簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

天竜川の渡し (東海道歩き旅・遠江の国)

2020-11-06 | Weblog
 見付を後に、浜松に向かう。
4里(16.4㎞)を越える長丁場ではあるが、箱根が厳しい峠道の上り下
りに比べれば、こちらは標高で言えば10m前後を行く比較的穏やかで
平坦な道である。



 とは言え宿場間の距離が長いと、肉体的にも精神的にも負担が大きい
のは確かである。道を間違えれば、とんでもないことになってしまい、
これだけでも結構神経を使う。先を急ぐ余り、この間ではどうしても写
真が少なくなり、名所旧跡にも目もくれず、只黙々と歩くだけになる。



 見付の中心部から南に1.6㎞ほど下った東海道は、JR磐田の駅近くの
東町で進路を西に変え、単調な県道261号線を3㎞ほど行き、森下の交差
点で左の旧道へと入る。所々に残る松の木の中に、宮之一色一里塚跡を見
て西進すると、やがて街道は天竜川の堤防で行き止まる。



 この先が渡し場かと思ったが、どうもそうでは無くもう少し上流らしい。
堤防下の道を右折し、その先で旧国道を横切り、住宅地に残る常夜灯を見
て左に折れる。再び正面に堤防を見て、それを登ると東岸には立派な渡し
場跡の石碑が立てられていた。当時の天竜川の渡しは、今の旧国道1号線
に架かる天竜川橋より少し上流にある、池田と言う地で行われていた。



 時代により渡し場は、多少南北にずれた位置で行われていたようだ。
渡船は明治まで続き、ここに舟橋が架けられるのは、明治7(1874)年
の事であり、その後木橋に架け替えられたのが、石碑の立つ辺りらしい。



 天竜川を見下ろす堤防上の道を1キロほど下流方向に戻り、国道に出て
右折して橋を渡る。今日架けられている橋は、1933年に旧国道1号線に完
成した、919.5mのトラス橋である。(続)






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