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難しい動脈瘤3 カバードステント

2008年12月08日 | 動脈瘤
前回の難しい動脈瘤の続きです。
ステント+コイルは今後多く行われる治療ですが、大型のものではこの方法を持ってしても根治が難しいことを説明しました。
そこで少しづつ使われはじめたのがカバードステントです。
名前の通りステントにカバーがつけてあり、これを本幹に留置すれば、本幹以外には血液が行かないため、動脈瘤は完全に血栓化してしまいます。
理想的な方法に見えますが、いくつか問題点があります。
1)ステントの内側に膜(内皮)が張らないので常に血栓化による閉塞の可能性がある
2)ステントの両端に再狭窄がおこる
3)動脈瘤の近くにある枝が一緒に閉塞されてしまう
などです。
1)2)さえ克服すれば、枝のない大型動脈瘤には良い方法となります。
現在はもちろん脳動脈瘤に使えるカバードステントはありません。
しかし心臓領域では、血管が破れた時に補修に使うために、カバードステントがいくつか認可されています。
それを脳動脈瘤に応用してうまく行ったという報告も海外にはあります。
しかし安全な治療には閉塞の危険性を減らしたカバードステントが必要です。
キーポイントは「内皮細胞」がステントの内面を覆うことです。

内皮が張るようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
いくつかのアイデアが報告されていますが、私にも以前から温めていたアイデアがありました。
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1 コメント

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はじめまして (ailesoar)
2008-12-08 14:33:12
3ヶ月前に母がくも膜下出血で倒れ、検索をしていて
先生のブロブにめくり合いました。
母は高齢ということと(84歳)部位が脳の奥深い
場所に出来た為に腕からコイル塞栓術を受けました。
いろいろなHPなどを拝見してますと、概ねが部分麻酔
で手術が受けられる事がメリットとなっていますが
母は全身麻酔下で行われ、翌日の朝まで人工呼吸器で
管理されておりました。
なぜ、そんな大がかりだったのかずっと疑問だったのですが先生のブログを読んで「そうか、主治医の先生も先生と同じ考えだったのか・・・」と目から鱗。
現在の状態はは麻痺は起きませんでしたが、重度の失語症が残っています。
でも、リハビリ病院のスタッフの皆様や家族の協力で
意志の疎通に大きな問題はなく、どんどん会話が出来るようになっています。
コイル塞栓術の回復の早さに驚き、現代医学の進歩に
驚き感謝してますが、お医者様の大変さに頭が下がる
思いです。
きっと先生に助けられた患者様や家族様は言葉では
表せない感謝をされているんだろうなと、思います。
こんな言葉しか書けませんが、大変なお仕事です。
どうかお体を大切になさってくださいませね。



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