『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

鈍い光でも暖かく穏やかな秋の午後です。

2014-10-05 15:06:10 | Weblog

            

                              

   あなた 

 願いが叶って、弱弱しいお陽さんですが、顔をだしてくれました。

 きっと可哀想と思って私の願い…聞いてくれたと感謝です。

 秋の季節は、やはりもの悲しいのが似合います。

 


 やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
                           恵慶法師 
 好きな短歌(うた)です。

 


 秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、

  三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、

  いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、

  はた言ふべきにあらず。
              清少納言 枕草子 秋の冒頭部分です。

  この本だけは読みました。

  清少納言が好きでした。

 

 定子に尽くす姿に涙したものです。まだ学生で若かった。

 素直に本の中の主人公になれた昔のじぶんが愛おしい…

 そして、平安の時代に限りなく魅力を感じたものです。

 
 あなた

 鈍い光でも暖かく穏やかな秋の午後です。