脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
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がんばれ、医師のタマゴ達!

2008年03月13日 | 閑話休題
昨日は一日、うちの大学の医学部後期日程の試験監督をしていました。
また試験監督...  最近、多いなあ。
ぼやきはさておき、ちょっとどんな感じか紹介しますね。
定員35名のところに3000人!信じられないような倍率です。自分の頃はもっと楽だったけどなー!
計算すると1クラスに1人受からないような状態です。
ってことは隣の人をカンニングしてもだめですよね。
試験監督、いらないね。あ、問題配らないとだめかあ。

     

さて、昨日の試験問題を見ていて、物理や化学はまったく解けませんでした。
もう医学部に入れない...(笑)。自分は運が良かったなあ、と思いました。


     

でも少し不安もあります。こんな試験問題で適正が分かるのか...と。
小論文や面接があるということで、少しはいいのかなとも思いますが、ペーパーテストと臨床現場はおよそ異なる世界です。
臨床現場は厳しいですよ!完璧が求められます。最近は、手術が終わるとほっとします。
「患者さんにベストの治療を行いたい」と誰もが思っていますが、現実には副作用、合併症、医療ミスも起こります。
自分はリスクをさけるために手術室や病棟でアンテナをはりめぐらせています。
ムダな投薬や治療はしない、安全確認をとことんやる。脳外科の仕事はリスクが高いので毎日大変ですよ。

でも、
もう助からないと思った患者さんが退院して、自分の前にスーツで現れた時、
歩けなかった女子高生が同級生と談笑しながらバスに乗るのを見たとき、
私はいつも、ぐっときて、そのあと、「いい仕事をしたな」とひとりニンマリするのです。
それが自分の生きがいです。
もちろんつらいこともあります。でも医者は素晴らしい仕事です。
いつも自分なんかが医者になれたことに感謝するのです。
昨日の受験生達が晴れて合格し、仲間となってくれるのが楽しみです。
っていっても、3000人も入れんかー...


コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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これは読みやすい (rei)
2008-03-13 22:12:13
すっごい倍率ですねー。でも医は仁術ですよ。成績だけでよい医者になれるか判かるのかなー? 適性かどうかは どうやって判断するのかな?
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来たよ (小幡)
2008-03-14 10:20:44
早速見に来たよ。
開いたコラムがここだったけど、もう随分書いてるんだね。忙しい中がんばってるなぁ。
あと、この日のコラムは、グッと来たね。最近、年とったせいか、この手の話には弱くて・・・スーツ姿の人や女子高生の笑顔が目に浮かんじゃって泣きそうになるよ。
高い志を持っても、医者になれない人がたくさんいるわけだから、なれた吉村は、その人達の分も力を発揮してくれよ
返信する
すごいね (hideo)
2008-03-16 21:54:29
はじめて、ブログ見ました。専門的なことから、一般人にも興味あることまで幅広く書いてあって、分かり易いと思いました。なかなか大変でしょう。ここまで書くとなると。

リスクはあって、肉体的にも大変だと思うけど、医者の仕事ほど、人様の役に立つ、たくさんの人に心から感謝される仕事というのは他にはそうないよね。最高にやりがい、生きがいを感じられる仕事ですよね。身体を壊さないようにがんばって下さいね。
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