漆黒の天空のもとの荒れた海と床面に影の落ちた光差す空間では明らかに差異がある。分断された時空と接合した景には、現世と来世が必ずや一つの線上にあるという想定が内在している。
紙状の形態は床面に直立しているという点から人物を想起させ、感情移入に導く。
彼らは、嵐の海を危惧しているのか、あるいは難破船から新しく冥府にやってきたのかは不明である。複数の擬人化された紙状のものの心情が、不安なのか安堵(諦念)なのかを知る術はない。
『嵐の装い』これは難破船(辛い生活)から冥府にやってきた者たちの新しい身支度、死に装束かもしれない。
(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)
そこでゆつくりとどまるために
本部まででも乗つた方がいい
今日ならわたくしだつて
馬車に乗れないわけではない
(あいまいな思惟の蛍光
きつといつでもかうなのだ)
もう馬車がうごいてゐる
(これがじつにいゝことだ
どうしようかと考へてゐるひまに
それが過ぎて滅くなるといふこと)
☆翻(作り変え)部(区分けする)、常に法(神仏の教え)がある。
経(常)に化(教え導き)、魔(人を惑わすこと)の赦(罪や過ちを許す)。
常に詞(ことば)は異(別)の景(様子)を交える。
魔(人を惑わす)の赦(罪や過ちを許す)の講(話)は、禍(災難)を滅ぼす。
あの話をこうも突然にもちだされては、それもいちばん痛いところから、いちばん具合のわるいところから切りだされては、とてもたまったものではない。
「ぼくは、きみが酒場にいるんだとおもっていたよ」と、Kは言った。
☆突然やって来て、不利なところから始めるなんて。
「わたしはきみが酒場(死の入口付近)にいるんだと思った」と、Kは言った。