北海道新聞(11/5 朝刊)によると
夕張を薬木の里に 日本一へ植栽拡大 漢方原料、財政再建に活用
【夕張】漢方薬の原料となる薬木(やくぼく)の生産日本一を目指そうと、全国唯一の財政再生団体である夕張市が薬木の植栽に力を入れている。樹皮を胃腸薬に使う「キハダ」の植栽面積は2019年度にも全国最大となる見込み。輸入が多い漢方薬は国産原料の安定調達が課題となっている上に、成長が早い薬木がほかの樹種より短期間で収益を得られる点に着目した試みで、将来の財政健全化と地域活性化につなげたい考えだ。
10月下旬、夕張市中央部の市有林で、北洋銀行の行員や家族ら約50人がキハダの苗木約750本を植樹した。同行は市と森林整備に関する協定を結ぶ。市内では北部の市有林でも2年前に植えたキハダと利尿作用があるとされる「ホオノキ」の幼木が約2メートルに伸びる。植栽した市有林の多くはカラマツの伐採跡地だ。
中略
加工できる大きさになる30年頃から、夕張の契約農家から薬草を仕入れる漢方薬大手ツムラ子会社の夕張ツムラ(夕張)などに年1・2トン規模でキハダ樹皮を供給する。皮をはいだ木も木工製品向けに販売する。
昭和30頃から50年頃まで盛んに植林された北海道のカラマツは、伐採時期を迎えているという。伐採後どうするかが問題の一つだ。
キハダ(黄肌) ミカン科キハダ属 落葉高木
北海道から九州までの広い範囲に分布するミカン科の落葉樹。日本のほか、中国及びロシアの国境(ウスリー、アムール)や朝鮮半島にも見られる。
幹の下にある皮(内皮)が黄色いことからキハダと命名された。幼木の幹は滑らかで幾分、黄色がかっているが、成長するにつれてボコボコのコルク質になり、独特の紋様を形成する。
黄色い内皮は、家庭薬として古くから知られています。また、漢方では黄柏(おうはく)として処方に配合されている。
●苦味健胃整腸薬として生薬製剤の原料、打撲時の外用や(消炎作用)、胆汁分泌促進作用、膵液分泌促進作用、弱い利尿作用を持ち、主成分であるベルベリンは大腸菌・チフス菌・コレラ菌に対して殺菌作用があり、赤痢菌・黄色ブドウ球菌などに抗菌作用があるとされている。
アイヌと自然デジタル図鑑 によると
●アイヌ民族は、この木の実を料理の香りづけに、実をあめのように煮詰めて固めて、肺や胃の病気やぜんそくの薬に使うといいます。内皮はお湯で煮たものを肺や胃の病気などのときに飲み、削ったものを打ち身などのとき湿布にも。
※キハダの実を香り付けにした、漬物を食べた事がある。キハダはミカン科なので、ミカンに似たさわやかな香りがした。
雌雄異株で雌木には、夏に沢山の実を付ける。黒く熟すようだ。
12月にも実が残っていた。
外皮はコルク質で軟らかい。
内皮 1㎝ほどの厚さがある。(公園を作る時機械で付いた傷 2007/0203撮影)時間が経過したせいか茶色になっている。
萩の里自然公園の「皆伐更新実験地」には、種から自然に生えた幼木が沢山育っている。
キハダの幼木(2016/06/08)
冬芽状態のキハダ(2017/11/5)
皆伐更新実験地に生えるキハダ(2017/118)
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