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インフレ懸念台頭、NY株大幅安ー

2005-02-23 10:48:57 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表


 NY原油4月先物相場が抵抗線のバレル50ドルを
あっさり突破したこと、NY為替相場ではドルが対ユーロで
1%、対円で1.3%それぞれ下げたことから、インフレ懸念が
一気に台頭、金利上昇期待からNY株式市場は
174ポイント1.6%大幅値下がりした。

 原油(WTI)相場は、OPEC総裁が、中国およびアジアでの
原油需要が第2四半期も堅調に推移すれば、減産の必要は
ないと発言、3月16日イランで開催予定のOPEC総会で
原油減産見送りを示唆したことが買い材料に使われた。

 ドル売りは、韓国中央銀行が、ドル価値の目減りを回避するために、
ドル以外の通貨のウエートを高めるとのレポートを発表したことが
材料に使われた。

 米インフレ懸念は、先週末発表された、1月の米生産者
物価指数(食料エネルギー除く)が0.8%上昇したことで
既に指摘されていたが、原油相場が50ドルを突破したことで
文字通り火に油を注いだ恰好になったようだ。

 原油相場の上昇はもともとドル安が背景にある。ドル安での
目減りを防ぐためにドル建て価格を産油国は引き上げる必要に
迫られるからだ。

 金相場がオンス6.90ドル値上りし、435.80ドルで取引を
終了したのもドル安の目減りを防ぐため避けて通れない
当然の道筋と見られている。

 米FRBは米資産からの逃避を利上げにより食い止めようと
米金融当局が、利上げスタンスを鮮明に出してくれば、
現在2.5%の短期目標金利を3%。3.5%、4.0%への
引き上げを余儀なくされるとの思惑から株が売られたようだ。

 原油相場が上げてうけにいっていたExxon Movil株も
2%下げた。米諮問委員会から痛み止め薬の市場復帰の
お墨つきを先週もらった薬品メーカーMerck株も早速
4.3%値下がりした。

 米経済雑誌Business Week最新2月28日号によれば、
年間利益4兆5,000億円の世界最大の薬品メーカー、
Phizer社がいよいよ大リストラに入るだろうと警告している。

 ドル安は、年初めには米国の双子の赤字を材料に
1ドル=101円、1ユーロ=1.39ドルまで進んでいた。
それがG7での人民元切り上げ材料後退とユーロ高
是正の流れで小休止していた。

 原油相場も供給不安を煽ってバレル55ドルまで
買いあがり、一転40ドルまで売り浴びせたあと、
2ケ月かけて上げたり下げたりしながら50ドルを
めざして回復してきていた。

 WTI(軽質油)相場は上げてもドバイ原油(中・重質油)
は比較的低位で落ちついていたがここへ来て、
ドバイ原油の東京原油スポット相場が過去最高を
突破しようとしている動きは見過ごせない。

 ドル安問題も韓国からの情報を一材料に動いたが、
底流に流れるドル資産離れ、ドルからユーロや
金へのシフトが背景にあることがはっきりしている。

 日本の鉄鋼メーカーが鉄鉱石の70%値上げを
受け入れたニュースも原油同様、中国のとどまる
ところをしらない爆発的需要増がもたらした
結果である。

 ドル安も原油高も急激な動きは誰も喜んで
いないだろうからいずれ落ちつきを取り戻すであろう。
しかし、ドル安への大きな流れが続く限り、
好むと好まざるとにかかわらず、インフレの足音は
我々日本人の足元にも忍び寄って来ているのであろう。

 インフレ懸念台頭、NY株大幅安。
やれライブドアやれ日本放送と日本では話題はつきないが、
世界のマスコミはどこも取り上げていない。しょせん
彼ら自身の問題であるからだろう。

 ひとりひとりの日本人にはそんな話を酒の肴にしている
ゆとりがないことだけははっきりしているのではなかろうか。(了)

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