湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

最後から二番目の思想

2006年10月15日 | Weblog
~音楽は貧血からじゃなくて、充血で死ぬのです。需要の僅少にたいして、生産の過剰、提供の過剰がある。

~<<作曲家の職業>>には諸君の生活の糧になるようなものは、ほとんどなにも与えられないということを覚悟しておいてほしい。もし諸君の作品が何人かの友人か同時代人に味わってもらえたら、それで諸君の報酬と諸君の内心のよろこびは十分だとすべきです。それが創作するもののうばわれることのない唯一の特権です・・・・・・

オネゲル「わたしは作曲家である」吉田秀和訳、音楽之友社
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ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ抜粋

2006年10月15日 | ストラヴィンスキー
○ストコフスキ指揮NBC交響楽団(DA:CD-R)1943/2/21live

じつに生き生きした前進力のある演奏で好きだ。ただ、冒頭と途中切れている。音源由来というより音源にしたレコードの再生ミスというような感じである。物凄い派手な底からの盛り上がりで終わる。サーカスというよりもっとどでかいものを思い浮かべさせる。ストコフスキのストラヴィンスキーには疎いのでこれが他に出ていないかどうか知らないが、音質は推して知るべし。○。
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ラッグルズ:太陽を踏む男

2006年10月14日 | アメリカ
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1967カーネギーホールlive

録音は極めて明確なステレオで分離も激しすぎるほどでスケール感があり、エアチェック音源としては申し分ない音である。少々耳が痛くなるほどエッジの立った硬質な音響は寧ろこの稀有壮大で錯綜しがちな曲にあっている。イメージ的にはアメリカに遅れて入ってきた無調「的」作品の範疇にあり、しかし聴いた感じは分析的というより雑多で直感的。分厚い音響の素人聴きは十数年前のアイヴズの作風そのものである。アイヴズでもセットなどを作曲していたやや前期の頃の雰囲気があり洗練は余り無いが、アイヴズが「結果的に」無調的な作品を残したのに対してこのような曲にははなから調性はない、たとえば硬派だったころのヒンデミットなどの影響を考えてみるのもけして無理な論理ではないと思う。もっと重厚で深刻な雰囲気が欲しい気もするがこんな曲を作曲家の偏屈を省みずズバっと演奏しきってみせるストコフスキには驚かされる。手法はアイヴズ4番同様「ほんとに理解してやろうとしてるのかなー?」と疑問符を付けたくなるところもあるが新作への態度としてはこれだけやりきればリッパ。終始同じ厚さの音響が雑多に揺れ動くだけのゆえに飽きる向きもあろうが、アイヴズの世界がアイヴズだけのものではなかった、という点を再確認する意味でも、どんな演奏でもいいので聴く・・・それを躊躇する理由は無い。○。
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バーバー:弦楽のためのアダージォ

2006年10月14日 | アメリカ
○ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1969/10/6live

これはちょっと緩やかさが無いハッキリした起伏のついた演奏になってしまっており、感情的でも客観的でもなく、ただヘンないわゆるストコフスキの悪い癖が出てしまった演奏に聴こえてしまった。特別な日の特別な曲だから演奏が悪くなるわけは決してないのだが、ちょっと違和感。○。
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リムスキー・コルサコフ:ドゥビーヌシュカ

2006年10月14日 | リムスキー・コルサコフ
◎ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1969/10/6live

けっこうかっこいい。というかかなり楽しめる。攻撃的だが起伏がある。ニキシュみたいな直線的な攻撃というより歌心との折り合いを非常にうまくつけた楽しい行進曲にしたてている。起伏といってもロシアの演奏に聴かれるような変に弛緩した揺れかたをしない演奏。何度でも楽しめます。◎。
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アメリカ国歌

