朝からびろうな話で恐縮だが、先日のJR脱線事故で
たまたま、その日、お腹を壊していたあるひとの話である。
40メートルもオーバーランした例の電車が伊丹駅で
行きつ戻りつした。そのため待ちきれず伊丹駅で降りて
助かったという話を例の喫茶「いけだ」で釣り名人の
馴染み客から今朝聞いた。
別件であるが、心暖まる話もある。
事故当日、見も知らぬ、あるおばあさんから
伊丹駅でいきなり、「降りなさい」と例の列車が
オーバーランした直後に、無理やりおろされ、
命拾いしたある娘さんがいた。
その娘さんが、いま、そのときの命の恩人を
ラジオの『尋ね人』で探しているという話を聞いた。
その娘さんの話では、おばあさんが、あのとき
なぜ電車を降りなさいと自分に厳しくいったのかわからないと
いう。
霊感が働いたのかもしれないし、なんとなく
話したのかもしれない。
この話を今朝、先の喫茶で聞いていて、
その娘さんも見も知らぬおばあさんの話を
よくぞ素直に聞いたものだと感心した。
年寄りの話を最近の若い人は聞かないと
ぼやくひとがいるが、そうでもないことを教えられる
話である。
年寄りは最近自信を無くしているようにも見える。
若者に嫌われると思いすぎているのかもしれない。
余計なお世話だと叱られそうだが、伊達に
年をくっていないことも随所に見せて欲しい。
あまりお奨めできない例であるが、
今朝、こういう話も喫茶「いけだ」で聞いた。
今回の事故に遇ったマンションの方には失礼な話だが、
もともとあの場所は墓地にする予定だった。そういう
場所にマンションが建てられていたというのである。
鬼門ということばがある。神戸でも不思議と事故の
多い通りがある。縁起でもないがJRのさる駅で自殺が
決まって起こる場所がある。
10年前の震災で大勢なくなった跡地にこともなげに
一戸建ての住居が建てられて、またたくまに売れていった。
「どうして?!」と思うが知らされていない人からみれば
不思議なことではないだろう。
「事実」が伏せられて売られていく。
神戸の街中の一等地でも、どうして?と、思うくらい
格安のマンションがある。
それなりの訳ありの場所を伏せて売る業者が
後をたたないが、よくよく考えておかないと
「安物買いの銭失い」になりかねない。
脱線してはいけない。話を戻す。
下痢で命拾いした人は、大阪から神戸住吉浜まで
釣りに来る人の親戚の人だったそうだ。
客人の釣り仲間の親戚の御仁は、そのとき、
くだんの運転手の真後ろにいたそうだ。
伊丹駅で電車が激しく、行きつ戻りつしたとき、
しんぼうたまらず、腹を抑えて、持っていた新聞を
ある男性に渡して電車を降りたのだという。
「ありがとう」と言って隣の男性が新聞を受け取った。
その方の顔が目に焼き付いて、毎晩、夜になると出てくる。
それで、眠れない日がずっと続いているという。
今回のJR列車脱線事故は起こるべくして起こったという
人が非常に多い。しかしほとんどの場合、常に結果論である。
JR福知山線はもともと単線だった。
土地に永年住んでいるひとでなくてもちょっと
お年を召した方なら福知山線の長閑な情景が目に浮かぶ。
軽率にものは言えないが、経済優先、スピード優先、
ダイヤ優先のとがめが出たに違いない。
競合路線の私鉄、阪急電車とはJR福知山線は、
旧国鉄時代から何10年のライバル関係にあった。
JR宝塚駅は阪急宝塚駅と目と鼻のさきにある。
全国区の宝塚歌劇のあの宝塚である。
料金では大阪まで出るのに阪急電車のほうが現在でも
JRより50円安い。
JRは福知山線を悲願の大阪都心乗り得入れを果し、
時間と便利さで勝負に出た。
好事魔多しというではないか。
そこにこそ落とし穴があったのだろう。
しかし、JRに限らず、今、日本のあらゆる産業の現場で、
スピード優先、コスト優先、採算重視をいいことに
さまざまな事故が発生しているようだ。
日本という国は、特に、「殿、ご内密に」の世界である。
ほとんどのケースが伏せられているのではなかろうか。
新聞種にならぬようひたすら隠す体質が強い。
下痢、命を救う?!JR脱線事故異聞として見過ごせない。
「禍転じて福となす」。
今回のJR脱線事故から学ぶことは
