街道ウォーク<旧東海道<水口宿~草津宿
2011年8月17日 15回目
大沙川隧道と弘法杉
滋賀県湖南市吉永
大沙川(おおすながわずいどう)は湖南市吉永に発し野洲川に合流する河川で、ふだんは水がほとんど流れていません。東海道の上を流れる天井川です。奈良時代に奈良の仏教寺院や石山寺の造営において、このあたりの山の木々はほとんど切り倒され、はげ山となりました。大雨のごとに土砂が流れ出して、河床が上がり天井川になったと伝えられています。この隧道は明治17年3月に県下最初の道路トンネルとして築造されました。長さ16.4m、高さ4.6m、幅4.4m、半円アーチ断面で両側壁とも花崗岩の切石積みで頑丈な構造です。地元では「吉永のマンポ」と呼ばれています。隧道の上の河川堤防には「弘法杉」がそびえ立っています。滋賀県観光情報より
▲水は流れていない・・・・・・・
旧東海道を横切る大沙川の堤上に、樹高26m、周囲6m、樹令約750年の杉がある。この大杉を古来より弘法杉、または二本杉と人々はよんでいる。伝説によれば、もとは2本あって並立していたが、洪水のために堤防が崩壊して一樹は倒れたといわれている。昔からこの地方の子どもが左手に箸を持って食事をするものは、この木の枝で箸を作って使用させると自然と右手で食事をするようになるといわれている。そのために、下の方の枝はたいてい切り取られていたと伝えられている。一説によれば弘法大師(空海)がこの地方を通過した時、二本の木を植えたとも、また弘法大師が食事をしたあと杉箸を差しておいたのが芽を出したとの説がある。その後、大風のために折れて朽ちたので里人が再び植えたが、安永2年(1773)の台風でそのうち1本が倒れたともいわれている。 平成6年3月 甲西町教育委員会
cosmophantom