学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表
相場の世界もしょせんは人間様が参加する
ゲームであり、心理的要素に大きく左右される。
水鳥の羽音に驚くという言葉があるが昨日の
NY株式相場にも言葉ぴったりの動きを見せた。
その証拠に、ドル安が一服し、原油相場が
小幅反落したこと、FOMCの2月会合の公表議事録に
サプライズなしとわかると、けろっとして、
マーケットに安心感が広まったようだ。
NYダウは下げた分の1/3戻しの60ポイント上げて
取引を終了した。
ドル安の材料に使われたのが、韓国が米ドルを
取り崩して他の通貨や金などへ振り向けるという話で
あった。
米財務省の調べによれば、2004年末時点で、
ドル建て資産残高は、日本は7,118億ドルが
ダントツの1位、ついで中国1,938億ドル、
英国1,637億ドル、カリブ海諸国地域694億ドル
と来て、5番目が韓国の690億ドルとなっている。
韓国の外貨保有高は2,000億ドルといわれているが、
その内の690億ドルを徐々にドルから他の通貨ないしは
金などにシフトすると韓国政府は1年前に発表していた
こともわかった。
中国がユーロや金へ資産を分散するという話も以前から
ある。人民元切り上げのニュースにも異常なほど神経質なのも
人民元切り上げ即ドル安との連想ゲームに使われ易いからだ。
日本は米国に首根っ子をしっかりと抑えられているから
ドル資産を米国から引き上げる話はいまのところないと
米国も安心している。しかし、中国は当てにならない。
いつ火種が再燃するかしれたものではない。
米国の双子の赤字が一朝一夕に改善しないことが
はっきりしているから、ことあるごとに、今回の韓国の
ような話は、ドル相場を下げたいときには、投機家は
「撒き餌」として、これからも、しばしば利用するであろう。
昨日のNY株価の1/3戻しには、FOMCの議事録が
果した役割の方が多いようだ。
NY株式市場はこのところインフレ過敏症になっている。
過敏症も米国はからだの中に双子の赤字という爆弾を
抱えている症状のひとつである蕁麻疹のようなものだろう。
インフレ懸念即利上げ加速観測が後退した背景には、
2月のFOMCの議事録の中で、①米国の金利は余りにも
低過ぎた、②追加利上げはその時々の状況次第である
との文言を見つけて「サプライズなし」とマーケットは
評価したことが挙げられる。
同じ日発表された、1月の消費者物価指数が、
予測の0.2%増に対し0.1%増、食料とエエルギーを除いた
コア指数が12月横並びの0.2%増にとどまったことも
インフレ懸念を鎮める効果があったようだ。
昨日の株安では、1月のコアの卸売物価指数が
0.8%増と発表されたこともインフレ懸念材料に
使われたが消費者物価指数の発表で薄められた
のであろう。
原油相場が4月先物WTI(軽質油)相場がバレル
25セント下げたこともつかの間の安心感を生んだようだ。
米国の双子の赤字のひとつである貿易赤字は
もともと米国が海外から大量に買物をした
結果である。米国民が食べ過ぎてくれから
世界の台所が回っていることも忘れてはなるまい。
双子のいまひとつの赤字の財政赤字の方も
特に9:11テロ事件以降加速化した国防費用が
増加した結果である。こちらの方は先日発表された
2005年の予算案でも減らす気配は全くない。
米国の「出血」は、日本7,100億ドル、中国1,900億ドルに
代表される「輸血」によって相殺されている。食べ過ぎは健康に
一番よくないが、米国が食べ過ぎを改めるかどうか期待できない
であろう。米国は病気であると思えば腹もたつまい。
為替にしろ、株式市場にしろ投機家はタイミング巧みに
病人である米国という国の弱点をついてはそれを
商売にしながら必死に生きているハゲタカやハイエナ
のような存在だと割り切ることが基本であろう。
そんな米国におんぶに、だっこ、おまけにキスまで
してもらって、おだてられて、きわどいバランスの上に
立っているヤジロベイのような日本という国の現実も
しっかりと受け止めておく必要がありそうだ。
水鳥の羽音に驚くNY株式市場。
株式相場に限った話ではない。
