簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

“散居村”の風景 (JR全線乗り潰しの旅)

2014-04-07 | Weblog
 高岡と城端を結ぶ29.9キロメートルの城端線は、レンガ色のキハ40系のジーゼル
カーが2両編成で砺波平野をのんびりと走る。



 高岡の市街地を抜けると、車窓には5月に入るとチューリップが咲き乱れるという
広大な平野が展開するが、残念ながら今は見ることができない。
沿線の中心、砺波の駅近くには、一年中チューリップがみられると言う“チューリッ
プ公園”もある。



 ここ砺波平野は“散居村”が知られている。
普通の山間地では何軒かの住居が纏まって集落を形成しているが、ここでは家が
一軒一軒離れて点在している。



 これはこの地が庄川によって開けた扇状地で、水田は“ザル田”と呼ばれるほど緩く、
そのため水の管理の便を考慮して、田畑の周りに住居を構えたからだ。
しかし一説には、広い平野からとれる石高を、低く見せるために住居を散りばめた
とも、万一の出火の際に、隣家への延焼被害を抑えるためとも言われていて、およそ
500年前に形成された景観は、神秘な謎を秘めている。



 散居村の住居が特徴的なのは、母屋の多くは東向きに建てられていて、その屋
敷の西側には“カイニョ”と呼ばれる屋敷林を設けていることだ。
これは冬の西からの風雪や、夏の日差しを防ぐことを目的としていて、遠くから見る
と小さな森の中に民家が建っているように見える。





 こんな独特の景観に思いを馳せながら揺られること50分ほどで、列車は終着駅
城端のホームに滑り込んでいた。(続)


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歴史都市・高岡の町 (JR全線乗り潰しの旅)

2014-04-04 | Weblog
 前田家縁の高岡は、加賀前田家二代の前田利長公により高岡城と城下町が
築かれ、400年以上の歴史を誇る“歴史都市”に認定された町である。



 駅から歩いて10分ほどのところにある曹洞宗の名刹・瑞龍寺は、高岡の開祖・利
長公の菩提寺で、山門や仏殿等が国宝に指定されている。



 禅宗のお寺らしく、総門の先に山門が建ち、そこからは左右に回廊が寺域を取り
巻いて延び、一番奥に法堂が鉛瓦葺きの大屋根を見せて構えている。
 整然と配置された壮大な七堂伽藍は華美でも無いモノトーンが美しいお寺である。





 瑞龍寺の山門から真っ直ぐに東に延びるのが八丁道。
長さ約八丁(870m)、前田利長公墓所に向かう白い石畳が敷かれた参道である。
 マツやツツジなどの植え込みに混じって114基もの石灯篭が墓所へと導いている。
墓所は、昼なお暗い鬱蒼と茂る木々の中に、堂々とした石柱の立つ立派なものだ。



 高岡は、高岡銅器として知られる鋳物産業で栄えた町、その象徴ともいえる物が
大佛寺の境内に建つ、美男の誉れ高い“高岡大仏”である。
 奈良、鎌倉と共に日本三大仏の一つと言われる銅造りの阿弥陀如来座像で、総
重量13トン、その高さはおよそ16メートル近くも有る堂々とした像である。



 この他にも高岡城址(古城公園)、旧北陸街道筋の山町や、鋳物師の町屋が有る
金屋町等、市内には見どころも多い。(続)




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北陸本線沿線風景 (JR全線乗り潰しの旅)

2014-04-02 | Weblog
 敦賀を出て、13,870mの北陸トンネルを10分近くもかけて通り抜けると、列車は
北陸の平野部をのどかに進む。
 沿線は温泉の宝庫で、芦原温泉・加賀温泉と「温泉」の付く駅が続き、付近には、
芦原・山中・山代・片山津など、名だたる温泉郷が控えている。
そんな加賀温泉駅では、小高い丘の上で金色に輝く観音様が出迎えてくれる。





 路線は左手の日本海に沿って北上を続けるが、海は小舞子・美川辺りで見える
程度で、見えそうで中々見えない。
右手奥には、石川県内では白山連峰、富山県に入れば立山連峰が続く。
雪を頂いたころ、幾重にも重なる白銀の峰々は中々の見応えがある。



 県庁所在都市、金沢や富山を過ぎ、新潟の県境を越えると、豊かな平野部から
周りの景観は一変、北アルプスの山岳地帯が急激に日本海に落ち込む厳しい地
勢の、僅かばかりの平地にへばり付くように線路が延びている。



 昔から「越後筒石・親不知」と言われた難所だ。
嘗て北陸道を行く旅人が、海にせり出した断崖と打ち寄せる波に怯えながら、同行
する親や子を省みることも出来ないほどの難渋に泣かされたところだ。
そんな“親不知”を、今ではトンネルで難なく抜け、海にせり出した北陸自動車道や
国道8号線と縺れるようにして駆け抜けていく。



 日本列島を横断するフォッサマグナで知られる糸魚川を過ぎ、中ほどに筒石駅が
有る頸城トンネルを潜ると、やがて終着の直江津に到着する。(続)






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