ねこの通り道 18/9/2013
ピンクの舌 18/9/2013
夕方、玄関を開けて外に出ると、その一直線上にねこが待ち構えていた。
目と目が合う。
「ねこ!」とこちらが叫ぶと、ねこはいつもの引きつったような「っあっ」と鳴きながらすたすた向かって駆けて来る。
でも、私は旧母屋の玄関にある据え置き電話に出なければならない。
ねこを振り切り電話に出る。
話をしている間中、足元でうろうろしながら「わをなを、ごあん、おああああん」としゃべり続けているではないか。
用件が終わって、ようやくねこの要求に応えられるようになった。
「ごはんなのね、ごはんがほしいのね」と話しかけながらエサ置き場に向かう。
ふと見ると、ねこの茶碗はまだ食べ終えたばかりを示す唾液で濡れている。
先に誰かがねこにエサをあげたようだが、どうやらちょっと足りなかったらしい。
五口分くらいパラパラとエサを入れると、ねこは待ってましたとばかりに食らいつく。
だいぶはらぺこだったようだ。
確か日中は、あちこち場所を変えながら、ずっと寝ていたはずなのに。
まあいい、ともかく、おなかが空くということは、元気の証拠。
一心不乱に食べるねこの姿は、いつ見ても気持ちいい。
明日もまた、はらぺこねこは、私に突進してくるだろう。
いいさ、いつでもおいでよ、受けて立とう。
うとうとねこ 18/9/2013