残余のリスク
海際の小さな市町村に設置された原子力発電が、設置場所の周辺に増設されていく事情を、
「原発銀座」、「原発依存症」と揶揄(やゆ)さるれ原因であることを⑤、⑥で述べました。
福島第一原発の事故で私たちが見せられたものは、「安全神話」の崩壊である。
モンスターに変容した原子炉は、人間が関与することを徹底的に拒絶し、
専門家さえ事故終結の予測を立てることができない。
2006年9月原子力安全委員会は、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の中で、
「残余のリスク」を次のように述べています。
(原文は専門用語が多く、理解しずらいので要約します)
どんなに大きな地震を想定し、耐震設計しても、
それを超えるような地震動に襲われる危険性は否定できない。
施設に重大な損傷事故が起き、大量の放射線物質が放散され、
その結果、
周辺住民に対して放射線被ばくによる災害を起こす危険性(リスク)がある。
つまり、どんなに安全を心掛けても、「残余のリスク」は避けられないから、
このリスクを最小限度に抑える努力をしなければならない、と指針で述べています。
国が「安全神話」を強調する一方で、
地震動については、その限りではないと、
安全神話を否定している現実があり、
実際に福島第一原発の事故は、
「残余のリスク」をそのまま物語る展開となりました。
(つづく)
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