マルティノン指揮ハーグ・フィル、ユトレヒト交響楽団、フォーレイ他(DA:CD-R)1975音楽祭live
マルティノンは合唱の扱いが余り上手くないようだ。あるいは合唱指揮との連携の問題なのかもしれない。とにかく合唱が出てくると途端に精彩を失う。顕著なのは第二部後半の児童合唱が完全にズレて「極めて精緻なポリリズム」になっているところだが(この一点、アイヴズ的で面白かったが逆にコノ一点のせいで私は○以上つけられないという判断をした)。オケコントロールやソリストとの連携は完璧なのに、冒頭のヴェニ以下の合唱にしても矢鱈とメロウでマルティノンらしい鋭さがちっともない。録音(録音条件含む)のせいであることも否定できないが、最初がいきなりメロウつまりアバウトな発声だと千人は無茶コケる。柔らかく聴きやすい音であることは認めるが、また(配置上仕方ないのかもしれないけれども)舞台が遠い。ステレオだが放送エアチェックゆえ、特に前半テープ撚れ(左右のアンバランス)や途切れが激しいせいもあり全般にぼんやりした聴感になってしまうところが少なからずある。欠点ばかり書いてもしょうがないので長所、長い全曲通して一貫して明るくて軽い。とにかく明るすぎるほど「白い演奏」で勢いよく通しているのだ。見通しがいいといえばいい。オケにかんしては水際立った発音や絡み表現の明快さが素晴らしい。しっとりした情感の表現も暗くなりすぎずに天国的な軽やかさを保つ(いや、この長さをそれだけで通すことに私は余り賛成できないのだが)。スケール感も十全である。しかしやっぱり・・・合唱はねえ・・・最後もイマイチ盛り上がらない感じがした。客は喜んでいるようだが。無印。
マルティノンは合唱の扱いが余り上手くないようだ。あるいは合唱指揮との連携の問題なのかもしれない。とにかく合唱が出てくると途端に精彩を失う。顕著なのは第二部後半の児童合唱が完全にズレて「極めて精緻なポリリズム」になっているところだが(この一点、アイヴズ的で面白かったが逆にコノ一点のせいで私は○以上つけられないという判断をした)。オケコントロールやソリストとの連携は完璧なのに、冒頭のヴェニ以下の合唱にしても矢鱈とメロウでマルティノンらしい鋭さがちっともない。録音(録音条件含む)のせいであることも否定できないが、最初がいきなりメロウつまりアバウトな発声だと千人は無茶コケる。柔らかく聴きやすい音であることは認めるが、また(配置上仕方ないのかもしれないけれども)舞台が遠い。ステレオだが放送エアチェックゆえ、特に前半テープ撚れ(左右のアンバランス)や途切れが激しいせいもあり全般にぼんやりした聴感になってしまうところが少なからずある。欠点ばかり書いてもしょうがないので長所、長い全曲通して一貫して明るくて軽い。とにかく明るすぎるほど「白い演奏」で勢いよく通しているのだ。見通しがいいといえばいい。オケにかんしては水際立った発音や絡み表現の明快さが素晴らしい。しっとりした情感の表現も暗くなりすぎずに天国的な軽やかさを保つ(いや、この長さをそれだけで通すことに私は余り賛成できないのだが)。スケール感も十全である。しかしやっぱり・・・合唱はねえ・・・最後もイマイチ盛り上がらない感じがした。客は喜んでいるようだが。無印。