湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

<音楽日記2005-2019>コラム総集編について

2019年04月09日 | Weblog
コラムと個人日記を抜き出して目録化しました。こうでもしないと検索機能が貧弱で、自分でも探せないので。リアルタイムでないとわかりにくい話題やコレクション・コレクター系の話題はほぼ省きます。時系列ですが一部再掲日付になっています。近年はコラムはほとんどありませんが、一時期twitterから転記していました。
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はじめに。 LINK ムーグORモーグ? LINK 海のかなたで。 LINK NAXOSの無謀な賭け LINK トラウマとモーツァルト LINK 皮肉っぽく嵐のように豪快なロシアの名匠たち LINK ・・・と思います、て。 LINK LPジャケットの著作権 LINK スティングがDGから古楽アルバムを発売 LINK マドレーヌ・ミヨーさんのこと LINK クアドリとプレヴィターリの「松」 LINK ロマン派と現代とモーツァルト LINK ミュージシャンの死 LINK ブログを書くこと。 LINK アイヴズにかんするいくつかのこと。(アイヴズ「日記」抜粋) LINK ロックフェスタ帰りにしっくりくるアイヴズの音響的音楽 LINK アメリカのための音楽 LINK 交響曲とは?形式とは? LINK 「キャプレと宗教音楽」 LINK アメリカにとってのフランス、断章 LINK 

ラヴェルとロシア音楽 LINK オペラは長すぎ LINK ネット交流の限界について LINK 米タワーレコード破産 LINK コレクターの憂鬱(伊藤若冲) LINK 最後から二番目の思想 LINK 夢は届かないものであるべきだ LINK ソロモン・ヴォルコフ出演 LINK 辞書と商売 LINK サティの「シテール島への船出」は何円だったか。 LINK 絵金と黛 LINK 幕間の英語版台本とどく LINK 幕間のDVDをみました LINK 私の手元にあるサティ書簡についての考察 LINK サティの夜想曲第1番 LINK 旅程より LINK 病みあがりに LINK TROYの音楽 LINK スラヴァ LINK ワルプルギスのヨル LINK シンボルず LINK 教会の天井に「録音」された音楽 LINK 妖精の園 LINK <雑感>おひさ巡回 LINK 猫の子供たち LINK 原語表記ヲタとか言ってみる LINK 耳が幾つ在っても足り無い LINK 

1939/2/20,Charles Ives LINK なつかしきヴィトゲンシュタイン LINK おつかれさまでした LINK アイヴズについて考えているいくつかのこと LINK 評論の美学とかなんとか LINK クラシックとロックは対置概念? LINK アイヴズ、マーラー、シェーンベルクそして死 LINK 耳がよいのは不自由なこと LINK ほん:「クラシック私だけの1001曲」 LINK 妄想系評論の雪だるま LINK 無性にベトを勉強したくなる LINK DEAD-MUSICS! LINK STING、ダウランド歌曲集ライヴをオーチャードで再開 LINK トンデモ音楽の世界??? LINK クラシックマニアは露悪下品指向 LINK マーラーに挫折 LINK STING sings ELGAR and RVW (and Dowland) in Japan+ LINK 音楽家は殺さない、聴衆が勝手に自死するのみ LINK 訃報にさいし LINK 

チェルビダッケ LINK ありゃ(フルトヴェングラーの「世界の調和」) LINK そうなんだよね(mp3の音質) LINK クラシックという牢獄 LINK メモ:ハリウッドボウルライヴ・ホロヴィッツのラフ3について(オケ名表記) LINK 多忙ではございませんが残暑見舞い LINK ネットクラシック愛好家の文章傾向 LINK パブリックドメインは大元の権利さえクリアすりゃいいのかという話 LINK 頭が痛くなるな LINK ※このブログの今後について(東日本大震災をへて第一部終了) LINK Roger Gross追悼 LINK クラシック関係の記事(tumblrの紹介) LINK ミュンシュ指揮フィラデルフィア管弦楽団の録音について(twitterセルフまとめ) LINK Yves St-Laurent Studioのショスタコーヴィチ自作自演新譜について(検証) LINK フランス国営放送音源・動画のWEB配信について(ina音源)※追記追記追記あり LINK 

