広く散布されてしまったものは、取り除くことが出来るのか?

かくも長きに渡って撒き散らされているあの物質は、果たして取り除くことが出来るのだろうか?
木々に囲まれ土とともに過ごしていると、途方もないことに、思わず眩暈がしてしまう。
木を伐採しなくても、枝を払い葉を落とす。
落ち葉となって堆積して、半ば腐葉土と化した土の表層を数センチ取り除いたときに溜まるもの。
既に混ぜ込まれてしまった田畑の土。
川底や湖底の堆積物。
芝生。
側溝。
膨大な汚染物質の山また山。
労力の確保、急がなくては行かない処置時間。
莫大になるはずの除染費とその確保。
お金の動くところに群がる不埒な輩。
その間にも、刻々と蝕まれる生命。
事の重大さを知っていながら、既得権益の保持にしがみつく者たちが、地上に生きる生命の命運を握って放さない。
５年後、あっという間に来てしまうだろう、その時にあの物質の仕業が表面化して、うろたえても始まらないのに。
人権とか、エコロジーとか、動物愛護だとか、いろいろなお題目をもっともらしく唱える風潮があるが、大方まやかしにしか過ぎない。
それでも、より地球上生きとし生けるものたちが地球の命が果てるまで、その生きる可能性を奪わないためにも、最も災厄をもたらす種族の人類は、変われないものだろうか?
しかし、人類の足跡は、全ての可能性を全否定しにかかっている。
もし仮に、世界中に自分の子や孫が１０人いて、また、愛すべきペットのねこや犬達がいて、その子や孫やペットが安心してこの地上に暮らしていける未来を作るためには、何をなすべきか考えてみるといい。
遠すぎる未来はしっくりしないだろうから、思い描きやすい近い未来を想像するのだ。
さあ、どうだろう。
未来は、明るいか?
いま大きな困難がふりかかり、目の前に立ちはだかっている。
この困難の壁が、更に厚く高くならないために、出来うる限りのことをしよう。
これからより濃縮される、厄介至極なあの物質の多さに負けないで。