簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 またしても息切れ

2010-11-24 | Weblog
ここを登れば峠に出る。
解っていても苦しくて動けない。
目の前の階段が、聳え立つ壁のように見える。
ここまで何とか休み休み登ってきたのに、ここに来てどうにも息苦しくて動けない。



あの“へんろころがし”焼山寺登山道の時と同じような状態に陥ってしまった。
暫く腰をおろして休むより仕方無い。
藪蚊が容赦なく襲ってくるが、それを追い払う気力も失せている。



30分程休んで、階段を登り、どうにか峠まで這い上がった。
そのまま、ごろんと寝転がってしまいたい心境だ。
車庫の前を借りて休んでいると、その屋の主が「この裏に茶店が有る」と教えてくれる。
不思議なもので、平坦道に出て暫く休むと何事も無かったかのように元気が湧いてくる。

成らばと移動、表に周り茶店に入る。
そこで思いがけず前夜同宿だった遍路、埼玉さん(埼玉から来た一人旅の遍路だから)
に会う。
朝食の時姿を見ることは無かったので、聞いてみると、「朝食を取らず5時頃宿を発ち、
そえみみず遍路道を来て、つい先ほど茶店に着いたところ」だと言う。



「道は整備されていたが、きっかった」の言葉には実感がこもっていた。
我々より2時間近くも早く出ているのにこの時間まで掛ったと言う事は・・・。
この道を選択しなくて良かったとつくづく思う。
「いろいろお接待が有り楽しかった」とも。

お店を営む夫婦の好意で、持参していた弁当をここで食べさせてもらう。
あれほどばてていても、食欲だけは衰えていない。
岩本寺までは、残り14キロほど、ここからは下りの平坦道が続く。(続)





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