※モノラルステレオ表記について LINK あれ?左右以外にも見えるものが・・・ LINK 幕間にかんする謎~ソゲ・コレクション、他人の所業の邪魔するもの LINK MUSIC IN 古本 LINK 何かあればツイッターとかではなくブログにコメントほしいなあ・・・ LINK 利用上のご注意(スリム化版) LINK (新譜ご注意)スヴェトラーノフのマーラー悲劇的オケ名不詳CD-R→N響です LINK 【チェリビダッケ】ミュンヘン・フィル自主制作ラヴェル集は一部初出? LINK 追記あり(新譜ご注意)YSLS:ミュンシュのマーラー10番1楽章ライヴ→一つしかありません LINK お題「音盤」~twitter2010/3からクラシック日記 LINK 選ばれた人間しか聴けない「クラシックコンサート」・・・だからレコードが好き。(スタッフが障碍者応対のオの字も知らないという) LINK 過去分聞きなおし;飛行機にて LINK エール大学アイヴズ初演コレクション一部公開、偽盤再販される LINK 評論家は選ばれた者がプロの目で目利きするもの LINK 未CD化ピエルネ指揮記録ついにSLSから復刻開始、文藝評論家の音楽評論について思うところ・・・ LINK 

本体サイト終了のお知らせ LINK 誤買を招く「新譜」のウソについて LINK 超小型ハイレゾ対応DAP、SHANLING M0を使ってみる LINK ミュンシュNYPの山人ライヴ、小型DAP逍遥、「モード」 LINK SHANLING M0外装弱い、Amazonデジタル配信DLのファイル名文字化け対処ほか LINK プーランク自作自演「2台のピアノのための協奏曲」動画 LINK 日々雑記2018/11/13-20duttonの現状、アイヴズ4番 LINK 楽譜が全部iPadになる日が来るのか?、アイヴズと猫、ホースレイ、完全ワイヤレスBTフォン、RVWオックスフォード哀歌はフロス・カムピ似 LINK horen完全ワイヤレスヘッドフォン使用感、無圧縮音源とmp3音源に優劣あるか LINK 旧譜抱き合わせボックスのCDは最新リマスタリングでも音が悪げ、CRQeditionsレーベルについて他 LINK 2018年末2019年始の日記~ショスタコーヴィチ7番の番組など LINK ドンキブランド完全ワイヤレスフォン3wayは薦めない、コンプライのイヤーピース、不世出のラヴェル弾きルフェーブル、saturneレーベルのラヴェルQ早く復刻して LINK 

※<20190205完結>過去記事検索用のページ(膨大)追記あり LINK ※音楽系日記:日本の聴衆が外国人に賞賛されるわけ、カルトクイズ、「ス」、ピアノ曲いくつか、ヴォーン・ウィリアムスの偶然 LINK ※2000~2004年ゲストブック・2003~2005年猟盤日記(ホームページ閉鎖に伴う転載) LINK ※最近の更新方法について LINK ※ジオシティーズ欲しいもの一覧の答え合わせ(2000-2019)(ホームページ閉鎖に伴う転載) LINK ジオシティーズ終わりました(ホームページ閉鎖) LINK
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フォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」

2019年04月08日 | フランス
ミュンシュ指揮ORTF(KING,NHK/DM)1966/10/20東京文化会館live・CD

ルーセルの前のプログラムらしい。テンポも颯爽としリズムもほどよく感じられ、この曲はやりやすかったのだなと思う。ミュンシュは現代寄りよりも古典寄りの人だったのかもなあと思う。強引な音楽性ですべての現代曲を球速100キロくらいで投げ込むから、呆気にとられて感動することもあるが、オーケストラはボールを百球同時に投げるようなものであり、この曲のようなソリストが中心となるものなら綺麗につむげるが、ライナーにもあるとおり、ドビュッシーとなると賛否は分かれる。そういう理知的なところを超えるのが「巨匠の時代」の指揮者なんだけど。あと、この和声的な曲だとORTFの磨かれた透明度のある音が有利に働く。録音がやや撚れているのはマイナスだが、ミュンシュライヴでこういう情緒を感じられるとは思わなかった。メリザンドの死はなかなかに情感がある。ディスク・モンターニュ盤と同一とのこと。
ドビュッシー : 交響詩「海」 | フォーレ : ペレアスとメリザンド | ルーセル : 交響曲第3番 / シャルル...
シャルル・ミュンシュ,フランス国立放送管弦楽団,ドビュッシー,ブルックナー,ルーセル