2006年10月14日 | アメリカ
◎ストコフスキ指揮アメリカ交響楽団(DA:CD-R)1969/10/6live

どんな国でもどんな人種でも、その国で最も愛されている曲を皆が喜んでうたい楽しんでいるさまというのはすがすがしくなぜかしら涙もさそうものである。フラブラがどうこうとか拍手のタイミングがどうこうとかいうのとは無縁の、どちらかというとロックバンドのライヴに近い感覚かもしれない。わーわーいうとります。◎。
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ラヴェル:スペイン狂詩曲

2006年10月14日 | ラヴェル
ストコフスキ指揮ニュー・フィル(DA:CD-R)1974/5/14LIVE

これはちょっと違和感を感じた。ラヴェルはストコが好んで扱った「素材」だが、古い録音のほうがより緊密で聴きやすかったように思う。これはちょっと重い。隈取がはっきりしすぎていて「そこまで響きを際立たせなくてもラヴェルは大丈夫じゃないんですか?」と。とくに打楽器を強調する傾向が強いが、リズム感がイマイチというかちょっと鈍重なので、軽い音響傾向とアンマッチを起こし却って聴きづらい。無印。
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クレンペラー:メリー・ワルツ

2006年10月14日 | ドイツ・オーストリア
○ストコフスキ指揮ニュー・フィル(DA:CD-R)1974/5/14LIVE

クレンペラーの曲ってけっこう出来がいいんですよね。というか、軽音楽に適した「深み」を知って織り込んでいる。楽しいのに目の詰まった作品。重い曲も明るく色彩的に描ける名シェフ・ストコフスキが(このオケで)やったというのも面白い。老齢の最後まで衰えを知らなかった指揮者である、これも生き生きしている。BBC正規音源からCDで出ていたものと同じかもしれないがデータ照合していないのでとりあえず別扱いしておく。ハデハデさへの指向もこの楽しい曲ならプラスに働く。国民楽派あたりまでの後期ロマン派ではスレスレかアウトかという演奏もするストコが、末期ロマン派以降の構造もしくは内容が複雑な作品に対して適切かつ最大限に魅力を引き出した演奏を行うことができたというのは何なんだろう、やる気の問題なんだろうか。録音状態はいわゆる古いテープ撚れしたステレオというこの放送エアチェックレーベルの典型的なものだが、聴けるレベルではある。○。
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ラヴェル:ボレロ

2006年10月13日 | ラヴェル
○パレー指揮デトロイト交響楽団(DA:CDーR)1961/11/24LIVE

軍隊。ここまで鋼鉄のインテンポで突き進められれば立派。物凄いテンションとスピードに終演後はすさまじいブラヴォの渦となる。ただ録音が悪くて最初何だかわからないのと、余りの速さにブラス陣がこけまくるのが問題かも。しかしパレーを知るには格好の記録です。○。
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ハンソン:エレジー

2006年10月13日 | アメリカ
パレー指揮デトロイト交響楽団(DA:CDーR)1960/10/13LIVE

清々しいアメリカンロマンチシズムを振りまくハンソンの楽曲はロマン派回帰をうたう余りワンパターンに陥ってしまうきらいがある。確かに感動を催させる要素を盛りに盛った追悼曲ではあるが、オケが全力で表現しようとすればするほど、録音の悪さとあいまって眠くなってしまう、いや録音のせいだ、無印。
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ホルスト:惑星抜粋

