケもこれだけいれば目の詰まった音に満ち、これは素晴らしく一期一会の記録と言っていい。演劇的要素のある大曲にビジュアルは必要だ。トマス・アレンの独唱もきれいだが混声合唱の迫力やパーカスの野蛮な打ち鳴らしの前にはややおとなしく聞こえる。プレヴィンも汗したたらせて熱演だが、ジャズ風のものを含むリズムのキレがいい。そっちの音楽をやっていた人ならではだ。後年の曲もいいが脂の乗り切った時期のウォルトンは一味違う。一つのアイデアをこねくりまわすのではなくいくつものアイデアを繰り出してくる。歌劇「トロイラス」はさすがに飽きるが、この時期のイギリスの大作曲家には協力者の存在が見え隠れする。トロイラスは間に合わない部分を補筆されたときくが、この曲は他の手が入っている感じがない。壮麗なエンディングにブラヴォが飛び、ウォルトンの興奮する姿がうつる。同曲を語るに欠かせない記録だ。
 
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