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ドビュッシー:三つの交響的エスキース「海」

2019年04月08日 | ドビュッシー
ミュンシュ指揮ORTF(king,NHK)1966/10/8東京文化会館live・CD

晩年らしく落ち着いたテンポ取りがむしろ軋みを生じさせる1楽章から、どんどん前に向かっていって事故も厭わず飛んで行ってしまう3楽章まで、決してミュンシュの名演のうちには入れられないが、ライヴの典型として楽しむことはできる。乱暴である。個人的にはミュンシュの演奏でも精度の低い、カロリーも低いほうで無理やり3楽章をもっていった形にとらえられた。オケがぎくしゃくしている感じ。ミュンシュの号令も入るが、いつものことだろう。なぜかモノラル。
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ルーセル:交響曲第3番

2019年04月07日 | フランス
ミュンシュ指揮ORTF(KING,NHK)1966/10/20東京live・CD

晩年のORTFライヴ、しかも東京文化会館でのライヴをNHKが記録したものである。死の2年前で演奏スタイルはやや落ち着いてきた頃だ。リズムをしっかりとって前に流れていかないのはいいがテンポまで落ちてくることで、かつてのミュンシュにない繊細な配慮が行き届く部分と(それでも二楽章はつまらない)、木槌で叩きつけるような音で弛緩せず前を向いた突進感を維持している部分がある。その少しの違和感が実際演奏の軋みとなって耳に届いてしまう(補正なしライヴ録音だから瑕疵があるのは当たり前だが)。というわけで解釈はERATOのラムルー管弦楽団との正規名演と変わらないが、ライヴ的な感興は版元の煽りほどには強くはなく、終演後ブラヴォなしの盛大な拍手という冷静感が出てしまう格好でしめられる。そもアンゲルブレシュトのORTFだからフランスオケといっても機能性と色彩の冷たさがあるため、熱狂はしない。ルーセルを知らない向きはあるいは度肝を抜かれるのかも。ミュンシュとしては標準、晩年としては熱が入っている(三楽章の掛け声はいつもの箇所)、といったところだ。同曲ならWEITBLICKのライヴが録音もクリア。これもステレオではある
ドビュッシー : 交響詩「海」 | フォーレ : ペレアスとメリザンド | ルーセル : 交響曲第3番 / シャルル...
シャルル・ミュンシュ,フランス国立放送管弦楽団,ドビュッシー,ブルックナー,ルーセル
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アイヴズ:交響曲第3番

2019年04月05日 | アメリカ

シンクレア指揮ノーザン・シンフォニア(NAXOS)CD

 

達者な演奏だが軽い。おそらく協会決定版を使用しているのだろう、整理された感じのちょっと音の間に隙間がありすぎる感は否めない。スピードがあり、1楽章は冒頭からつかまれる。宗教的郷愁をたびたびうたったアイヴズのこれもそういった田舎風の小交響曲であり、あからさまな民謡が矢継ぎ早に現れるが、いずれにも拘泥せずさっさと進んでいく。奇矯な絡み合い・不協和な響きはただの民族楽派の音楽に落とさず、またシンクレアはアイヴズに詳しい手腕を発揮して、一見奇矯なものにも、一見不協和なものにも規則性を見出してそつなく芯をくった演奏をしている。即物的演奏で1楽章はあまりにすぐ終わるし、2楽章も中庸の響きをもってまたスピードを保ってさっさと終わらせるが、要となる感傷的な3楽章もまたその調子なので余韻がない。整理しすぎてアイヴズの理性的でない「粗」が目立つようにも思う。チェロソロのアーメン終止と調子はずれの鐘が大きなディクレッシェンドの末を飾って美しい曲なのに、そこはほんとにピアニッシモに消え入るようだ。いわゆる室内楽団ふうの無機質な運動でないから聞きやすいが、これをきいてどこにマーラーは惹かれたのかと思う人もいるかもしれない。アイヴズのもつ毒はもともとこの曲は薄いがさらに薄く、聴きやすいと思う人もいるかもしれない。

 
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ドビュッシー:管弦楽のための三つの夜想曲

2019年04月04日 | ドビュッシー

スヴェトラーノフ指揮スウェーデン放送交響楽団&合唱団(WEITBLICK)1999/5/7live・CD

牧神二十年後の同じ組み合わせによる晩年の演奏になる。すでにエキセントリックさは目立たなくなってはいるが、解釈の基本は意思的なままであり、伸縮もする。ただより「響き」に重点を置き、過激な煽り方はしない(予定調和なとき以外は案外煽らない人だけど)。この曲のどこを聴きたいかによって好悪分かつだろう。私は「祭り」を聴きたいので、これはあまりに遅く、拍節感もいまいちで、いやこういう美に徹した演奏スタイルなら他にもやる人はいるよねと思ってしまった。両端楽章はそのぶんたっぷり繊細な夜景の移ろいを味わうことができる。晩年スタイルだ。音のボリュームより調和を求めていることもわかる(とはいえ一つ一つの楽器にはハッキリ太く発音させている)。シレーヌは佳演といっていい。依然特徴的なスタイルであり、スヴェトラーノフ好きなら楽しめるだろう。祭りが惜しい。