2006年10月12日 | イギリス
○バルビローリ指揮NYP(DA:CD-R)1958-59放送LIVE

恐らく編集ミスで順番が入れ替わっているが、最後の木星のあとは拍手とナレーションが入るのでそこは正しい順番だと思われる。暗い土星と海王星が抜かれ、

火星、金星、水星、天王星、木星

の順番に編集されている。録音状態が非常に悪く、(恐らく元からの)媒体劣化音含め不安定で全般聴きづらい。が、エッジの立ったこの時代にしては迫力ある音にちょっと驚かされる。ガツンガツンと重くはっきりした凶悪な音楽に、火星の冒頭こそか細いもののすぐにびっくりさせられる。バルビとしてもまだ後期の歌心あふれる様式に移る前のトスカニーニ色のあったころの推進力を明確に示したものとして聴ける。しかしトスカニーニのような無味乾燥さはなく、しっかり「音楽」している。個性的な解釈こそさほど聴かれないものの比較的遅めなのに遅いと感じさせないコントラストのはっきりした音作りには心躍らされるところもある。緩徐楽章も後年ほどのカンタービレはないがゆったりした静かな点景が薄い情緒をかもす。録音状態や編集ミス等をかんがみたとしても、これはこれで楽しく聴けます。まあ、バルビはあまりホルストに向いていなさそうな感じもあるけど(解釈に思い入れがない!)。○。
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マーラー:交響曲第5番

2006年10月12日 | マーラー
○バルビローリ指揮ヒューストン交響楽団(DA/VIBRATO:CD-R)1966/3/24live

実演はさぞ凄かったろう。とくにチューニングをはさんで壮年のバルビ節炸裂の4楽章からドライヴ感と歌心の絶妙な5楽章にかけてはオケの技術に問題があるものの非常に気を煽られるものがある。しかし音盤として決定的な問題がある。これはDiscoArchiviaというアメリカの(一応)非営利組織が超廉価で通販している海賊盤というより参考用資料なわけだが(アリアCDからリンクが張ってあるようですので参照されたし)、元々販売目的ではないため恐らく各所からかき集めた音源をCDか何かに焼いて図書館的に保存しているものの、単純なコピーを売るという形をとっているようである。普通の市販CD-Rに番号が手書きされているだけだ。CDということは(とくに膨大な量を保管しているとなれば)やはり劣化が気になるところで、この音源の、肝心の4,5楽章にもデジタル劣化音が耳障りに入るのである。もちろんこのてのことは聴く機器の性能にもよるので、特に支障なく聴けるかもしれないし、製作側のコピーミスの可能性もあるが(ただ、圧縮音源でもないかぎりデジタル音源がこういうノイズを混入させるというのは汚れか剥離のような物理的ダメージが原因であることは間違いない)元々60年代以前のものはかなり音質が悪いものが多いようなので、その範疇からすれば「聴き通すことは出来る」だけでよしとすべきなのかもしれない。VIBRATO盤はDAのまるごとコピーということだが盤質やリマスター具合については未確認。たとえば悲劇的のベルリン・ライブのような壮年期バルビの威勢が聴けるだけに非常に惜しいのだが・・・晩年のしっとりした(弛緩した)バルビではない力強い魅力を放ったものとして価値が高いと思う。バルビは指示が細かく独特なロマン性が露骨に出るだけに、ハマらないとベートーヴェンのように違和感が最後までぬぐえない演奏になってしまうが、マーラーは物凄いハマる。バランス的にバンスタまで行かないもののバンスタを越えるような深みをかもすことがあるからやめられない。

ねっとりと性急の狭間でせめぎあう音楽である。ちょっと晩年の弛緩傾向が前半2楽章にはあらわれている。冒頭のペットソロの独特な歌いまわしというか不安定さからして不安がある。1楽章あたりは暗くていいのだが、一歩引いた客観性を感じる。だが横の流れで歌う様式に対してまだ激昂のほうが勝っており、2、3楽章あたりでは弦楽器がズレて乱れまくる場面もみられるが(ベルリンライヴの事故を彷彿とする)アメリカオケのいい意味で明るくしゃきしゃきした音がキレをもたらしバルビ特有の伸び癖を薄めて秀逸だ。リズム処理の上手さが意外と光っている。ドライヴが巧い。肝心のアダージエットはさすがチェリストとしても一流と目されていたバルビだけあって弦のアーティキュレーションの付け方が絶妙だ。これは真似できないものであろう、その場その場で気分次第でテンポを揺らす指揮者ではあったけれども、ここはかなり意識的に細かく指示した結果だと思われる。アンサンブルがしっかりしている。5楽章はもう楽しみましょう。間髪入れずのブラヴォの渦が自然に思える名演だ。テンポ的には決して早くは無いのだが、バルビにしてはかなりドライヴしている。緩急絶妙。

