みなさん、こんにちは。
今回は未破裂脳動脈瘤の症状について紹介したいと思います。
「私、頭がよく痛くなるので、脳動脈瘤がないでしょうか?」という方がよく受診されます。
たしかに動脈瘤が破裂したり、解離性動脈瘤であれば頭痛が起きるので、検査はします。
しかし通常の未破裂動脈瘤の場合にはまず痛みはありません。
では私達、専門医はどんな症状が出た時に脳動脈瘤を疑うのでしょうか?
それは
1) 物が二重に見える
2) 片方のまぶたが下がってきた
というような場合です。
なぜ、こんな症状が出るのでしょうか?
脳動脈瘤は脳の動脈のどこにでも出来るのですが、好発する場所があります。
その1つが内頚動脈という目の奥を走る血管から後交通動脈という枝が分かれるところで、「内頚動脈-後交通動脈分岐部」と呼ばれます。
そして、この場所の動脈瘤は、上に挙げたような症状を出すことが多いのです。
それはなぜなのでしょうか?
実はこの場所は目を動かす神経(動眼神経)に近く、動脈瘤が形成されると、ちょうど神経に当たって、その働きを弱めるためなのです。
片方の目の動きが悪くなると、それぞれの目で見た像がずれてしまい、このため本人には「物が二重に見える」ということになります。
この症状は先日、ビートたけしさんの「家庭の医学」で脳梗塞の症状の1つとして紹介しましたが、脳動脈瘤の症状としても最も典型的なものの1つです。
さて、もう1つの「片方のまぶたが下がってきた」という症状も、前出の目を動かす神経である「動眼神経」が麻痺することで起きます。
つまり、
「朝起きたら、片方の瞼が下がっている」
とか
「運転中にセンターラインが2本に見える」
「天井の蛍光灯が2つにずれて見える」
といった症状が急に出た場合には、要注意!!!
私たち脳神経外科医はこんな時、必ずMRIなどで脳動脈瘤の有無をチェックします。
なぜなら急にこのような症状が出た場合には動脈瘤が急速に増大していたり、小出血をきたしている場合が多いからです。
みなさんも、もしこのような症状が出た場合にはすぐに脳神経外科専門医の診察を受けてください。
私自身も、これまでに何名もの患者さんの動脈瘤を診断し、手術を行いました。この状況で診断がついたこともあり、みなさん元気になられています。
ただし、これらの症状が別の病気で起きることもあります。
一番多いのは糖尿病なのです。しかし、糖尿病による神経障害が原因で物が二重に見えているのなら緊急性がないことの方が多いのです。
一方、脳動脈瘤の急速増大や破裂は命に関わります。
このため、まずは脳を調べて、それで何もなければ、その後、糖尿病性などを内科で診療してもらえば良いわけです。
すでに脳ドックなどで内頚動脈-後交通動脈分岐部に動脈瘤のあることがわかっている方は、こういった症状が出たら緊急で病院を受診してください。
以上、今回は脳動脈瘤の最も典型的な症状を紹介しました。
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今回は未破裂脳動脈瘤の症状について紹介したいと思います。
「私、頭がよく痛くなるので、脳動脈瘤がないでしょうか?」という方がよく受診されます。
たしかに動脈瘤が破裂したり、解離性動脈瘤であれば頭痛が起きるので、検査はします。
しかし通常の未破裂動脈瘤の場合にはまず痛みはありません。
では私達、専門医はどんな症状が出た時に脳動脈瘤を疑うのでしょうか?
それは
1) 物が二重に見える
2) 片方のまぶたが下がってきた
というような場合です。
なぜ、こんな症状が出るのでしょうか?
脳動脈瘤は脳の動脈のどこにでも出来るのですが、好発する場所があります。
その1つが内頚動脈という目の奥を走る血管から後交通動脈という枝が分かれるところで、「内頚動脈-後交通動脈分岐部」と呼ばれます。
そして、この場所の動脈瘤は、上に挙げたような症状を出すことが多いのです。
それはなぜなのでしょうか?
実はこの場所は目を動かす神経(動眼神経)に近く、動脈瘤が形成されると、ちょうど神経に当たって、その働きを弱めるためなのです。
片方の目の動きが悪くなると、それぞれの目で見た像がずれてしまい、このため本人には「物が二重に見える」ということになります。
この症状は先日、ビートたけしさんの「家庭の医学」で脳梗塞の症状の1つとして紹介しましたが、脳動脈瘤の症状としても最も典型的なものの1つです。
さて、もう1つの「片方のまぶたが下がってきた」という症状も、前出の目を動かす神経である「動眼神経」が麻痺することで起きます。
つまり、
「朝起きたら、片方の瞼が下がっている」
とか
「運転中にセンターラインが2本に見える」
「天井の蛍光灯が2つにずれて見える」
といった症状が急に出た場合には、要注意!!!
私たち脳神経外科医はこんな時、必ずMRIなどで脳動脈瘤の有無をチェックします。
なぜなら急にこのような症状が出た場合には動脈瘤が急速に増大していたり、小出血をきたしている場合が多いからです。
みなさんも、もしこのような症状が出た場合にはすぐに脳神経外科専門医の診察を受けてください。
私自身も、これまでに何名もの患者さんの動脈瘤を診断し、手術を行いました。この状況で診断がついたこともあり、みなさん元気になられています。
ただし、これらの症状が別の病気で起きることもあります。
一番多いのは糖尿病なのです。しかし、糖尿病による神経障害が原因で物が二重に見えているのなら緊急性がないことの方が多いのです。
一方、脳動脈瘤の急速増大や破裂は命に関わります。
このため、まずは脳を調べて、それで何もなければ、その後、糖尿病性などを内科で診療してもらえば良いわけです。
すでに脳ドックなどで内頚動脈-後交通動脈分岐部に動脈瘤のあることがわかっている方は、こういった症状が出たら緊急で病院を受診してください。
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