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脳梗塞の診断 脳血流検査

2009年02月25日 | 脳梗塞
いよいよ診断編の最後です。

脳梗塞を起こしそうなとき、脳の血のめぐり(脳血流)を測定します。
脳血流が極度に悪いと短時間で脳がやられて脳梗塞になってしまいます。
軽度であればそのまま様子を見ることができます。中等度だとある程度の時間はもちますが、その後は脳梗塞になってしまいます。
すなわち脳血流はどのぐらいの時間で脳梗塞になるかの非常に良い目安となるのです。

脳血流を測定する方法にはいろいろあります。
1)PET (Positron Emission CT)
2)SPECT (Single Photon Emission CT)
3)Xe-CT
4)Perfusion CT
5)Perfusion MRI
多すぎて嫌になりますね(^^;)

我々はこれらのどの検査も用いますが、1)2)は一般的に測定に時間がかかるので、急性期脳梗塞の時には主に4)5)が行われます。なぜなら非常に短時間(10分以内)に検査が可能だからです。
急性期脳梗塞はその後、血栓溶解療法を行いますから、なるべく時間をロスしたくないんですね!

最近ではMRIの拡散強調画像(diffusion image)と灌流画像(perfusion image)を比較して、「脳血流は低下しているがまだ脳梗塞になっていない部分」の範囲によって治療の適応が決められます。この範囲のことをDiffusion-perfusion mismatchと言い、これが広いほど治療の良い適応となります。

また脳のバイパス術の適応決定には2)のSPECTが用いられます。
これについてもまた詳しく説明しますね (^^)b

さあ、次回からいよいよ脳梗塞の治療ですよ。
乞うご期待!

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