皆で担いだ「菅義偉神輿」を落とした責任
「菅義偉神輿」を落とし「新しい神輿を担ごう」と
若手自民党議員から声が上がった。と一般的に言われているが、
そのたてた声を操ったフィクサーは誰だ。
10月に入ってから政権交代があり、
タイミングよくコロナの感染も徐々にではあるが終息に向けて舵を切ってきたようだ。
14日には衆院解散、19日公示、31日投開票と慌ただしい日々が続いていくだろう。
岸田政権が発足したが、組閣人事を見ても、公約に基づく所信表明を見ても、
かわり映えがしない。
「モリカケ問題」を霧の中に葬り、
コロナ禍を放り投げるような形で退いた、安倍長期政権の後、
コロナ禍の真っ最中、
その苦労をそっくり受け継ぐように貧乏くじを引き、
開催反対のオリパラを無観客で強行開催。
答弁や記者会見などの稚拙さの実を取り上げて、
メディアや野党のあげ足取りの論調に火をつけたのは、
実は自民党ではなかったのか。
「コロナ禍対策に専念したい」というような菅義偉前総理の取って付けたような理由を
真に受けたわけでもないのに、菅政権のもとでは衆院選は勝利できないと、
皆で担いだ菅義偉神輿を、今度は神輿の担ぎ棒を皆で放り投げてしまう。
皆で担ぎあげた菅神輿なら、祭り(政)を維持し成功させるのも、担ぎ手の責任と思うのだが、
担いだ時の「説明責任」も果たさずに、全ての責任を菅義偉氏に押し付け、
自己保身の選挙運動に走る姿は、
まさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する永田町の住人たちの
おぞましさと浅ましさを見る思いである。
「俺たちが担ぎ上げた菅義偉神輿」なんだから、
「担ぎ上げた者として、沈みかけた神輿をもう一度力を合わせて担ぎ上げようではないか」と
声を大にして叫ぶ者はひとりもいなかったのかと、非常に残念に思う。
菅政権の足跡をたどれば
① ワクチン接種率世界トップクラスの水準へ
② 2050年脱炭素社会を実現
③ 安全保障上重要な土地の利用を制限する法律成立
④ 最低賃金過去最高の引き上げ
⑤ アメリカによる福島県産の米や牛肉など日本産食品の輸入規制を全面廃棄
ほかにもある。携帯電話料金の大幅値下げ 、 不妊治療の保険適用へ、デジタル庁発足
福島第一原発処理水問題に結論(突然の結論で、特に漁業関係者からの反対も多いが、
安倍政権が避けていた問題の糸口に方向付けをした点で評価したい) 。
日本 学術会議の会員候補者6人を任命しなかったことも、
日本学術会議という組織の意義について一石を投じたと思われますが、
説明責任が不足していたという欠点はあります。
菅政権の成り行きをもう少し、温かい目で見守り、「守り、育てる」という姿勢があれば、
菅政権の行方も、
もう少し評価されるような政策の展開を予測することも出来たのではないかと
少し残念な気がしています。
さて、「岸田政権」。
「新しい資本主義」とか、「成長と分配の好循環」などと、
ちょっと意味の解らない言葉が目立ちすぎます。
「(岸田)首相、最大争点はコロナ対策」(朝日新聞10/15一面サブタイトル)を謳い、
「この夏の2倍程度の感染力に対応可能な医療体制を作っていく」と言っているが、
それはそれで結構なことではあるが、
現在「コロナウイルス」は急激にその勢いを失くしています。
重点政策には違いないが、経済の立て直しを第一に挙げてもよいのではないか。
ここはまず、「成長の果実が幅広く行き渡る『成長と配分の好循環』を実現する」という
『未来選択選挙』の成り行きを見守りたい。
(昨日の風 今日の風№124) (2021.10.15記)
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