8月2日、NYダウは、原油相場が高値を更新し、
8月8日の米FOMCでの再利上げ必至の状況下
にもかかわらず、60ポイント上昇して10,683で
取引を終了した。
NYダウ上昇の起爆剤となったのは相次ぐ米企業の
好業績発表のようだ。それに個人所得0.5%増、
個人貯蓄率横ばいなどの経済データが投資家心理を
強気にさせたのかもしれない。
お金ほど臆病な生き物はない。そのお金が警戒感を
解いてねぐらから顔を出しはじめたのかどうか興味がある。
株に限らず相場の予測ほどあてにならないものはない。
そのことを百も承知で、投資家が株にお金をまわしはじめた
のであろうか。
7月21日、中国は突如、人民元切り上げを実施したが、
投機家の思惑をよそに、1ドル=8.10~8.11元の
ゾーンで安定していることも相場に安心感を与えているの
かもしれない。
NY原油相場は、サウジアラビアのファハド王死去を受けて、
バレル62.30ドルと1983年からデータをとり始めて以来の
最高値を更新した。サウジの政情不安、原油先高を嫌気して
8月1日のNYダウは下げた。
8月2日のNY原油先物相場は新値更新後下げたあと反発、
バレル61.89ドルと頑強に60ドル台を堅持している。
一方、8月2日、米債券市場では、10年物米国債は、値下がりした。
相場値さがりで利回りは、4.334%へ上昇した。
8月8日の米FOMC(公開市場委員会)では0.25%利上げは
相場に織りこまれている。
ナメクジに塩ということわざがある。
塩(利上げ、原油高)をかけられて
ナメクジ(NY株)が元気になった?!
NYダウは上げたが、日本はどうか?
郵政民営化法案否決、総選挙必至という話は出ている。
ところが騒ぐ割には日本の株式市場はしっかりしているのは
なぜなのか?
話は飛ぶ。
WSJ紙電子版(8/1)は、原油相場の予測はサイコロの目と
おなじようなもので出たとこ勝負、あてにならないと
喝破していたのは、喜んでばかりはおれないが、
内心痛快であった。
世界原油事情のシンクタンクであり司令塔でもある
IEA(國際エエルギー機関)が、予想データを再々修正して
いる事実を改めて指摘している。
世界の原油供給量を日量8,000万バレルとして、OPECの
数字でさえ、3,220万バレルから2,900万バレルの幅があると
いうのである。
最大の理由はOPECメンバー国の秘密主義だと指摘している。
本当の数字を彼ら自身が公表しないからだというのである。
足もとのアメリカでさえ、原油相場の予測は、まず天候に
左右されている。テロ攻撃を材料にパイプラインが破壊
されるとして供給予測を修正すると指摘している。
OPECメンバーのデータが信頼できないなら、非OPECの
データはなおさら信頼できないとWSJは指摘している。
生産量ではロシア次第、需要量では中国政府発表
データ任せである現実は避けがたい事実である。
ロシアの原油生産量は日量1,000万バレルを越えると
いわれサウジアラビアと肩を並べている石油生産大国である。
中国の石油需要は昨年、日本を抜いたと言われ、米国に次ぎ
世界第2の石油消費大国である。
ロシアと中国がブラックボックスではデータが信頼できないのも
うなずける。
IEAやOPECが発表するデータに加えてコンサルティング会社の
発表や分析が加わるからいよいよ世界の石油予測が混乱してくると
WSJ電子版は明解に指摘している。
原油高、利上げ無視、NYダウ上げる。
相場が上がりたがっているときは相場は上がる。
相場が下がりたがっているときは相場は下がる。
馬を川の側まで連れて行くことは出来ても馬に
水を飲ますことは出来ない。
お金という世界で一番臆病な生き物が相場の
居所を一番よく知っているのかもしれない。(了)
8月8日の米FOMCでの再利上げ必至の状況下
にもかかわらず、60ポイント上昇して10,683で
取引を終了した。
NYダウ上昇の起爆剤となったのは相次ぐ米企業の
好業績発表のようだ。それに個人所得0.5%増、
個人貯蓄率横ばいなどの経済データが投資家心理を
強気にさせたのかもしれない。
お金ほど臆病な生き物はない。そのお金が警戒感を
解いてねぐらから顔を出しはじめたのかどうか興味がある。
株に限らず相場の予測ほどあてにならないものはない。
そのことを百も承知で、投資家が株にお金をまわしはじめた
のであろうか。
7月21日、中国は突如、人民元切り上げを実施したが、
投機家の思惑をよそに、1ドル=8.10~8.11元の
ゾーンで安定していることも相場に安心感を与えているの
かもしれない。
NY原油相場は、サウジアラビアのファハド王死去を受けて、
バレル62.30ドルと1983年からデータをとり始めて以来の
最高値を更新した。サウジの政情不安、原油先高を嫌気して
8月1日のNYダウは下げた。
8月2日のNY原油先物相場は新値更新後下げたあと反発、
バレル61.89ドルと頑強に60ドル台を堅持している。
一方、8月2日、米債券市場では、10年物米国債は、値下がりした。
相場値さがりで利回りは、4.334%へ上昇した。
8月8日の米FOMC(公開市場委員会)では0.25%利上げは
相場に織りこまれている。
ナメクジに塩ということわざがある。
塩(利上げ、原油高)をかけられて
ナメクジ(NY株)が元気になった?!
NYダウは上げたが、日本はどうか?
郵政民営化法案否決、総選挙必至という話は出ている。
ところが騒ぐ割には日本の株式市場はしっかりしているのは
なぜなのか?
話は飛ぶ。
WSJ紙電子版(8/1)は、原油相場の予測はサイコロの目と
おなじようなもので出たとこ勝負、あてにならないと
喝破していたのは、喜んでばかりはおれないが、
内心痛快であった。
世界原油事情のシンクタンクであり司令塔でもある
IEA(國際エエルギー機関)が、予想データを再々修正して
いる事実を改めて指摘している。
世界の原油供給量を日量8,000万バレルとして、OPECの
数字でさえ、3,220万バレルから2,900万バレルの幅があると
いうのである。
最大の理由はOPECメンバー国の秘密主義だと指摘している。
本当の数字を彼ら自身が公表しないからだというのである。
足もとのアメリカでさえ、原油相場の予測は、まず天候に
左右されている。テロ攻撃を材料にパイプラインが破壊
されるとして供給予測を修正すると指摘している。
OPECメンバーのデータが信頼できないなら、非OPECの
データはなおさら信頼できないとWSJは指摘している。
生産量ではロシア次第、需要量では中国政府発表
データ任せである現実は避けがたい事実である。
ロシアの原油生産量は日量1,000万バレルを越えると
いわれサウジアラビアと肩を並べている石油生産大国である。
中国の石油需要は昨年、日本を抜いたと言われ、米国に次ぎ
世界第2の石油消費大国である。
ロシアと中国がブラックボックスではデータが信頼できないのも
うなずける。
IEAやOPECが発表するデータに加えてコンサルティング会社の
発表や分析が加わるからいよいよ世界の石油予測が混乱してくると
WSJ電子版は明解に指摘している。
原油高、利上げ無視、NYダウ上げる。
相場が上がりたがっているときは相場は上がる。
相場が下がりたがっているときは相場は下がる。
馬を川の側まで連れて行くことは出来ても馬に
水を飲ますことは出来ない。
お金という世界で一番臆病な生き物が相場の
居所を一番よく知っているのかもしれない。(了)