湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

ディーリアス:小管弦楽のための二つの小品

2013年06月12日 | イギリス
○エルダー指揮ハレ合唱団(ho)2005/11/3・CD

エルダーはディーリアス向き!厚い和音を適切にひびかせその移ろいを適切に聴かせる。繊細な音線を密やかに絡ませ、ハレ管の好演もあってこれはじつに心に染みる演奏。二つの小品といっても一曲目が春初めてのかっこうを聞きながら、二曲目が川の上の夏の夜というそれぞれ独立して演奏されるしっかりした演目で、前者はかっこうの直接的描写にあざとさがありながらもディーリアスらしい濃厚なロマンチシズムを漂わせた、印象派とはまた違った明るい雰囲気音楽、後者は木管ソロと弦ソロの線的な絡みでほとんどが構成されるという、少ない楽器が室内楽的に絡んで進む曲だからこそ、特殊な響きの目立つ、ディーリアスとしてはかなり前衛的な難曲。新ウィーン楽派の活躍した時代の曲というところまで思いはせる。エルダーの軟らかい音でいながら速めのさっさとしたテンポも曲をだれさせないでいいが、これはやはりハレ管が天晴。○。
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アイアランド:丘

2013年06月12日 | イギリス
○バートン指揮ハレ合唱団(ho)2005/11/3・CD

アイアランドも保守的な作曲家だが同時収録されたエルガーよりは曲的に面白い。だがやっぱり短いし演奏どうこう言うことはできない。
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エルガー:オラフ王のサガからの情景~1.夏の激流のように

2013年06月12日 | イギリス
○バートン指揮ハレ合唱団(ho)2005/11/3・CD

著名な曲で、いたって普通の合唱曲。短いし、長所も短所も指摘できない。とりあえず○。
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ヴォーン・ウィリアムズ:ノーフォーク狂詩曲第1番

2013年06月11日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○エルダー指揮ハレ管弦楽団(ho)2002/11/3・CD

これはいい。覇気に満ち、特にハレ管の弦の再興具合を感じ取れる。変にヴォーン・ウィリアムズらしくないというか、ヴォーン・ウィリアムズの民謡編曲に見られる「あからさまさ」が巧みな棒さばきでそうと感じさせずに、清々しく響き、なお充実したものと認識できる。前半の感傷的な旋律でなんかのアニメ音楽を想起する人もいるかもしれないがそもそもこれは民謡編曲であり、またヴォーン・ウィリアムズ自身がよく他人に影響された作曲家でもあったので(「ヨブ」にブラームスが忍ばせてあったのには驚いた)、パクリとかそういうのは言いっこなし。
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ヴォーン・ウィリアムズ:あげひばり

2013年06月11日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○フレッチャー(Vn)エルダー指揮ハレ管弦楽団(HO)2005/11/3・CD

なんとものんびりした地味な演奏。ソリストはひたすら丁寧なのだが、その実直さが飽きをもたらしてしまう。やや鄙びた演奏ぶりで音色も単調、但しこの曲には似合った音ではある。そこを加味して○にはしておく。
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ヴォーン・ウィリアムズ:舞踏のための仮面劇「ヨブ」

2013年06月10日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ボールト指揮LPO(ica)1972/10/12ロイヤルフェスティバルホールlive・DVD

ウィリアム・ブレイクの独特の絵にインスパイアされた作品だが、こうして聴いてみるとヴォーン・ウィリアムズの描写力の強さ、直接的な卑近さ、映画音楽的と言われるのはわかるし(90年代のハリウッド映画音楽だと言ってもバレないだろう)、この作品でストラヴィンスキーなど新しい音楽の要素を取り入れて次の作風へ踏み出したという過渡期性もよくわかる。管楽器の扱いが多様になり、リズム表現に独自性が現れ構造への傾倒が伺え、音だけで聴いていると生臭い部分もあるが、映像だとなかなか面白く見られる。編成がばかでかいのに弦はそれほど増強していないのはボールトのバランス感覚の面白さか(古風な配置も面白い)。やや重く響きに透明感が無いのは録音上仕方ない。もたつくようなところはあるが音はよい木管、このへんはLPOの特色だろう。サックスやオルガンが異色の風景を取り込み半音階的なヴォーン・ウィリアムズらしくない(南極交響曲など予告するものではあるが)音楽の次々と提示されたあと、揚げひばりに似た長い民謡旋律がコンマスから提示され、田園交響曲的音楽に「戻る」さまがまた、ブレイクの絵とも違う、一貫性の無い、でもあざとい構成的魅力をはなつ。献呈者ボールトは顔色ひとつ変えず、ロンドン交響曲に似た楽天的で長大な終焉に向けて音楽をドライブする。さほど魅力的な終焉ではないと思うがオケが盛り上がる。南極交響曲につながるような最後の不協和音が美しい。映像に少し拠れがある。
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アイアランド:ロンドン序曲

