RE・かの世界この世界
さて、困った。
与一さんが加わって意気軒高な『黄泉の国を目指す神々の会』なんだけれど、オノコロ島で発足した時は神々はイザナミさんとヒルデの二人に人間のにわたしが付いているだけだったが、今や人間の方が多い。名称を変えた方がいいかもしれない。それに……
桃太郎二号:「お、おれだって神さまだぞ、なあ、イザナギのおっさん(;'∀')?」
イザナギ:「たしかに桃太郎は、大吉備津日子命のモデルだけどねぇ……」
ケイト:「おまえは二号だろーが」
桃太郎二号:「うっせー!」
イザナギ:「みんな和気あいあいとやってるわけですし、『黄泉の国を目指す会』ではどうでしょう?」
ケイト:「目指すと会の間に寂しさを感じるなあ」
イザナギ:「ああ、それなら『黄泉の国を目指す有志の会』では」
ケイト:「町内会の慰安旅行みたいだ」
タングニョ-スト:「迫力がありませんね」
ヒルデ:「ならば『ゃ』を入れよう」
みんな:『や』?
ヒルデ:「いや、小文字の『ゃ』だ」
みんな:「小文字の『ゃ』?」
雪舟ねずみ:「ああ『黄泉の国を目指す勇者の会』!」
みんな:「「「「おお!」」」」
桃太郎二号:「かっこよくなった!」
テル(わたし):「いや、そのことだけじゃなくて、これから中国山地を超えるための足がなあ」
雪舟ねずみ:「あ、その件につきましてはご案じ無く、市役所の要請もあって黄泉平坂まで行く許可は出ています」
テル:「いいのかい?」
雪舟ねずみ:「はい、岡山も島根も神話の国、まるっとこみこみで売り出そうと言う方針になりました」
与一:「わたしは馬で行きます、壇ノ浦から乗ってきた馬がありますから」
ヒルデ:「馬……どこに繋いでおられた?」
与一:「放してあります、近くに繋いでいては追手に知られてしまいますので。那須の里で慣らした馬ですので、呼べばやってきます」
ピーーー
与一が口笛を吹くと、琵琶股斑模様(びわまたまだらもよう)の見事な馬が駆けてきた。
与一:「これは……わたしの馬ではない!?」
みんな:「「「「ええ」」」」
ヒルデ:「そう言えば、屋島で扇を落とした時の馬は栗毛であったように思うぞ」
与一:「どういうことだ?」
みんなが訝しんでいると、薮の中で「それについては、わたしが説明するピョン!」と声がした。
与一:「なに奴!?」
桃太郎二号:「あ、おめえは!?」
ケイト:「因幡の白兎!」
因幡の白兎:「いま説明するから、その物騒なものは仕舞ってよ」
与一:「仕舞うかどうかは、話し次第だ、人の馬をなんとした!?」
我々には温厚に対応した与一だが、人が変わったように尖がっている。やはり武士、武士の表道具と言っていい馬にはきびしいのだろう。
因幡の白兎:「ある神さまに頼まれたんだ……」
与一:「ある神さまだと?」
因幡の白兎:「じつは……」
因幡の白兎の話は、意外な、でも、ちょっと泣かせる話だった……。
☆ ステータス
HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:16 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト) 思念爆弾
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ シリンダーの幼体 82回目で1/12サイズの人形に擬態
ペギー 異世界の万屋
ユーリア ヘルム島の少女
その他 フギンとムニン(デミゴッドブルグのホテルのオーナー夫婦)
日本神話の神と人物 イザナギ イザナミ 那須与一 桃太郎 因幡の白兎 雪舟ねずみ