余りにも多いのではなかろうか。(了)
たまたま、その日、お腹を壊していたあるひとの話である。
40メートルもオーバーランした例の電車が伊丹駅で
行きつ戻りつした。そのため待ちきれず伊丹駅で降りて
助かったという話を例の喫茶「いけだ」で釣り名人の
馴染み客から今朝聞いた。
別件であるが、心暖まる話もある。
事故当日、見も知らぬ、あるおばあさんから
伊丹駅でいきなり、「降りなさい」と例の列車が
オーバーランした直後に、無理やりおろされ、
命拾いしたある娘さんがいた。
その娘さんが、いま、そのときの命の恩人を
ラジオの『尋ね人』で探しているという話を聞いた。
その娘さんの話では、おばあさんが、あのとき
なぜ電車を降りなさいと自分に厳しくいったのかわからないと
いう。
霊感が働いたのかもしれないし、なんとなく
話したのかもしれない。
この話を今朝、先の喫茶で聞いていて、
その娘さんも見も知らぬおばあさんの話を
よくぞ素直に聞いたものだと感心した。
年寄りの話を最近の若い人は聞かないと
ぼやくひとがいるが、そうでもないことを教えられる
話である。
年寄りは最近自信を無くしているようにも見える。
若者に嫌われると思いすぎているのかもしれない。
余計なお世話だと叱られそうだが、伊達に
年をくっていないことも随所に見せて欲しい。
あまりお奨めできない例であるが、
今朝、こういう話も喫茶「いけだ」で聞いた。
今回の事故に遇ったマンションの方には失礼な話だが、
もともとあの場所は墓地にする予定だった。そういう
場所にマンションが建てられていたというのである。
鬼門ということばがある。神戸でも不思議と事故の
多い通りがある。縁起でもないがJRのさる駅で自殺が
決まって起こる場所がある。
10年前の震災で大勢なくなった跡地にこともなげに
一戸建ての住居が建てられて、またたくまに売れていった。
「どうして?!」と思うが知らされていない人からみれば
不思議なことではないだろう。
「事実」が伏せられて売られていく。
神戸の街中の一等地でも、どうして?と、思うくらい
格安のマンションがある。
それなりの訳ありの場所を伏せて売る業者が
後をたたないが、よくよく考えておかないと
「安物買いの銭失い」になりかねない。
脱線してはいけない。話を戻す。
下痢で命拾いした人は、大阪から神戸住吉浜まで
釣りに来る人の親戚の人だったそうだ。
客人の釣り仲間の親戚の御仁は、そのとき、
くだんの運転手の真後ろにいたそうだ。
伊丹駅で電車が激しく、行きつ戻りつしたとき、
しんぼうたまらず、腹を抑えて、持っていた新聞を
ある男性に渡して電車を降りたのだという。
「ありがとう」と言って隣の男性が新聞を受け取った。
その方の顔が目に焼き付いて、毎晩、夜になると出てくる。
それで、眠れない日がずっと続いているという。
今回のJR列車脱線事故は起こるべくして起こったという
人が非常に多い。しかしほとんどの場合、常に結果論である。
JR福知山線はもともと単線だった。
土地に永年住んでいるひとでなくてもちょっと
お年を召した方なら福知山線の長閑な情景が目に浮かぶ。
軽率にものは言えないが、経済優先、スピード優先、
ダイヤ優先のとがめが出たに違いない。
競合路線の私鉄、阪急電車とはJR福知山線は、
旧国鉄時代から何10年のライバル関係にあった。
JR宝塚駅は阪急宝塚駅と目と鼻のさきにある。
全国区の宝塚歌劇のあの宝塚である。
料金では大阪まで出るのに阪急電車のほうが現在でも
JRより50円安い。
JRは福知山線を悲願の大阪都心乗り得入れを果し、
時間と便利さで勝負に出た。
好事魔多しというではないか。
そこにこそ落とし穴があったのだろう。
しかし、JRに限らず、今、日本のあらゆる産業の現場で、
スピード優先、コスト優先、採算重視をいいことに
さまざまな事故が発生しているようだ。
日本という国は、特に、「殿、ご内密に」の世界である。
ほとんどのケースが伏せられているのではなかろうか。
新聞種にならぬようひたすら隠す体質が強い。
下痢、命を救う?!JR脱線事故異聞として見過ごせない。
「禍転じて福となす」。
今回のJR脱線事故から学ぶことは
余りにも多いのではなかろうか。(了)