脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
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ザー?

2008年06月10日 | 閑話休題
日本では病院独自の隠語のようなものがあります。
たとえば患者さんや家族への説明のことをムンテラをいいます。
これは
Mund = 口 (ドイツ語)
Therapy = 治療 (英語)
で口で治療する、つまり病状を説明する、といった意味に使われます。

くも膜下出血はどうでしょうか?
これは長年、「ザー」といわれてきました。
なぜ「ザー」なのでしょうか?

くも膜下出血のことを英語で
Subarachnoid hemorrhage
といいます。
Sub (下) arachoid(くも膜) hemorrhage(出血)
なのですが、
略してSAH
エスエーエッチと発音するのが正しいのですが、日本ではなぜかこれをドイツ語読みして「ザー」といいます。

救急室で「今からザーが来ます」といっていたら、それは雨が降るとかいうことではなくて、「くも膜下出血の患者さんが来る」という意味なのです。

     


でもこれは正しくないので、研修医の先生や学生さんには使わないようにと教えています。
地域限定の言葉もあります。
また紹介しますね。
コメント (2)
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