アンゲルブレシュト指揮ORTF他(ORTF,ina)1958/3/20live・CD
ORTF設立80周年記念ボックスに収録。ina配信含め他に出ていなかった音源だと思う。録音状態は悪い。モノラルで雑味が多く分離も良くない。ヴァイオリンが薄くて鄙びた音をさせ、二楽章では一部バラけて聴こえる(録音のせいでそう聴こえる場合もあるので本当のところはわからないが、ノリノリでないことは確か)。祭りはそれでなくとも作為的な構築性が裏目に出て、瓦解するんじゃないかという軋みが気になる。アンゲルブレシュトはシレーヌの入りをちゃんと切る。二楽章最後で管楽器の暗示する音形がそのまま終わってしまい、三楽章冒頭女声合唱がとうとつに現れるように聴こえる。繋がりが無く、実存感が強すぎる。この録音では特に発音が下品、というかリアル過ぎる。ここでもさきほど感じた軋みを覚えざるを得ないが、うねるような音程の上下動が始まると、かなりねっとりしたフレージングが目立ってくる。このあたりの雰囲気はアンゲルブレシュトがもっと古い時代に持っていたであろうスタイルの残滓かもしれない。情緒的な音楽となり、引き込まれ、さすがの終演を迎える。拍手無し。とにかく音が悪いので、アンゲルブレシュトの夜想曲といって、わざわざこれを選ぶ理由は無い。
ORTF設立80周年記念ボックスに収録。ina配信含め他に出ていなかった音源だと思う。録音状態は悪い。モノラルで雑味が多く分離も良くない。ヴァイオリンが薄くて鄙びた音をさせ、二楽章では一部バラけて聴こえる(録音のせいでそう聴こえる場合もあるので本当のところはわからないが、ノリノリでないことは確か)。祭りはそれでなくとも作為的な構築性が裏目に出て、瓦解するんじゃないかという軋みが気になる。アンゲルブレシュトはシレーヌの入りをちゃんと切る。二楽章最後で管楽器の暗示する音形がそのまま終わってしまい、三楽章冒頭女声合唱がとうとつに現れるように聴こえる。繋がりが無く、実存感が強すぎる。この録音では特に発音が下品、というかリアル過ぎる。ここでもさきほど感じた軋みを覚えざるを得ないが、うねるような音程の上下動が始まると、かなりねっとりしたフレージングが目立ってくる。このあたりの雰囲気はアンゲルブレシュトがもっと古い時代に持っていたであろうスタイルの残滓かもしれない。情緒的な音楽となり、引き込まれ、さすがの終演を迎える。拍手無し。とにかく音が悪いので、アンゲルブレシュトの夜想曲といって、わざわざこれを選ぶ理由は無い。