雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

脱原発に向けて⑤ 原発依存症(2)

2011-06-21 21:08:38 | つれづれ日記

 原発依存症(2)

  「原発マネー」が奔流のように流れ込み、

   双葉町を例にとれば、1978、79年に5、6号機が運転を開始し、

  1983年のピーク時の原発関連固定資産税だけでも約18億円にもなり、

  当時の双葉町の歳入総額33億円の54%にも達した。

  町は下水道や道路整備、ハコ物建設に巨額の税を投入した。

  巨大な原子力産業に携わる人も増え、いつしか冬期の出稼ぎもなくなり、

  「どんどん生活が良くなり」、「原発から饅頭と飴玉をたっぷりもらった」と、当時を振り返る。

  だが、運転開始から10年もたてば、原発施設は老朽化し、

  それに伴って固定資産税は激減し、期限付きの交付金も減ってくる。

 

  「原発バブルの崩壊」である。

 

  しかし、タガの緩んだ財政の立て直しは容易ではない。

  豊かにしてくれた「原発マネー」が激減し、

  早期健全化団体にまで追い込まれた双葉町は、

  「第二の夕張」(財政再生団体)寸前まで、財政が逼迫(ひっぱく)する。

 

  夢よもう一度。

  7、8号機建設の容認である。

  これにより、毎年9億8千万円、4年間で39億2千万円の

  電源立地等初期対策交付金を手にすることになる。

  清水修司・福島大副学長(財政学)は言う。

  「どの地域も初めは原発をてこに地域を発展させたいと願う。

  しかし、産業の乏しい過疎地に押し寄せる原発マネーはあまりに巨額」で、

  原発依存症からの脱皮は容易ではない。

                                                       (つづく)

※ 早期健全化団体:自治体財政の健全さをはかる4指標のいずれかが、一定値を超えると指定される。

  財政破綻のイエローカードにである。これは、財政破綻の一歩手前にあたる。借金返済のための財政健全化

  計画を作り、外部の財務監査を受けなければならない。自治体財政健全化法の施工で2008年度決算から

  適用されるようになった。さらに財政の状態の逼迫(ひっぱく)してしまえば、北海道・夕張市が指摘された「財

  再建団体」になってしまう。レッドカードということになる。

                                    (朝日新聞キーワードの解説を参考に手を加えた)

 

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