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救済療法で合併症を出さない秘訣

2009年04月09日 | 脳梗塞
WINE娘さんから救済療法で合併症を出さない秘訣を聞かれました。
そうですねー。以下の点が大切です。

1 適応を良く考えること
2 テクニックを確立すること
3 薬の使い方を良く考えること
等でしょうか?

適応は最も大切です。この治療自体が新しくて教科書には載っていませんが、常識的なラインはあります。MRI拡散強調画像で広範な脳梗塞がないこと、これが重要です。あたりまえのようですが、最重要ポイントだと思っています。
次にテクニックですが、以下の要領で行っています。
#1 Shuttle 6FR/Launcher 6FrをICまたはCCAに上げる
#2 マイクロカテーテルをM2-3に上げる
#3 0.010のロングワイヤーでGatewayに入れ替える
という手順です。簡単でしょう。
ポイントは#1です。Shuttle 6FR/Launcher 6Frのダブルサポートにすることが重要です。またICの遠位に入れすぎるとスパスムが来るので注意してください。
薬の件ですが、救済療法を始めるときに、ヘパリンを投与しています。
動注はよほど必要と判断した時に限って行っています。

いずれにしろ倫理委員会にきちんとかけて承認を得てから行ってくださいね。通常のtPA静注のプロトコルを明らかに逸脱しますから。また当然ですが同じ部署内での同意や協力が必須です。
わからないことがあればいつでもいいので電話してください。
健闘を祈ります(^O^)/
コメント (1)
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