40年前の古い話で恐縮だが、当時ワシントン特派員だった朝日の原康さんが「宮沢喜一さんが読んでくれていると思いながらいつも記事を書いている」と何気なく言われた言葉が妙に印象に残っている。ご本人にその話を改めてしたことはない。遠縁のNが慶應のオチケン{落語研究会}にいたとき「会場の誰か一人を決めて話を始める。池に石を投げた時の波紋と同じで周りに広がって行く」という話をしていた。
「ワールドWaveMorning」をいつも楽しみにして見ている。限られた時間内に全ての番組を見ることは出来ないが今朝の英BBCは大手新聞スキャンダル、ロシアRTRは遊覧船の沈没事故一本に絞っている。ところが、ドイツZDFはアメリカの国債格下げ問題や経済記事を木目細かく報道しようとする姿勢が見られる。ドイツZDFは女子サッカーワールドカップでアメリカがフランスに3:1で勝った。アメリカはアフガンでの兵士も含めてアメリカ全土がお祭り騒ぎだと紹介していた。
7月14日はフランス革命記念日である。フランスF2は、凱旋門通りでの軍事パレードを詳しく紹介していた。香港ATVは「中国人権活動家、アイ・ウエイウエイ氏の弁護士が、中国政府が関与して、氏の「脱税」問題を非公開で進めている」と抗議したと報じていた。シンガポールCNAはタイで「タイ貢献党が政権に着いたが次期首相さえ決まらない」と政局の先行きは不透明だと解説していた。インドテレビは連日ムンバイテロ事件報道一色だ。
経済関係では、米ブルームバーグに資産運用会社、D.モーガン氏が出演し「欧州財政危機、米連邦予算上限引き上げ問題、バ―ナンキFRB議長発言などあり全体としては冴えないが、来週から発表される米企業業績を見て株価は切り返してくるかもしれない」などと話していた。14日のNYダウは、前日比54ドル安、12,437ドルで取引を終了した。NY原油はバレル2.36ドル下げ95.69ドル、NY金先物は、トロイオンス3.80ドル高、1,589ドルと高値を更新したと「ワールドWaveMorning」(経済情報)が伝えていた。
上記「経済情報」に出演した、大和証券、長谷川誠氏は「回復の足取りが遅い雇用情勢に加えて、今朝米上院で「バ―ナンキ議長が、あらゆる準備はしているが、(株式市場が期待している)追加の金融緩和政策は考えていない」と発言後、株価は下落した。今後は生き残る企業とそうでない企業とが別れ、全体としては冴えない。株価も二極化に向かう」などと解説していた。
直近のニューズウイーク日本版は、「日本政治のメルトダウン」を特集していた。「第4の災害」の菅直人、「混乱を助長する、第4の権力」メディア、の小見出しをつけ、特に日本のメディアについて、「ぶら下がり記者会見、過剰な世論調査、政策軽視の風潮を生むあまりに近視眼的な政治報道」と多くのページを割いて分析していた。
余計なことだと叱られそうだが、広告収入の激減で日本の新聞社は、苦しい経営を迫られていると伝えられる。最寄駅の売店の新聞受けを何気なく見ていると、ほぼ満タンの日が目立つようになった。一時、「テレビ番組欄だけを見ている」と言う人がいたが、最近は、馴染みの喫茶店でも、週刊誌を手にする客が増えている。近くの歯科に定期的に治療を受けているが、そこは週刊誌だけ置いてある。原発問題、国際問題含めて、週刊誌の方が読み応え有る記事が多い。
最近の新聞記者諸侯は誰を頭に置いて記事を書いておられるのか興味深い。特にフクシマ原発以降、新聞を読む人が一段と減ったのではないかと勝手に想像している。英BBCが伝える英国メデイァ騒動は、日本のメディアにとってても他人事でないかもしれない。(了)