湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

グラズノフ:5つのノヴェレッテ~Ⅱ、Ⅲ

2013年07月19日 | グラズノフ
◯アンドルフィ四重奏団(disque a aiguille)SP

録音年代は古い模様だが、オリエンタレからは技巧派で、軽やかなアンサンブルをこうじる演奏スタイルがききとれる。現代的というか、フランス風というか、ロシアの演奏ではないことはたしかだ。間奏曲ではポルタメントも出てきてさすがに古臭さは否めないが、これがまた何とも言えない音色で、派手さはないが印象に残る。どこのパートが突出するでもなく、アンサンブルとしてよくできた団体だと思う。ボロディンふうの音響なのにドビュッシーふうに聴こえるのがいい。◯。
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グリフィス:白孔雀

2013年07月18日 | アメリカ
ストコフスキ指揮ハリウッドボウル交響楽団(scc:CD-R)1946/7/21live

録音が悪いと印象派音楽は分が悪い。リリカルではあるもののややあけっぴろげなオケの音も曲に変なリアリティをあたえて、幻想味を損ねている気もするが、そこまで考えて聴く音楽でもないか。ストコフスキーらしいあけすけな表現ではある。中音域が地味で、明るくきらびやかなのは特筆すべきか。まあ、複数の記録とどこが違うか言うのも難しい。録画マイナスで無印。
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ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第3番「田園交響曲」

2013年07月17日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○バーロウ(Sp)ハンドレー指揮王立リヴァプール・フィル(EMI)CD

ダイナミックなところはダイナミックだがおおかたの静かなシーンにも注意深い配慮が見られ、音量変化がしっかりしていて、かなりイメージに近い演奏。3楽章が聴き物で、他の演奏には聴かれないような、非常にスピードと力感に満ちた表現が交響曲としての構造を引き締めている。2楽章ではちゃんとペットが主張し、4楽章ではソプラノが余り前に出ない。わきまえた演奏。オケが上手いのにも驚いた。◎にしたい○。
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ドビュッシー:神聖な舞曲と世俗的な舞曲

2013年07月15日 | ドビュッシー
○ストックトン(hrp)ハリウッド四重奏団(testament他)1951・CD

明瞭で技術的には過不足無いが、これといった特徴もなく、50年代アメリカの演奏だなあ、という感じ。
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ラヴェル:序奏とアレグロ

2013年07月15日 | ラヴェル
○ストックトン(hrp)ハリウッド四重奏団他(testament他)1951/10/29・CD

ハッキリした表現でいささかアクが強い。緩急の大きく付けられたロマンティックな解釈ではあるが、音が強いので耽溺はしない。この曲の叙情性に合うかどうかは。。○。
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クレストン:弦楽四重奏曲

2013年07月15日 | アメリカ
○ハリウッド四重奏団(testament他)1953・CD

不協和音塗れのガチャガチャした都会的な楽章を2つ看過すると美しい旋律をひたすら祈るように歌う3楽章に至るので我慢我慢。この楽章は立体的にきっちりアンサンブルしているのでただ旋律音楽というわけでもなく楽しめる。教会音楽ふうの終結をするところも何か意味を感じさせる。フーガから始まる擬古典的な四楽章もなかなか。ハリウッド四重奏団は無難か。

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ヴィラ・ロボス:弦楽四重奏曲第6番

2013年07月15日 | その他ラテン諸国
○ハリウッド四重奏団(testament他)1949・CD

旋律性が強く、2楽章などリズムにブラジルのラテンなものが明確に現れ、しかし和声的にはとてもドビュッシーである。新民族主義作曲家が必ず通る民族主義的ドビュッシーとでも言うべき音楽なのだが、ヴォーン・ウィリアムズの一部作品のように相反するその2つの要素が足を引っ張り合って珍妙な聞き辛いものになることはなく、むしろミヨーの影響を感じさせるフランス寄りの作風になっているのは成功だ。円熟した書法はベートーヴェン風のがっちりした四楽章で発露しており、ブラジル音楽をクラシカルな表現の中に抽象化し昇華させている。なかなか美しく、独自性も感じられ、一般にもアピールする作品。個人的にはスケルツォが楽しくて好き。ハリウッド四重奏団の雄弁な表現によるところも大きいかもしれない。お国演奏家がやるともう少し体臭が出るのかも。○。
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roger gross追悼

2013年07月14日 | Weblog
私のオートグラフ収集で大きな位置を占めていたグロス氏が亡くなっていた。リストが送られて来ないわけだ。ニューヨーク・タイムズの訃報記事まで目は届きませんわ。顧客リストはドイツの業者に引き継いだとのこと。問題があれば消すというe-mailだったが、もうオートグラフはいらない。

http://rgrossmusicautograph.com/
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ピストン:9つの楽器によるディヴェルティメント

2013年07月11日 | アメリカ
○ストコフスキ指揮現代音楽協会(scc:CD-R)1958/12/3live

弦と木管楽器による合奏協奏曲だが、空疎な和音やリズムにアメリカがあらわれているもののかなりストラヴィンスキーぽく、ピストンにしては晦渋過ぎるような古臭い前衛ふうの場面も現れ、首をひねる。アメリカ代表がこの曲でいいのか?ホヴァネスをやったからいいのか?疲労感すら感じたが、美しい歌も織り混ざるので、相殺して○。
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ホヴァネス:オクトーバー・マウンテン