SSS0224 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、夜想曲、交響詩「海」 スヴェトラーノフ(指揮)スウェーデ...
エフゲニー・スヴェトラーノフ,ドビュッシー,スウェーデン放送交響楽団


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ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

2019年04月04日 | ドビュッシー
スヴェトラーノフ指揮スウェーデン放送交響楽団(WEITBLICK)1979/1/28live・CD

恍惚感しかない演奏で、ねっとりした音の作りかた、柔軟なテンポの操作をしているが、音が清潔でニュートラルなため、むしろ淡彩の美しさが醸し出されている。音の調和したオケのほうがロシアの馬力オケよりも往年のこの人の極端な解釈には向いていたのではとも思う。ソリストの名技を引き立たせる演奏ではなくあくまで管弦楽総体の包み込むような響きに身を浸らせるたぐいの、なかなか良い演奏。
SSS0224 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、夜想曲、交響詩「海」 スヴェトラーノフ(指揮)スウェーデ...
エフゲニー・スヴェトラーノフ,ドビュッシー,スウェーデン放送交響楽団

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ルーセル:エヴォカシオン

2019年04月04日 | フランス
ロザンタール指揮ORTF他(ina)1962/12/6live

ルーセルが訪問後インドからインスパイアされた曲はいくつかあるが、どれもほとんど録音がない。オペラは代表作とされるものがあるのに私もina配信音源唯一しか持たない。その中でこれは規模が大きく実演には触れられないものの、合唱交響曲として受け入れられており、プラッソン盤はおそらく今度のルーセルボックスにも入っているのではないか。トゥルトゥリエの録音も記憶に新しい。1910-11作品だが20年代改訂された模様。45分かかるが、とても耳馴染みがよく、いかにもインドから直接持ってきたような部分と、ルーセル独自の部分が印象主義音楽の中から形をもって結晶してきたような、春にはぴったりの明るく美しい雰囲気ある曲だ。一楽章はリヒャルト・シュトラウス風だが、冒頭からのたゆたう半音階にはディーリアスが宿っており、これはソメイヨシノによく似合う。印象派にしては明確なメロディと構成感があり、ルーセルののちの志向がわかる。「洞窟に隠れた神々」と象徴主義めいた題がある。サマズイユに献呈されている。二楽章は正直「クモの饗宴」。これは楽しい。後半は雲行きが怪しくなってくるが、十分弱と短い楽章。「薔薇色の町」これまたチョビヒゲな題名だ。三楽章は重々しい出だしから前の楽章の最後の雰囲気を引きずっているが、「聖なる河のほとりで」ガンジスというわけだろう。長渕とは違う神秘的で荘重なひろがりを感じ取ったようだ。前の楽章にもインド風の素材は出てくるが、ここでは合唱がメインとなってロマンティックな歩みをすすめる、そこに添え物のように小さなものが注意深く挿入されるに留まる。25分もあるのでこれはオペラを聴くようにゆっくり聴くに向く。これは印象派と言って差し支えない曖昧模糊なものを含む。じきに雰囲気は上向いてくる。混声合唱も無歌詞部分をふくめオリエンタルな幻想を引き立て、言ってしまえばホルスト「惑星」の終曲みたいな異郷の神々の気配すらしてくる。歌詞のない歌のアジア風舞曲を引き出すようにやっとメゾソプラノ独唱が入ってきて心憎い。あきらかにボロディン風もしくはリムスキー風の盛り上げをしてくるものの(クーチカに近いカルヴォコレシがインドの古い本をテクストにまとめたのだ)、やっぱり横の流れの方が強い。揺蕩うような音の揺らぎのほうが支配的になる。ドラマティックな、芝居めいたはっきりした変化の中で、中欧風の重さのある音楽が積み上げられていく。ちょっと軽いような雰囲気でテノール独唱も来る(ソリストは3人いずれも三曲目のみ)。トランペットとシンバルが煽るなか、神秘とロマンが高々と掲げられる。このような曲には誇大妄想という4文字こそ相応しい。フランスよりドイツで受けそうな、あるいはやっぱりロシアで受けそうなものではある。ロザンタールは派手で、モノラルのやや悪録音にも関わらず音がいちいち瑞々しく明瞭に届く。そのあまり、長い演奏となるとちょっと胃にもたれる感もある。イリヤ・ムーロメッツを聴いた後のような疲れが残った。拍手は盛大だが爆発的ではない。これはinaが各種配信で売っているが、そのデータでは最初にアナウンスとコメントが入るはずが、歌曲が2曲脈絡なく入っている。録音状態から別の機会のものだろう。この曲はしっかり入っているので念の為。
Evocations pour soli: Aux bords du fleuve sacré (chœur & orchestre)
Orchestre de la RTF

