脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

頚動脈ステント留置術のランダム化研究:SPACE

2010年01月03日 | 脳梗塞
頚動脈ステント留置術(CAS)は外科的手術(CEA)がハイリスクな場合に有効性が証明されたことを紹介しました。
しかし外科的手術に問題がない患者さんはどうなのでしょうか?
もしそれでもCASが同等の成績が出せるなら、すべて低侵襲なCASで治療すればいいということになります。

その結果、上の図に示すようにCASはCEAは近い結果を出すことができましたが(CAS 6.84% vs CEA 6.34%)、統計学的には同等ということができませんでした(非劣勢の証明ができなかったということ)。

以上からCEAに問題がない場合には、CEAの方が治療成績は良好ということになります。
ただしこの研究にはいくつか問題点があります。
特に、脳保護がたった27%の患者さんにしか行われていないことは極めて深刻な問題点です。
この脳保護は日本ではほぼ全例に行われており、CASの安全性を高めるために最も重要な手技です。
なぜそれほど脳保護は重要なのでしょうか?
次回、説明します。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あけましておめでとうござい... | トップ | 龍馬伝 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

脳梗塞」カテゴリの最新記事