2013年07月11日 | アメリカ
○ストコフスキ指揮マンハッタン音楽学校打楽器アンサンブル(scc:CD-R)1958/12/3live

比較的有名な曲だが地味。銅鑼を駆使した重い破裂音に、鉄琴と木琴の繰り出す美しくも地味な点景が交錯する。同日のストコフスキーライブは中東から日本から中国から中央アジア果てにアメリカと世界旅行をしたわけだが、思ったのは、何でも振るなあこの人。そして必ずしもどれも上手いわけではなく、あるいは振ってないものもあるかもしれない。音だけではわからない。
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ハリム・エル=ダブ:ターミール幻想曲

2013年07月11日 | その他古典等
作曲家(ダラブッカ)ストコフスキ指揮現代音楽協会(scc:CD-R)1958/12/3live

お世辞にもいい曲ではない。ダラブッカは楽しめるが弦楽オケがどうにも戸惑いが伝わってくるほどにグダグダで、半端な前衛音楽の気がある。アイヴズを墓場からアラブに連れてきたような曲。ストコフスキーもよくやったものだ。
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カウエル:ペルシア組曲

2013年07月11日 | アメリカ
○ストコフスキ指揮現代音楽協会(scc:CD-R)1958/12/3live

正規録音も残っているがノイズを除けばこちらの方がクリアか。オケの特性なのか、正規録音よりも民族性が減退し抽象性が高い。あくまで西欧楽器によるペルシア音楽の演奏という印象が強い反面、退屈な部分もあり、演奏にもやや弱さを感じる。ギターがなければ普通にコンサートの演目として成り立ってしまうなあ。リズム感の良さが光る。○。
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プロコフィエフ:歌劇「三つのオレンジへの恋」~地獄、王子と王女、行進曲

2013年07月11日 | プロコフィエフ
○ストコフスキ指揮NBC交響楽団(scc:CD-R)1941/11/18live

ストコフスキーは同時期に正規録音でも同曲からの抜粋を遺しているが、なぜ組曲全曲を残さなかったのか不明である(順序も違う)。圧倒的な力感のインフェルノはプロコフィエフの闘争性を存分に引き出し、ロマンスはポルタメントも厭わず、しかし透明で明るい音によってオリエンタルな雰囲気のうちに盛り上げる。録音がよれているのは惜しい。NBC交響楽団ならではの素晴らしい法悦的な演奏。有名な行進曲はやや録音が伝えきれていないキレの良し悪しがわからないが、ソロの細かいミスはともかく、圧倒するような気迫には満ちている。
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クレストン:1942年の聖歌

2013年07月11日 | アメリカ
○ストコフスキ指揮NBC交響楽団(scc:CD-R)1943/12/26live

クレストンはユダヤ人だったと思う。この曲はあまり口辺にのぼらないが如何にもな旋律はそっちの方向のものなのだろう。いくぶんバーンスタイン的でありブロッホ的であり、映画音楽的な効果の高い音楽である。ピアノが独特の呪術的な雰囲気を暗く盛り上げる。ストコフスキーは最高のオケを前にやりたい放題の運命をやったあとこれを演奏しているわけだが、結果として運命とは逆ベクトルの曲のランチキ性が際立ってきて、またこれが何とも言えないカッコよさとなり、結局、ショスタコフィナーレで終わる。○。
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クレストン:サックス協奏曲

2013年07月11日 | アメリカ
○アバト(Sa)ストコフスキ指揮ハリウッドボウル交響楽団(scc:CD-R)1945/8/26live

リズムはクレストンらしさに溢れたアメリカアカデミズムに則ったものだが、かなり技巧的なサックスを聴いていると、何故かグラズノフ晩年のアルトサックス協奏曲を思い出す。何か古臭い。録音が鄙びていて、サックスの音も同じように鄙びて聞こえるせいか。一楽章は意外なほどサックスである必然性を感じなかった(テクニカルな面は除く)。二楽章はガーシュイン風味の空疎な不協和音の上をサックスの憂愁の旋律が流れアメリカだなあという雰囲気。録音が悪い。しかしここではサックスソロが活躍し、安定した技巧を聴かせるのはよい。音色変化を録音が捉え切れないのが痛いが、サックスは音色変化がそれほどハッキリ聴き取れる楽器でもないか。細かいヴィヴラートは美しいが、サックスというより木管楽器のような音に録れている。ストコフスキーは意外と新作に関しては弄る指揮者ではないので、ここでもあまり主張して来ない。バランスよく安心して聴ける。しかし楽章ごとに拍手が入るのはもうこのオケの聴衆では仕方ないのか。三楽章はいきなり引っ掛け気味の細かく攻撃的なサックスソロから始まり、トリッキーなリズムの交錯こそクレストンらしさだろう。オケとの丁々発止のやり取りが楽しい。サックスの特性かどうしてもアクセントが軟らかくなって鋭い音の表現にやや物足りなさを感じるところもあるが、緩徐部では美しい歌を聴かせる。しかしまあ、完璧に古典楽器としてサックスを扱っており、やや世俗的な旋律においてもキッチリキッチリした楽譜が外れた表現を許さないから、サックスにちょっとジャズを期待する向きには薦められない。曲としてはあくまでサックス演奏技術を確かめる類のものだろう。
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