九重親方の訃報を聞いたのは、７月３１日の夜でした。
出先の駐車場にいた時、ラインニュースが入り、
九重親方の突然の他界報道に、大変びっくりしました。
長年の相撲ファンであるにもかかわらず、
私は、九重親方が膵臓がんで闘病生活を送られておられた事を、
全く存じませんでした。
６１歳というお若さでした。
元横綱千代の富士は、大鵬、北の湖に続く道産子の大横綱。
お相撲さんにしては小柄（１８３センチ、１２５キロ）で細身ながらも、
引き締まった筋肉質の体つきは見事でした。
精悍な顔つきとキリッとした鋭い眼光から、「ウルフ」という愛称で親しまれました。
小柄ながらもスピード感あふれる対決で、
大きな力士を豪快な上手投げで勝ち星をあげる人気力士でした。
５３連勝を記録し、「千代の富士時代」を築き上げました（歴代３位）。
参）双葉山（６９連勝）、白鵬（６３連勝）。
昭和から平成にかけての角界のプリンス・千代の富士が、
９１年夏場所に若手力士の貴花田（後の横綱貴乃花）に敗れ、
「体力の限界」との言葉を残して現役引退を表明された時は、
私も感極まってもらい泣き致しました。
身体の限界を超えてまで、ひたすら頑張り続けてこられたのでしょう。
昨年、２０１５年５月３１日に還暦土俵入りをご披露下さいました。
露払いに日馬富士・太刀持ちに白鵬という現役横綱を両脇にかかえ、
豪華な還暦土俵入りとなりました。
その様子を拝見していました私は、
まさかその後すぐに膵臓がんが見つかるだなんて思ってもいませんでした。
千代の富士には、内助の功で支えて下さる素晴らしい奥様と、
お嬢様２人にご子息１人の３人のお子様がおられます。
その下にもう１人のお嬢様がおられましたが、
生後４ヶ月でSIDS（乳幼児突然死症候群）で亡くなられています。
その直後の７月場所で、首に数珠を掛けて場所入り、
優勝決定戦にて横綱北勝海を下し、
幼くして旅立った可愛い盛りのお嬢様に優勝の大輪を捧げました。
ファンの一人として、とても感動致しました。
何事にも誠心誠意、一生懸命に取り組まれて来られた九重親方、
角界のみならず、
相撲ファンのみならず、
多くの方々に与えてきた感動や感銘は多々ございます。
謹んでお悔やみ申し上げます。
ーｂｙ事務長ー
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