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太古よりカニャリ・インカと人が住み栄える街、エクアドル:クエンカ

2011-07-15 23:55:22 | 街たち
「世界ふれあい街歩き」エクアドル第二の都市クエンカ。
標高2500メートルの高地に、1万年以上も前から人が住み、先住民族カニャリについでインカ帝国、そしてスペインが征服した、人を惹き付ける力の強い土地なのだろう。

今夜は、満月。
先住民族カニャリの創作神話では、彼らの祖先は夜空に浮かぶ月の化身である”ヘビ”とされている。
月とヘビの関連は、思いつかない。
月の満ち欠けをみて、満腹のヘビが空腹になる様子を連想したのか?
月の化身であるカニャリは、よほど月に執着していたのだろう、月に関しての天文分野では相当進んでいたという。
後にカニャリにかわってクエンカを支配したインカ帝国は、真逆の太陽を信仰し、太陽に関しての天文を極めていた。
そこでインカは、カニャリの月天文の先進性を認め拝借して、より高度な天文学を展開していく。
また、カニャリのユニークな文化面に、人体をモチーフにした土器の制作がある。
独創性があり、何しろ可愛くユーモアに溢れている。
初めて知った先住民族カニャリに、とても興味を抱いた。
月の化身ヘビの民族は、かなりの夢想家でもあり科学者・芸術家だ。
やはり、月から創造エネルギーを受け取っていたのだろう。

クエンカは、古くからの伝統が今も脈々と受け継がれている。
家族のあり方にしろ、仕事に対する誇りにしても。
自分たちの文化に自信を持っている。
ヤギを引き連れてのミルク売り、料理人、鍛冶屋、みんな生き生きと顔を輝かせながら自分の仕事をこなす。
仕事、成すべき事柄に自身と誇りを持つことは、生きている意味を実感できる幸せなこと。
豊かなクエンカの人々。

では、グルメ。
クエンカの主食は、トウモロコシ。
そのレパートリーは、200種類を超えるそうだ。
”モテ・ピージョ”は、乾燥トウモロコシの実を高地で気圧が低い為に3時間かけて煮る。
煮あがったトウモロコシを塩を加えて油で炒め、卵とネギとミルクを加えて加熱で卵とじのようなもの。
”ウミータス”は、砕いたトウモロコシにチーズとまぜ、トウモロコシの葉で包んで蒸す、ちまきみたいなもの。
”トースタッド”は、乾燥実をラードで炒めて焙煎したもの。
素朴だが、手間のかかったおなかに優しい郷土料理であった。

過去には理不尽な出来事もあったクエンカ、それでもみんな健気に明るく生きている。
修道女は薬草ドリンクをつくり、鍛冶屋の妻はウミータスを製造販売、パナマ帽を作る人修理する人・・・
たくましさに、脱帽だ。