『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

 時雨が降り、よりいっそう秋の深さが身に沁みます。

2014-10-14 14:41:40 | Weblog

        

              
                   生垣のオンコを切ってしまったので、寒い感じです。              

   あなた

 時雨が降り、よりいっそう秋の深さが身に沁みます。

 風がないので糸をひいた様に細く降る雨…微かに淋しさが、たゆとうて…

 寒々とした寂寞感に侵されます。

 心まで寒くなっては…いけないって、判りつつも…

 終日この時雨と付き合わなければ?と思うと…やっぱり憂鬱…

 「ニシキギ」の葉っぱ雨に濡れて、より赫さが増して!きれい。

 こんな日は、何もする気がなく、ただボンヤリと庭を眺めて… 

 おおきな溜め息…

 逢うことなど、絶対にないって思いながら、過ぎ去った日々を

 思い出し、前に踏み出せないで、躊躇してしまう、憶病者。

 

 

 

 さびしさに やどをたちいでて ながむれば 

            いずこもおなじ あきのゆうぐれ   良暹法師

 (寂しくて家を出てあたりを眺めても、秋の夕暮れの寂しさはどこも同じである…) 

 
 きりぎりす なくやしもよの さむしろに 

           ころもかたしき ひとりかもねむ   後京極摂政前太政大臣  

 (こおろぎが鳴いている霜降るこの寒い夜に、むしろの上に衣の片袖を敷いて、

 わたしはひとり寂しく寝るのだろうか。)

 百人一首よりニ首…何れも秋の、もの淋しさを詠んだもの…

 
 あなた

 時間的にはまだ、日暮れ時ではないのに随分昏い…

 雨は依然として、降ってます。