この盤はソサエティか何かのプライヴェートLP盤の板起こしと思われる。雑音弱音慣れしていない人は、まずこのレーベルの骨董録音に手を出すことは躊躇されたほうがいいでしょう。それでも聴きたければ、どうぞ。
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狂喜

2006年10月12日 | Weblog
とりあえずかなり早めにDISCO ARCHIVIAが届いててんやわんやで検品。あくまで研究用提供が建前の実費廉価提供ゆえ商業的に扱うのはどうかというものだが、少なくともCD-Rで高額販売されるものよりは価格も質も見てくれは別にしてよさそうだ(音源由来のバルビの惑星なんかを除けば)。中身検品は年越しそうだが何回かやりとりしてちゃんとビジネスベースで話ができる(半年遅れは当たり前、文句言っても返答渋るやる気のないロシア業者とは大違いだ)相手とにらんでの大量発注、やはり4枚抜けて一枚だぶっていたが、たぶん再送してくれるだろう。録音技術発祥の地アメリカには大手アルヒーフ以外に山ほど骨董音源が眠っている。これはその集大成を目した企画である、巨匠指揮者の未知の曲の発掘なんて研究者や指揮者たまらんでしょ。音からスコアに指示記号還元して研究してる巨匠好き手指揮者には朗報に余りある。たぶん最終的には全部(復刻済みと前期ロマン派までを除く)手に入れる必要はあるなあ。しかしおれはこっち本業にしたほうがいいのか?知識で専門店や外人相手に負け知らずださいきん。
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レスピーギ:ローマの噴水(ピアノ連弾版)

2006年10月11日 | その他ラテン諸国
○作曲家、カゼッラ(P-roll)(pierian)1925NY録音・CD

基本的にロールは扱わないのだが珍しい音源ということで。ロールなのにモノラルのあまりよくない音というのはどういうわけかわからないが、録音当時の再生技術に倣ったものということか。カゼッラは作曲家としてもピアニストとしても評価の高かった人であるが、この曲は殆ど技巧を必要としないので寧ろその叙情性がどのように醸されるかといったところに耳がいく。素朴でとつとつとした表現はロールのせいかもしれないが意外と山っけがなく、専門ピアニストではない作曲家が演奏したという感じはするがカゼッラ自体はそれほど前面に立ってきていないようだ。リズム表現もそれほどリズミカルではつらつとしているわけでもなく、これはロール再生装置も問題なのだろう、ただ穏やかでなんとなく聞き流すにはいい調子ではある。けっこうさらっと聴けてしまうので、あっけない感じすらするが原曲もきらびやかでいながら実は結構合理的で単純である、ということにも気づかされる面もある。ロール特有のテンポの不安定感が気になる点もかんがみて無印でもいいのだが、何かしら香る、というところで○。
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ニールセン:交響曲第6番

2006年10月11日 | 北欧・東欧
○ストコフスキ指揮NYP(VIBRATO:CDーR)1965/9/13

イマイチ掴みがたい作曲家ではあるのだがこのシンプル・シンフォニーとも呼ばれる確かに楽器数を絞った線的な曲ではあるていど同時代の比較的穏健な作曲家と似通った作風がみられそれなりに楽しめる。きほんシベリウスの響きと弦楽合奏書法からの影響からなっているがロマン性は維持されるものの不思議な打楽器アンサンブルや無調的フレーズと擬古典的フレーズの交錯のさま、非構造的な曲構成など、より現代的で新しい感じはする。後期ショスタコを思わせる骨ばった皮肉な音楽だがあれよりは甘さが残る。ストコはオケのせいもあってか勇ましく攻撃的な音楽を作り上げている。さすが新作珍作慣れしている。アメリカ同時代の交響曲に近似した作風ゆえオケも手慣れておりソロだらけなのを逆に強みとして力量を誇示している。完成度高い。拍手なし、放送用録音か。○。
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