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ウォルトン:交響曲第1番

2019年04月03日 | イギリス
○ダニエル指揮イングリッシュ・ノーザン・フィル(naxos)CD

リズムがキレて非常にカッコいい。ウォルトン1番の映画音楽的な魅力を派手に引き出している。下手なオケではないはずだが木管の鄙びた音や弦楽器の乱れが目立ち、いやそこまでして感情的に煽っているのだ。冒頭など長い松葉が弱くスケール感は出ないがそういう演奏も良い。この曲でメロディをしっかり歌わせているものに出会うことはすくない。シベリウスを換骨奪胎したようなあざといウォルトンを、あざとくやっている。伸びるほうには揺れないが、音の濃淡ははっきり付けられ、切り詰めて前へ向かう力は自作自演や他の新しい演奏のように整えた感なく、ちゃんとアンサンブルできているからこそ生まれるもの。ごちゃっとはしない。即物的な演奏ではなく、細かい解釈も活きている(雑味が多いのにハーモニーは綺麗に整えられている)。細かい仕掛けもちゃんと聴こえる良録音で、スカッとするアレグロ楽章ではなく、三楽章のようなメランコリックな楽章でこそ純度の高いウォルトンの現代性を堪能できる。末尾近くの空疎な悲劇的な響きはマーラーを換骨奪胎しているのかもしれない。四楽章はしっかり序奏してから攻撃的に向かうが、ここは割と他の演奏と似通っているかもしれない(マンネリ的で幅が出しにくいのだろう)。弦楽器がピチピチ活きが良く、フーガでは細かい音符に折り混ざる長い音符をテヌート気味に撫で付けるのが心憎い。細かいスコアに細かい演出を加えてしっかりやっている。ブラスに迫力が欲しいが裏の動きがわかりやすく面白い。言われなければアメリカの曲と思ってしまいそうな清々しさで走り抜ける。中盤以降はかなりヒートアップしているように聴こえる。音場が狭いのでせせこましさは否めないが、弦楽器がひたすら刻んでいる曲が好きな向きは大柄な管楽器と打楽器で壮麗にやるより好きだろう。ウォルトンはとにかくこの曲ではしつこいので、最後も現代のベートーヴェンかと言うくらいしつこくフィナーレっぽいフレーズを楽器を変えて繰り返すのだが、そのあたりでは情緒たっぷりにソリストたちに歌わせたあと、壮大な幕切れに向かっては、なかなか凄い迫力だ。何度打つんだという終止音。これは良いです。
ウォルトン:交響曲第1番/パルティータ(イングリッシュ・ノーザン・フィルハーモニア/ダニエル)
ウォルトン,ダニエル,イギリス・ノーザン・フィルハーモニア

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※アフィリエイトリンクについて

2019年04月03日 | Weblog
タワレコ消去以来アフィリンクは長いこと休止してましたが、閉鎖されたホームページへのアイコン画像が失われ画面上に文字しか出なくなったので、あくまで賑やかしでアマゾンリンクを載せることにしました。ちなみに登録はしてますが振込先はたしかもう無かったと思うので儲かるわけがありません。というか普通にやってて儲かってる人いるのか?Amazonなので在庫なしでも出ますし、当座の情報なのでリンク切れも予想されます。スマホアプリから簡単に貼れるのと、最近は新しい盤を取り上げるためやってるので、じき飽きたらやめるでしょう。
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グラズノフ:5つのノヴェレッテ