自分のリスクは自分で守る時代が
現実味を帯びてきたようだ。(了)
相場の世界もしょせんは人間様が参加する
ゲームであり、心理的要素に大きく左右される。
水鳥の羽音に驚くという言葉があるが昨日の
NY株式相場にも言葉ぴったりの動きを見せた。
その証拠に、ドル安が一服し、原油相場が
小幅反落したこと、FOMCの2月会合の公表議事録に
サプライズなしとわかると、けろっとして、
マーケットに安心感が広まったようだ。
NYダウは下げた分の1/3戻しの60ポイント上げて
取引を終了した。
ドル安の材料に使われたのが、韓国が米ドルを
取り崩して他の通貨や金などへ振り向けるという話で
あった。
米財務省の調べによれば、2004年末時点で、
ドル建て資産残高は、日本は7,118億ドルが
ダントツの1位、ついで中国1,938億ドル、
英国1,637億ドル、カリブ海諸国地域694億ドル
と来て、5番目が韓国の690億ドルとなっている。
韓国の外貨保有高は2,000億ドルといわれているが、
その内の690億ドルを徐々にドルから他の通貨ないしは
金などにシフトすると韓国政府は1年前に発表していた
こともわかった。
中国がユーロや金へ資産を分散するという話も以前から
ある。人民元切り上げのニュースにも異常なほど神経質なのも
人民元切り上げ即ドル安との連想ゲームに使われ易いからだ。
日本は米国に首根っ子をしっかりと抑えられているから
ドル資産を米国から引き上げる話はいまのところないと
米国も安心している。しかし、中国は当てにならない。
いつ火種が再燃するかしれたものではない。
米国の双子の赤字が一朝一夕に改善しないことが
はっきりしているから、ことあるごとに、今回の韓国の
ような話は、ドル相場を下げたいときには、投機家は
「撒き餌」として、これからも、しばしば利用するであろう。
昨日のNY株価の1/3戻しには、FOMCの議事録が
果した役割の方が多いようだ。
NY株式市場はこのところインフレ過敏症になっている。
過敏症も米国はからだの中に双子の赤字という爆弾を
抱えている症状のひとつである蕁麻疹のようなものだろう。
インフレ懸念即利上げ加速観測が後退した背景には、
2月のFOMCの議事録の中で、①米国の金利は余りにも
低過ぎた、②追加利上げはその時々の状況次第である
との文言を見つけて「サプライズなし」とマーケットは
評価したことが挙げられる。
同じ日発表された、1月の消費者物価指数が、
予測の0.2%増に対し0.1%増、食料とエエルギーを除いた
コア指数が12月横並びの0.2%増にとどまったことも
インフレ懸念を鎮める効果があったようだ。
昨日の株安では、1月のコアの卸売物価指数が
0.8%増と発表されたこともインフレ懸念材料に
使われたが消費者物価指数の発表で薄められた
のであろう。
原油相場が4月先物WTI(軽質油)相場がバレル
25セント下げたこともつかの間の安心感を生んだようだ。
米国の双子の赤字のひとつである貿易赤字は
もともと米国が海外から大量に買物をした
結果である。米国民が食べ過ぎてくれから
世界の台所が回っていることも忘れてはなるまい。
双子のいまひとつの赤字の財政赤字の方も
特に9:11テロ事件以降加速化した国防費用が
増加した結果である。こちらの方は先日発表された
2005年の予算案でも減らす気配は全くない。
米国の「出血」は、日本7,100億ドル、中国1,900億ドルに
代表される「輸血」によって相殺されている。食べ過ぎは健康に
一番よくないが、米国が食べ過ぎを改めるかどうか期待できない
であろう。米国は病気であると思えば腹もたつまい。
為替にしろ、株式市場にしろ投機家はタイミング巧みに
病人である米国という国の弱点をついてはそれを
商売にしながら必死に生きているハゲタカやハイエナ
のような存在だと割り切ることが基本であろう。
そんな米国におんぶに、だっこ、おまけにキスまで
してもらって、おだてられて、きわどいバランスの上に
立っているヤジロベイのような日本という国の現実も
しっかりと受け止めておく必要がありそうだ。
水鳥の羽音に驚くNY株式市場。
株式相場に限った話ではない。
自分のリスクは自分で守る時代が
現実味を帯びてきたようだ。(了)