先日、居酒屋に行った。
週末だったからか、ちょっと混雑していて、仲間と入り口でしばらくの間、順番待ちをしていた。
その入り口に、一人の女の子がへたり込んで座っていた。どうも、精算を済ませて出て来たようで、
一緒に呑んでいた女友達らしい集団は、彼女から少し離れたところで輪になって雑談をしている。
「飲んだの?」
手持無沙汰だったので、話しかけてみた(笑)
すると、女の子は頭を上げて声が聞こえてきた方、つまり僕へ顔を向けた。
「はぁ~い、飲みましたぁ~」
完全に酔っぱらっていた。
若い。
どうみても僕よりひと回り・・・いや、ふた回りは、若い。
「若いんだから、深酒しちゃ、いかんよ」
ちょっと年上ぶって(というか確実に年上なのだが)、僕がそう言うと、
「いや、もう~若くないっすよ~」
と、へたり込んだ女の子は答えた。ベロベロで。
「自分、何歳?」
思わず、そう尋ねた。すると、
「えへへへ・・・18ですぅ~」
コラ!
「えへへへ、でも大学生ですから」
「O大(地元の大学)か?」
僕がそう尋ねると、女の子はこう答えた。
「いや、J学院ですぅ~」
それは広島市内の大学で、お嬢様大学として有名な大学だった。
「J学院!?ウソだろ~?」
「ホントっすよ~、電車で通ってるんですよぉ~、毎日毎日大変っすよ~」
尾道から広島市内のJ学院までは、片道100kmはある。
理由はそれぞれあるにしても、広島や岡山といった100km程度離れた街の学校に電車で通う学生は、
この街には意外と多い。たぶん、彼女の言っていることは本当なのだろう。
しかし・・・彼女がJ学院大学の学生だなんて・・・。
僕らが学生の頃のJ学院の女子大生といえば、清楚でおしとやかで可憐なイメージだったのだが。
今、目の前のJ学院は、茶髪は仕方ないとしても、そこらへんのおバカタレントのような今風の化粧を
して、ジーンズを穿いた両脚をおっぴろげて放り投げるような格好でへたり込んでいる。もちろん片手
に携帯を大事そうに持って。
時代が変わったのか、それともJ学院が変わったのか・・・。
「俺、K大だったんだよ」
脚をおっぴろげたJ学院に向かって、僕はそう言った。
「え!?そうなんすかぁ~」
J学院の表情が変わった。
「あぁ、俺は向こうに住んでたけど、横川にね」
「へぇ~」
僕が卒業した大学は、J学院の近くだった。
太田川という広島を流れる川を挟んで対岸同士の大学だった。
「もっとも、オネエちゃんが生まれた頃だけどな」
「え・・・今、何歳なんすか?」
「41。もうすぐ42」
なんの躊躇もなく、僕はそう答えた。
こんなふた回りも年下の女性に見栄を張ったり嘘をつく必要など、ない。
「え~、そうなんすかぁ~、見えないっすよ~」
別に、驚かない。
こんなセリフ、僕はもう聞き飽きるくらいに耳にしてきた。
丸坊主で、薄いグラサンをかけて、髭を生やしてりゃ、そりゃあ年齢相応に見えないだろう。
40半ばか?50代か??いったい何歳に見えるんだ???
もう、覚悟は出来てるぞ(笑)
すると、J学院の口から意外な言葉が飛び出した。
「いやぁ~、どう見ても、36歳っすよ~」
その時、僕はハンチング帽を逆に被っていた。そして髭も長くなり過ぎたので昼間に短くカット
したばかりだった。服は普通のジーンズを穿いてTシャツの上にジレを羽織っていた。
それらを差し引きしたとしても・・・なんなんだ、その36歳っていう微妙な年齢は (-_-;)
「いやぁ~、36歳っすよ~」
J学院はそう繰り返す。たまにゲップをしながら。
「そういう時はなぁ~、“30代にしか見えない”とか、そういう言い方をしろよ、その方が嬉しいんだよ、
オジさんは」
僕が懇切丁寧にそうアドバイスすると、
「そうっすねぇ~、勉強になりましたぁ~、でも・・・36歳っすよ~」
J学院は、笑いながらそう言った。
そうこうするうちに、僕らの席の準備ができたらしく、僕は仲間たちと一緒に店内に入った。
入る間際、僕は振り返り、
「いいか、今度からは“30代”って言うんだぞ」
と、J学院にもう一度念押しした。すると、
「わかりましたぁ~、でも・・・36歳っすよ~」
と言いながら、僕に手を振って、J学院は女友達の輪の中に戻っていった。
それ以来、「36歳っすよ~」というヘロヘロの言葉が、僕の頭の中でグルグルグルグルと回っている(笑)
週末だったからか、ちょっと混雑していて、仲間と入り口でしばらくの間、順番待ちをしていた。
その入り口に、一人の女の子がへたり込んで座っていた。どうも、精算を済ませて出て来たようで、
一緒に呑んでいた女友達らしい集団は、彼女から少し離れたところで輪になって雑談をしている。
「飲んだの?」
手持無沙汰だったので、話しかけてみた(笑)
すると、女の子は頭を上げて声が聞こえてきた方、つまり僕へ顔を向けた。
「はぁ~い、飲みましたぁ~」
完全に酔っぱらっていた。
若い。
どうみても僕よりひと回り・・・いや、ふた回りは、若い。
「若いんだから、深酒しちゃ、いかんよ」
ちょっと年上ぶって(というか確実に年上なのだが)、僕がそう言うと、
「いや、もう~若くないっすよ~」
と、へたり込んだ女の子は答えた。ベロベロで。
「自分、何歳?」
思わず、そう尋ねた。すると、
「えへへへ・・・18ですぅ~」
コラ!