2019年04月03日 | グラズノフ

ファイン・アーツ四重奏団(naxos)CD

奇をてらわず民族味もなく安定した大人の演奏なのだが、装飾音のひっかけたような指回しと震えるヴィブラートに懐かしい味がある。「現代の演奏だからアレコレ」という悪印象なく正攻法で楽しめる。naxos新録音の演奏家にしては固いデジタル味がないのは良い(録音のせいもあるかもしれない)。もちろん国民楽派グラズノフを求めるなら誇張が足りない、物足りないと思うが、普通の人がロシアの有名室内楽ということで教養として聴くには良いだろう。旋律だけでも十分な曲だ。4楽章はファーストのアタックが強くテンポを少しずらして、さらに音色でワルツを演出していて特筆すべきところだ。ただし細かい揺らしがないのでワルツには聴こえない。。5楽章フィナーレは余りに落ち着いてしまった。

グラズノフ:5つのノヴェレッテ
グラズノフ,ナサニエル・ローゼン(Vc.),ファイン・アーツ四重奏団


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ウォルトン:映画音楽「スピットファイア」前奏曲とフーガ

2019年04月02日 | イギリス
ダニエル指揮イングリッシュ・ノーザン・フィル(naxos)CD

戦時中戦意高揚映画に精を出した結果えらく名声が高まったウォルトン第二次出世作で、映画の音楽に注目が集まることはあまりなかった時代に、演奏会用ピースにまとめコンサートにかけることになったことで知られる。ジョン・ウィリアムズの映画音楽を聴いてる気になる人もいるだろうし、ヴォーン・ウィリアムズの映画音楽と似たもの(本来作風にはないもの)を見出す人もいるかもしれない。完全なるオーダーメイド作品なので、前奏曲のとくに第二主題はエルガーを意識した戴冠式行進曲と似通っているし、フーガは「注文通り」細かく書き込まれ、また劇伴として甘甘のメロディも要素に入れながら、うまくまとめている。書法の熟達ぶりはわかるが私はこの曲は空疎で戦前ないし戦後のいずれのウォルトンらしさも少なく、あまり好きではない。演奏はとてもうまく紹介盤として向いている。
 
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ウォルトン:ピアノ四重奏曲

2019年04月02日 | イギリス
マッケイブ(P)イギリス四重奏団(meridian)CD

弦楽が弱い。なんだか昔の学生のような生硬さがある。スコアを活かし切れていない。萎縮して、ただ音にしている感がある。テンポも全体的にかなり落としているのでこの曲の若々しさが損なわれ、疾走感の欲しい場面もある。このテンポならではのマッケイブのピアノの美しさは、とくに3楽章で発揮されている。イギリス近代音楽をよく知っている人の演奏だ。ウォルトン若書きの単純さの中にも、ここまで周到なリリシズムが書き込まれているのか、と思わせるところもあるが、改訂版だからかもしれない。
 
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グラズノフ:弦楽五重奏曲

2019年04月02日 | グラズノフ

ファイン・アーツ四重奏団、ローゼン(Vc)(naxos)CD

知グラズノフ派には人気の高い曲で、保守的な作風だが弦楽四重奏曲よりも大規模作品を志向して書かれておりスケール感は同じように交響曲的と言われたチャイコフスキーよりもあり、構成感はじつにがっちりして、それが冗長に感じられることはあるのだが、得意のメロディに走ることも民族書法を前面に出すこともなく(3楽章終盤のフラジオは民族音楽を抽象的に昇華した非常に効果的なところだ)、新古典主義へ向かうようなメカニカルな安定感が印象的だ。4楽章はいきなりのメロディで、先輩作曲家のものや2番カルテットあたりの古風な趣があるが、その2番カルテット終楽章で見られた新しげな和声が同じように、より拡大されて出てくる。展開は5番のフィナーレにも通じる。振り返り3楽章の第一主題もカルテットに出てきたものに似ており、聴きこむと共通点をより多く見いだせるが、ここではさらに華やかに、重厚壮大に組みあがっていく。これはもう室内楽ではないのかもしれない。演奏はそつなく達者だが酷使されるファーストがショスタコーヴィチ四重奏団のファーストの音に非常に似せてきている。これはグラズノフの作品にはメリットかもしれない。ただ、ちょっと非力に聴こえる人もいるかも(録音用セッティングのせいのような気も)。

String Quintet in A Major, Op. 39: I. Allegro
Nathaniel Rosen


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ジオシティーズ終わりました(ホームページ閉鎖)

2019年04月01日 | Weblog

ご愛顧ありがとうございました。Google検索で出ないのは悲しいですが、ブログは音楽だけで4箇所ありますので、よろしければ。クラシックはこことまとめ(fc2)とサイン(fc2)です。左欄リンク参照。

令和元年の決定した日に。


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