2013年06月10日 | イギリス
ボールト指揮LPO(LPO他)アイアランド生誕70周年記念1949/9/10ロイヤル・アルバートホールlive・CD

40年代の録音と50年代の録音は大きく音質が変わる、これは非常に音が悪く、実況録音という点もマイナスに働いている。曲は無害な演奏会用序曲でウォルトンほどのインパクトは無いが適度に派手で保守的ながらも聴かせどころはあり、アイアランドの中では演奏されるほうだろうが、正直、ボールトをもってしてもこの録音の悪さをおしても聴かねばならないほどの説得力は伝わらず、曲の魅力も伝わらない。もともとブラスの曲であり、素直にブラスとパーカスの原曲でやっていればまだ違ったのかもしれないが。無印。
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ヴォーン・ウィリアムズ:前奏曲とフーガ ハ短調

2013年06月07日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ヒコックス指揮LSO(chandos)1998/5・CD

完成期後の派手だが晦渋な響きもはらむ作風の管弦楽曲で、こういう筆の遊びのような曲が録音されるのは珍しい。南極交響曲のような前奏曲より民謡調の旋律を使用したフーガの方が聴きやすいだろう。ヴァイオリンが美しいポルタメントを聴かせてはっとする。ただ、やっぱり曲。ブラスが重すぎる。。
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ヴォーン・ウィリアムズ:詩篇第23番(ソプラノと合唱のための編曲(チャーチル))

2013年06月07日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ヒコックス指揮ヒコックス合唱団(chandos)1998/5・CD

構造にヴォーン・ウィリアムズらしさが感じられるが、まずまずの曲。
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ヴォーン・ウィリアムズ:賛美歌調の前奏曲~ギボンズによる13番の歌に基づく(グラッツ弦楽合奏編)

2013年06月07日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ヒコックス指揮LSO(chandos)1998/5・CD

ピアノ独奏で知られる名曲で換骨奪胎ぶりはRVWの独壇場。寂しげで感傷的な主題を古典的かつきわめて簡潔な構造に当て嵌めて、まさにタリスから田園のあたりのヴォーン・ウィリアムズを凝縮したように感じる。それは当然のように弦楽合奏に向いているのだが、こうあからさまに編曲されてしまうと、もっと内省的な曲ではなかったかと疑問にも思ってしまう。編成をかなりしぼったほうが良かったのかもしれない。○。
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ヴォーン・ウィリアムズ:巡礼者の舗道

2013年06月07日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ヒコックス指揮ヒコックス合唱団、ワトソン(ORG)(chandos)1998/5・CD

まるきり教会音楽のていをなす合唱曲で静かな伴奏を重ねるオルガンにもいささかの冒険もなく、ひたすら普通の擬古典的な曲と言った風で、ヴォーン・ウィリアムズですらない。演奏は素晴らしい。○。
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ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり

2013年06月06日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○アン・アキコ・マイヤーズ(Vn)リットン指揮フィルハーモニア管弦楽団(RCA)CD

明瞭で流麗、とにかく安定した表現で音符を音楽に紡いでゆくソリストに、輝かし過ぎるオケ、丁々発止で巧すぎるソロ、迫力満点のフィルハーモニア管弦楽団、そう言うところが聴きやすくもあり、あれ、こういう曲だっけ、というところでもある。一つの見識として行き着いた表現であり、これを決定版とみなす人もいて良い。私もこれが好きだが、あげひばりは、こうでない、描写的で、起伏のある演奏でも聴きたい。○。
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ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第8番

2013年06月06日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ヒコックス指揮LSO(chandos)CD

スタジオ録音なりの整えた感じというか客観性が伝わってしまうのはマイナスなのだが、一楽章からこの曲の難点としてある、特に管楽に多用されるトリッキーな動きの短い音符が鋭くビシッと揃わない点、ここではいずれもしっかり整っていて清々しく聴き通せる。二楽章の管楽合奏などヴォーン・ウィリアムズには不得意な世界でとっ散らかったようなアンサンブルになることもあるが、テンポを落ち着いてとって模範的に通している。このオケの木管の音色が焦りの色を帯びず保たれている。弦楽合奏の三楽章は重厚で、スケールの大きな音楽になっていてコントラストがついている。四楽章は落ち着きが気になるがまずまずの祝祭的フィナーレ。○。
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ヴォーン・ウィリアムズ:真理のために勇敢に

2013年06月05日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ヒコックス指揮LSO他(chandos)1998/5・CD

キリスト教音楽というのは日本人の一部には拒否感を覚えさせるものであるらしい。西欧音楽であるクラシックを聴くのに根幹をなす宗教音楽を忌避するのもおかしな感じだが、純粋に数学的な意味における音楽に宗教というものは本来関係ないものであると言う主張もわからなくもない。そういう人にとってはバニヤンに材をとったこの合唱曲もまったくキリスト教的に聴こえることだろう。これが賛美歌だと言われても歌詞を置いておけば私も納得してしまうくらい、何も新しい要素のない純粋な宗教曲に聴こえる。RVWは多数の歌曲も書いているがいずれ保守的なものや宗教曲がかったものが多く、これもその範疇から漏れない。ヒコックスはうまい。
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ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス「あげひばり」

2013年06月05日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○リトル(Vn)A.デイヴィス指揮BBC交響楽団(teldec/warner)1990・CD

奇を衒わず静かに田園の風を謡う佳演。この演奏は私にとって先入観の盤となったものの一つで、今聴くともうちょっと起伏があってもいいと思うのだが、安定した暖かい音色や抑制的な表現には抽象的思考を促進する効果があり、幻想曲という名の瞑想曲である同曲の一つのあるべき表現であるとも思う。
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