簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

蹴上インクライン(東海道歩き旅・山城の国)

2024-10-02 | Weblog
 琵琶湖疎水は、大津市観音寺から伏見区堀詰町までの全長約20kmの
「第1疏水」、第1疏水の北側を全線トンネルで並行する全長約7.4km
の「第2疏水」、左京区蹴上付近から分岐し北白川に至る全長約3.3km
の「疏水分線」等から成っている。



 今なお現役で活躍する人工の運河であるが、特筆すべきは、世界的に
見ても二例目の水力発電が、国内でも先駆けて行なわれた事だ。
更にその電力を利用して、日本最初の電車・京都市電(京都電気鉄道)
を走らせ、地場産業の西陣織等の機械化が進んだことである。



 大神宮橋の手前、右に見えるのが疎水の第三トンネルと琵琶湖舟運の
船着き場で、大きく掘られた溝が疏水であるが水は流れてはいなかった。
反対側に見えるのが蹴上船溜りと言う施設で、線路が敷かれ荷船を乗せ
る台車が置かれている。



 この蹴上船溜りから、582m先の南禅寺船溜りまでの間の落差が36m
も有り、舟では上り下りが出来ない。その為船溜りに到着した荷船や客
船はそのまま、レールの上の台車に乗せワイヤーを巻き上げ運行した。
これがインクラインである。



 当初は水車の動力に頼っていたが、蹴上水力発電所が出来たことで、
電力モーターが使えるようになったという。

 今もこの辺りには、南禅寺船溜りに向けて下る、広々とした線路敷
きの路盤が残されていて、多くの人々の散歩する姿が見受けられる。



 そんな中、余りにも和服姿が多いので、「茶会でもあるのですか?」
と若い二人連れの娘さんに問うと、「違います。インスタです」という。

 どうやらこの線路を背景に「映える写真」を撮るため、レンタル着物
に着替えての散策らしい。
撮影をお願いすると、快くカメラに収まってくれた。(続)





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