今日は大阪大学に研究のことで出張してきました。
うちの教室の山下先生や池亀由香先生がやってきた「脂肪組織由来幹細胞」に関する研究を発展させるのが目的です。
難しい名前ですが、簡単に言えば「皮下脂肪から神経幹細胞を取り出し移植する研究」です。
「皮下脂肪から幹細胞がとれるのでしょうか?」
とれるのです。実は美容外科でも盛んに皮下脂肪から幹細胞を取り出して自分の体に戻す治療が行われています。
おなかの脂肪がとれて胸の脂肪を増やせる!と聞けば、つい治療を受けたくなる女性がいてもおかしくはありません。
男性ならおかしいですけどね。
もちろんこの治療を本当にちゃんとやっているかどうかあやしい美容外科クリニックもあるとは聞きます。
しかしいろいろな倫理の規制を受けない状況で、美容目的であれ、すでに日本で幹細胞治療がヒトに行われているという実態に驚きます。
ただしこれは「脂肪組織から脂肪幹細胞を取り出し、自家移植して脂肪を作る」治療です。
一方、「幹細胞」は全ての細胞のもとなのですから、条件次第でいろいろな細胞に成長します。
我々はそれを「分化する」といいます。
現在研究しているのは「患者さんの皮下脂肪を1グラムとって、そこから幹細胞を取り出して増やし、神経やいろいろな組織にして戻す」というものです。こういった夢のような治療が徐々に現実味を帯びてきているのです。
すごいと思いませんか?
私たちは現在この研究をヒトの脂肪細胞で行うために、倫理審査委員会に申請中です。
しかし物事は何でもそんなに簡単ではありません。
例えば現在、池亀先生は脳梗塞モデルで研究していますが、
「皮下脂肪から取り出した幹細胞が移植するのに十分な量に増えるまでの時間」と
「脳梗塞に陥った患者さんが移植を受けるのに最も適した時期」があり、
この2つの間でうまくバランスを取らなければなりません。
また、どういう投与方法がいいのか?
どういう薬を併用するといいのか?
いろいろと疑問はつきません。
さらには「本当に神経細胞に分化しているのか?」
「分化してもちゃんとネットワークを作るのか?」
「神経ではなく他の細胞に分化してそこから栄養因子を分泌してくれた方がいいのではないのか?」
考えれば考えるほど、証明しなければならない課題があります。
それでもこの治療法は魅力的です。
私たちが必死になって再開通を試みても、血管が開通しなかった患者さん、
治療に間に合わなかった患者さん、
リハビリをしても後遺症が残った患者さん
こういった人たちの症状が、少しでも改善するのならそんな素晴らしいことはないからです。
すでに国内でもこういった試みをしている施設がありますが、我々が行おうとしているこの「脂肪組織由来幹細胞の移植」はとりわけ有望なのです。
忙しい毎日ですが、池亀先生や他の先生たちとともにがんばって行きたいです。
うちの教室の山下先生や池亀由香先生がやってきた「脂肪組織由来幹細胞」に関する研究を発展させるのが目的です。
難しい名前ですが、簡単に言えば「皮下脂肪から神経幹細胞を取り出し移植する研究」です。
「皮下脂肪から幹細胞がとれるのでしょうか?」
とれるのです。実は美容外科でも盛んに皮下脂肪から幹細胞を取り出して自分の体に戻す治療が行われています。
おなかの脂肪がとれて胸の脂肪を増やせる!と聞けば、つい治療を受けたくなる女性がいてもおかしくはありません。
男性ならおかしいですけどね。
もちろんこの治療を本当にちゃんとやっているかどうかあやしい美容外科クリニックもあるとは聞きます。
しかしいろいろな倫理の規制を受けない状況で、美容目的であれ、すでに日本で幹細胞治療がヒトに行われているという実態に驚きます。
ただしこれは「脂肪組織から脂肪幹細胞を取り出し、自家移植して脂肪を作る」治療です。
一方、「幹細胞」は全ての細胞のもとなのですから、条件次第でいろいろな細胞に成長します。
我々はそれを「分化する」といいます。
現在研究しているのは「患者さんの皮下脂肪を1グラムとって、そこから幹細胞を取り出して増やし、神経やいろいろな組織にして戻す」というものです。こういった夢のような治療が徐々に現実味を帯びてきているのです。
すごいと思いませんか?
私たちは現在この研究をヒトの脂肪細胞で行うために、倫理審査委員会に申請中です。
しかし物事は何でもそんなに簡単ではありません。
例えば現在、池亀先生は脳梗塞モデルで研究していますが、
「皮下脂肪から取り出した幹細胞が移植するのに十分な量に増えるまでの時間」と
「脳梗塞に陥った患者さんが移植を受けるのに最も適した時期」があり、
この2つの間でうまくバランスを取らなければなりません。
また、どういう投与方法がいいのか?
どういう薬を併用するといいのか?
いろいろと疑問はつきません。
さらには「本当に神経細胞に分化しているのか?」
「分化してもちゃんとネットワークを作るのか?」
「神経ではなく他の細胞に分化してそこから栄養因子を分泌してくれた方がいいのではないのか?」
考えれば考えるほど、証明しなければならない課題があります。
それでもこの治療法は魅力的です。
私たちが必死になって再開通を試みても、血管が開通しなかった患者さん、
治療に間に合わなかった患者さん、
リハビリをしても後遺症が残った患者さん
こういった人たちの症状が、少しでも改善するのならそんな素晴らしいことはないからです。
すでに国内でもこういった試みをしている施設がありますが、我々が行おうとしているこの「脂肪組織由来幹細胞の移植」はとりわけ有望なのです。
忙しい毎日ですが、池亀先生や他の先生たちとともにがんばって行きたいです。