長月の海。

昨日の午後。仕事で外出。

その途中、海岸で車を停めた。





9月の海。

綺麗だ。

透明な水面に小さな魚の群れ。

鼻腔に満ちる潮の香りに、懐かしさを感じた。

潮に香りが戻るまでに、もう秋が近づいているのか。

それとも、潮の香りに気づくまでに、僕が正常に戻ったのか。

昨日、厄介な仕事が、ヤマを越えた。

緊張か解けたためか、その途端、強烈な眠気が襲ってきた。

9月は長月（ながつき）という。

長く深い眠りにつきたい。

誰にも邪魔されず、この静かな海のように、ゆっくりと眠りたい。

長月の海を眺めながら、一人、僕はそんなことを考えた。

ぼんやりと。

ぼんやりと。