「えへへへ、でも大学生ですから」
「O大(地元の大学)か?」
僕がそう尋ねると、女の子はこう答えた。
「いや、J学院ですぅ~」
それは広島市内の大学で、お嬢様大学として有名な大学だった。
「J学院!?ウソだろ~?」
「ホントっすよ~、電車で通ってるんですよぉ~、毎日毎日大変っすよ~」
尾道から広島市内のJ学院までは、片道100kmはある。
理由はそれぞれあるにしても、広島や岡山といった100km程度離れた街の学校に電車で通う学生は、
この街には意外と多い。たぶん、彼女の言っていることは本当なのだろう。
しかし・・・彼女がJ学院大学の学生だなんて・・・。
僕らが学生の頃のJ学院の女子大生といえば、清楚でおしとやかで可憐なイメージだったのだが。
今、目の前のJ学院は、茶髪は仕方ないとしても、そこらへんのおバカタレントのような今風の化粧を
して、ジーンズを穿いた両脚をおっぴろげて放り投げるような格好でへたり込んでいる。もちろん片手
に携帯を大事そうに持って。
時代が変わったのか、それともJ学院が変わったのか・・・。
「俺、K大だったんだよ」
脚をおっぴろげたJ学院に向かって、僕はそう言った。
「え!?そうなんすかぁ~」
J学院の表情が変わった。
「あぁ、俺は向こうに住んでたけど、横川にね」
「へぇ~」
僕が卒業した大学は、J学院の近くだった。
太田川という広島を流れる川を挟んで対岸同士の大学だった。
「もっとも、オネエちゃんが生まれた頃だけどな」
「え・・・今、何歳なんすか?」
「41。もうすぐ42」
なんの躊躇もなく、僕はそう答えた。
こんなふた回りも年下の女性に見栄を張ったり嘘をつく必要など、ない。
「え~、そうなんすかぁ~、見えないっすよ~」
別に、驚かない。
こんなセリフ、僕はもう聞き飽きるくらいに耳にしてきた。
丸坊主で、薄いグラサンをかけて、髭を生やしてりゃ、そりゃあ年齢相応に見えないだろう。
40半ばか?50代か??いったい何歳に見えるんだ???
もう、覚悟は出来てるぞ(笑)
すると、J学院の口から意外な言葉が飛び出した。
「いやぁ~、どう見ても、36歳っすよ~」
その時、僕はハンチング帽を逆に被っていた。そして髭も長くなり過ぎたので昼間に短くカット
したばかりだった。服は普通のジーンズを穿いてTシャツの上にジレを羽織っていた。
それらを差し引きしたとしても・・・なんなんだ、その36歳っていう微妙な年齢は (-_-;)
「いやぁ~、36歳っすよ~」
J学院はそう繰り返す。たまにゲップをしながら。
「そういう時はなぁ~、“30代にしか見えない”とか、そういう言い方をしろよ、その方が嬉しいんだよ、
オジさんは」
僕が懇切丁寧にそうアドバイスすると、
「そうっすねぇ~、勉強になりましたぁ~、でも・・・36歳っすよ~」
J学院は、笑いながらそう言った。
そうこうするうちに、僕らの席の準備ができたらしく、僕は仲間たちと一緒に店内に入った。
入る間際、僕は振り返り、
「いいか、今度からは“30代”って言うんだぞ」
と、J学院にもう一度念押しした。すると、
「わかりましたぁ~、でも・・・36歳っすよ~」
と言いながら、僕に手を振って、J学院は女友達の輪の中に戻っていった。
それ以来、「36歳っすよ~」というヘロヘロの言葉が、僕の頭の中でグルグルグルグルと回っている(笑)