○テンシュテット指揮ボストン交響楽団、ブライン・ジュルソン(MEMORIES)1977/1/15live・CD
前半楽章は手堅い。2楽章にもデモニッシュなものは感じられず、明るくはっきりした演奏だ。しかし音符の一つひとつを慈しむかのような3楽章になるとやっぱりそこに力点を置いてきたか、といったところである。悲劇的な叫びや孤独で不安な歌いぶりから前向きな主題に回帰したとき、テンポを俄かに上げてしなやかにどんどんドライヴしてゆくさまにはテンシュテらしさ全開。オケとの相性もいい。というか弦が強力じゃないとボリュームが出ない曲だから弦がアンサンブル的にまとまっていてしっかり響かせられる音量を出せていないと、なかなか感情の綾の隅々まで表現を求めるテンシュテの芸風を活かすことはできない。テンシュテの場合オケの内面的燃焼度はあまり重要ではないからこそ(解釈は十分感情的なのだから)アメリカオケの機能性オンリーな性格にもあっている。4楽章もそうだがリズム取りは絶妙の域。激しいが見事。後期をさばくような構造面をしっかり把握したうえで起伏を盛り込んでゆく手法ではあるがこんな充実した4番もありだろう。この曲はそもそもマーラー屈指の構造をそなえた曲である。穏やかな独唱も綺麗。○。
前半楽章は手堅い。2楽章にもデモニッシュなものは感じられず、明るくはっきりした演奏だ。しかし音符の一つひとつを慈しむかのような3楽章になるとやっぱりそこに力点を置いてきたか、といったところである。悲劇的な叫びや孤独で不安な歌いぶりから前向きな主題に回帰したとき、テンポを俄かに上げてしなやかにどんどんドライヴしてゆくさまにはテンシュテらしさ全開。オケとの相性もいい。というか弦が強力じゃないとボリュームが出ない曲だから弦がアンサンブル的にまとまっていてしっかり響かせられる音量を出せていないと、なかなか感情の綾の隅々まで表現を求めるテンシュテの芸風を活かすことはできない。テンシュテの場合オケの内面的燃焼度はあまり重要ではないからこそ(解釈は十分感情的なのだから)アメリカオケの機能性オンリーな性格にもあっている。4楽章もそうだがリズム取りは絶妙の域。激しいが見事。後期をさばくような構造面をしっかり把握したうえで起伏を盛り込んでゆく手法ではあるがこんな充実した4番もありだろう。この曲はそもそもマーラー屈指の構造をそなえた曲である。穏やかな独唱も綺麗。○。